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【大リーグ】

レンジャーズ リーグV決定Sへ リーはPS無傷の6連勝!

2010年10月14日 紙面から

 【セントピーターズバーグ阿部太郎】“優勝請負人”リーが貫禄(かんろく)のポストシーズン6連勝−。12日(日本時間13日)、ア・リーグの地区シリーズ第5戦1試合が行われ、レンジャーズ(西1位)がクリフ・リー投手(32)の完投勝利でレイズ(東1位)を5−1で下し、球団初の優勝決定シリーズ進出を決めた。これでア・リーグは15日(同16日)にレンジャーズがヤンキース(ワイルドカード=WC)を本拠地に迎えて初戦。ナ・リーグは16日(同17日)からフィリーズ(東1位)とジャイアンツ(西1位)が顔を合わせる。

 この男の手にかかれば、重い扉も簡単にこじ開けてしまう。球団創設初の地区シリーズ制覇に導いたのはまぎれもなくリーの快投。歴史を塗り替えた男の顔は、最後まで涼しげだった。変幻自在の投球でレイズ打線に付け入るスキを与えなかった。序盤は速球主体。中盤からは大きく割れるカーブを勝負球にし、終盤はカッターでかわした。

 「とにかく緩急をつけて、打者のタイミングをズラすことを考えた。四球を出さなかったのが大きかった」。9回120球を投げ切り、1失点無四球完投。11三振を奪い初戦と合わせて21奪三振は地区シリーズのタイ記録で、ポストシーズンは昨年から7試合登板して破竹の6連勝だ。

 プレッシャーがかかればかかるほど力を発揮する。第4戦、本拠地で負けて2連勝の後の2連敗。その試合後、重苦しい雰囲気が漂っていたロッカールームで、リーはサラリと言ってのけた。

 「第5戦に勝てばいいだけ。これが自分の求めていた舞台だ」。メジャー屈指の左腕が胸に刻んだのは楽しんで勝つ−。7回、ロドリゲスを見逃し三振に仕留めベンチに戻る際には、笑みさえ浮かべる余裕だった。

 まさに神様、仏様、リー様…。敵地タンパに乗り込んだノーラン・ライアン球団社長は試合後、鼻高々に言った。「両チームとも力は拮抗(きっこう)していた。その違いはクリフ・リーがいたか、どうかだ」。次はいよいよ“絶対王者”ヤンキースとのリーグ覇者を争う大一番。「ヤンキースと対戦するのが待ちきれないよ」。昨季ワールドシリーズでヤ軍相手に2勝を挙げたリーは臆することなく、その時を待つ。

 

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