(cache) 連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」

  • 1週
  • 2週
  • 3週
  • 4週
  • 5週
  • 6週
  • 7週
  • 8週
  • 9週
  • 10週
  • 11週
  • 12週
  • 13週
  • 14週
  • 15週
  • 16週
  • 17週
  • 18週
  • 19週
  • 20週
  • 21週
  • 22週
  • 23週
  • 24週
  • 25週
  • 26週

第22週「おかあちゃんの家出」

8月23日(月)〜8月28日(土)/第127回〜第132回

昭和47年10月。茂(向井理)は毎朝食事が終わるといったん食卓から戸外まで出て、また玄関から入り直して仕事部屋に向かうという奇妙な出勤スタイルをとっていた。茂に漫画を注文したある出版社が倒産し、原稿料が回収できそうもないことに雄一(大倉孝二)たちは頭を悩ませるが、布美枝(松下奈緒)にそのことは伝えられなかった。茂はその穴を埋めるために仕事をふやし、多忙を極めることになる。同日、加納郁子(桜田聖子)が村井家を訪ねてくる。自身が編集している雑誌の取材のためだった。取材後、郁子の口から出版社倒産の話を聞き、初めて真実を知らされる布美枝。 夕方、疲れている顔の茂に、ねぎらいの言葉をかける布美枝だったが、「仕事の話に口を出すな」と怒られてしまう。そこで、夫婦の間で会話が少ないことを気にした布美枝は茂に手紙を書く。

布美枝は、茂にあてた手紙が仕事部屋のゴミ箱に捨てられているのを見つけ動揺する。あいかわらず多忙な茂は夕食の席で布美枝と仲たがいし、布美枝は思わず家を飛び出してしまう。思い直して家へと戻っても、やはり何も言ってくれない茂にたいして布美枝はさびしい思いを抑えることができずにいるのだった。翌日、布美枝が藍子(菊池和澄)と喜子(松本春姫)を連れて買い物から帰ってくると、茂が早とちりをして布美枝が子供たちを連れて家出をしたのではないかという騒ぎになっていた。

前日に捨てた布美枝からの手紙を藍子に渡された茂は、それを読み返した後、そっと机にしまう。そんなことがあった数日後、浦木(杉浦太陽)がしばらくぶりに村井家を訪ねてくる。貧乏だったころとくらべてがらりと様変わりした家の様子をあらためてしげしげと眺めながら、茂に怪しげな商売の話をもちかけるが、茂は相手にせず浦木を追い出そうとその肩を押しやろうとする。しかしその手は空を泳ぎ、さらには倒れこんで意識を失ってしまう。過労だった。布美枝はそんな茂の看病を張り切ってする。そして久しぶりに夫婦水入らずの会話に花が咲く。

茂:(ポツリ)手紙、読んだぞ
布美枝:・・・
茂:家の中まで、仕事のゴタゴタを引きずったらいけんと思ってな・・・。だけん、仕事部屋に行くときも、いっぺん外に出てから、入り直しとった
布美枝:お父ちゃん・・・
茂:そげなことは、口で言わんでも、わかると思っとったんだ
布美枝:・・・
茂:おい、オレが今、何を考えとるかわかるか?
布美枝:え?
茂:いつになったら、その飯を食わせてもらえるのか
布美枝:あ、すいません!

過労で倒れてしまった茂だったが、ようやく布美枝とのあいだのわだかまりはなくなっていた。茂の体調もなんとか回復して仕事に復帰した夜のこと、布美枝の安来の実家から電話がかかってくる。それは弟の貴司(星野源)が海に落ちて亡くなったという、思いもかけない知らせだった。布美枝は姉の暁子(飯沼千恵子)とともに、安来へと向かう。二人が安来についたころには、貴司はすでに荼毘(だび)に付された後だった。通夜の後、床を並べ昔話にふける姉妹四人。

貴司の葬儀も終わり、布美枝は源兵衛(大杉漣)、ミヤコ(古手川祐子)、邦子(桂亜沙美)たち家族との別れを惜しみながら実家をあとにする。調布に帰った布美枝を茂は優しく迎え、修平(風間杜夫)と絹代(竹下景子)も肉親を亡くした布美枝の悲しみを思い、気遣う言葉をかける。貴司が手入れしてくれたミシンを見ながら、布美枝はこの世を去った弟のことを思う。

布美枝のもとに、かつてすずらん商店街で貸本屋を営んでいた田中美智子(松坂慶子)から久々に調布を訪ねるとの手紙が届く。8年ぶりに美智子と会った布美枝と茂はなつかしい思いに満たされる。かつて病気で亡くなった息子の墓を、いまの住まいのある千葉に移そうというのが美智子の来訪の目的だった。商店街の靖代(東てる美)、和枝(尾上紫)、徳子(棟里佳)も美智子との再会を喜ぶ。その夜美智子は、立て続けにいろいろなことがあった布美枝に、励ましの言葉を送る。茂は今までのような、がむしゃらな働きをやめて、これからはのんびりと暮らしていくと、布美枝に宣言する。