「韓流を長続きさせるには良質のストーリーが必要」(下)
韓国コンテンツ振興院のストーリー創作センター運営委員を務めるユン・ソクホ監督
刺激的な設定が多く、ドロドロとした人間模様を描いたドラマについても、「通りすがりに火事やけんかを見物し、すぐに立ち去る野次馬の心理に似ているのではないか。すぐに注目を集めようと強烈さばかりを前面に押し出す作品は、絶対に長くは続かない」と指摘する。
だが、「第2の韓流」については、かなり肯定的な答えが返ってきた。「韓国人の感性」ほどドラマチックなものはないとした上で、「韓国人は喜怒哀楽の強い民族。すぐに興奮してはすぐに悲しみ、感情の起伏が激しい。これをドラマで表現できればとてつもない力になる」と語った。
ユン監督は、「最近『(面白い)韓流ドラマがない』という指摘が挙がっているのは、過去の素材を発掘して楽をしようという安易なやり方のせいでもある。個人的には、最近放送された『製パン王キム・タック』のように、前向きなエネルギーと創作の力を同時に見せてくれるストーリーを高く評価する」と話した。
純粋な愛や童話のような映像美で自身のカラーを確立させたユン監督だが、「四季シリーズ」最後の作品『春のワルツ』(06年)以降、4年間は制作活動を休業している。ユン監督は、「急速に変化する視聴者のニーズをいかに盛り込むかということを、長い間悩んでいる」と話す。「愛に対する夢や、童話のようなファンタジーを捨てるつもりは全くない。その夢はずっと持ち続けるが、マンネリズムに陥ったという指摘は聞きたくないため、ずっと悩んでいる」
最後にユン監督は、ストーリー公募展への応募を目指す人たちに対し、「偽物ではなく、本物を作れ」とアドバイスした。「自分が最も共感する部分を書かなければ、いい作品は作れない」という。「誰かのまねではなく、自分が直接経験し、共感したことをしっかりとらえて書くべき。華麗なスキルやテクニックは後でいくらでも磨くことができる。自分が好きなストーリーを、まるで自分の話であるかのように作り上げる力を発揮すれば、きっと認められるはずだ」
パク・セミ記者