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「株式会社立」やめて学校法人に 岡山の中高、経営難で

2010年10月15日8時47分

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 全国で唯一、「株式会社立」の中学校と全日制高校を経営する株式会社朝日学園=岡山市、鳥海十児(とりうみ・みつじ)社長=が、来年度から学校法人化することになった。岡山県が13日、認可した。小泉内閣の規制緩和で誕生した「教育特区」を利用して2004年に誕生したが、私学助成が認められず、定員割れも続いたことから経営が困難になっていたという。

 鳥海社長は元々、岡山市内で幼稚園と小学校を運営する「学校法人朝日学園」による中学、高校の設立を目指していた。しかし同法人に約35億円の負債があり、法人所有の校舎や土地がないことなどから認められなかった。

 そこへ「教育特区」に指定された当時の御津(みつ)町(現・岡山市北区)から誘致があり、町所有の廃校舎を借りて04年4月に株式会社立朝日塾中学校を、07年には全日制の「株式会社立朝日塾高校」を開校した。

 朝日塾中は、公立中の1.5倍の授業時間、美術や体育の英語による授業、成績優秀者が難関校で不合格なら3年間の授業料を返還する「高校合格保証制度」などを実践し、注目された。

 しかし鳥海社長によると、開学当初から定員割れが続いた。株式会社立大学が各地のキャンパスを次々に閉鎖したこともあって「株式会社立は危ない」との風評も立ち、現在は中高合わせて600人の定員に約200人しかいないという。

 赤字を抱えていると新たな私立学校は運営できないため、負債は株式会社が引き継ぎ、新たな学校法人を設立する。校舎や運動場として使っている土地建物は既に買い取り、6年間の学校運営の実績もあって県の審査をクリアしたといい、新年度からは中高一貫の中等教育学校に生まれ変わる。学校法人化で年約1億円の私学助成金と、年約1千万円の固定資産税や法人税などの軽減といったメリットがあるという。(塩野浩子)

     ◇

 〈株式会社立学校〉 もともと学校は国、地方自治体、学校法人しかつくれなかったが、小泉首相時代の2003年度から、地域を限って規制を緩和する「構造改革特区」で、株式会社が設立できるようになった。内閣官房によると現在、小学校や通信制高校、大学などが計36校ある。

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