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西岡の挑戦者、昼間はゴミ回収業

 王座奪取に自信を見せる挑戦者ムンロー=都内ホテル
 王座奪取に自信を見せる挑戦者ムンロー=都内ホテル

 「WBC世界Sバンタム級タイトルマッチ」(24日、両国国技館)

 最強挑戦者レンドール・ムンロー(30)=英国=が13日、成田着の航空機で来日し、王座奪取へ絶対の自信を見せた。好戦的なファイトスタイルのムンローは、地元英国で人気ボクサーとして活躍する一方で、私生活ではゴミ回収の仕事に従事する変わり種。2度の欧州最優秀選手賞を獲得し、07年4月から破竹の11連勝をマークしている英国期待の星が、世界初挑戦でベルトを強奪する。

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 敵地に乗り込んできた挑戦者は終始リラックスムードだった。これまで英国以外ではアイルランドでしか試合をしたことがないムンローは「東京は世界のトップと戦うのに適した場所。今回が初来日になるが、何も問題はないよ」と、時折笑顔を交えながら余裕の表情で話した。

 “昼の顔”と“夜の顔”を持つ男だ。プロボクサーとしてリングに上がる一方で、6年間、ゴミ回収の仕事をしてきた。本職はボクシングで、ゴミ回収の仕事はあくまでも“副業”。英国で絶大な人気を誇り、ファイトマネーだけでも十分に生活することが出来るが、今もなお週4日、午前6時から午後3時まで働いている。

 ムンローはゴミ回収の仕事を続ける理由を「地に足をつけるため」と説明。人気ボクサーとして浮かれることなく、常に初心を忘れずにいることが大事だという。また一方で、激しい肉体労働はボクシングのトレーニングを兼ねており、下半身強化につながっている。

 すでに西岡のビデオは数試合分、見ており、ファイトスタイルは研究済みだ。「西岡は尊敬出来るチャンピオンだ。左のパンチとスピードが持ち味だと思う。自分の尊厳をかけて全力で当たっていく。でも、どんなファイトスタイルでいくかは今は言えない」と不敵な笑みを浮かべた。

 体重はリミットまであと1キロを切り、順調に仕上がっている。時差と日本の気候に慣れるため、通常の海外選手よりも早めの試合11日前に来日。「ベルトは必ず持って帰る」。2度にわたって欧州最優秀選手賞を獲得した英国期待の“堅実ボクサー”が、万全の態勢で世界取りに臨む。

(2010年10月13日)

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