後継者問題:天安沈没めぐり正男氏が金総書記に抗議!?

 KBS放送が14日に報じたところによると、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・正男(ジョンナム)氏が、今年8月末に中国で金総書記と会い、「(金総書記の三男の)正恩(ジョンウン)氏が引き起こした哨戒艦『天安』沈没事件」に抗議したという。

 KBSによると、中国に滞在している正男氏の側近は、「金総書記が訪中したとき、正男氏が金総書記の滞在するホテルを訪れた。正男氏は金総書記に対し、“正恩は無理に貨幣改革を推し進めたものの失敗し、これを挽回(ばんかい)するために哨戒艦『天安』沈没事件を起こした。正恩の顔が知られていない時期でもなかったのに、なぜこれを黙認したのか”と抗議した」と語った。

 正男氏は当時、金総書記に対し、「父がこうした形で正恩の行動を黙認し続けてはいけない。正恩が間違った行動をし続けるなら、わたしもわたしの道を行く」と語った、とこの側近は打ち明けた。また、正男氏の側近は、「当初、9月上旬に開かれることになっていた党代表者会が延期されたのも、正男氏が金総書記に抗議したため。中国や北朝鮮の幹部クラスには、正男氏を支持する勢力が多い」と語った。

 金総書記が二人の息子の権力争いを懸念している、という主張もなされた。この側近は、「正恩氏が、マカオに滞在している正男氏を暗殺しようとしたが、中国側に発覚し、失敗した。その後金総書記は、正男氏の安全を守るよう、中国の胡錦濤国家主席に直接頼み、約束も取り付けた」と語った。KBSは、正男氏の側近だという人物の身元は明かしていない。これについて韓国政府の高官は、「根拠のないうわさにすぎない」と語った。

辛殷珍(シン・ウンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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