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チリ北部コピアポ郊外での鉱山落盤事故で地下約700メートルに閉じ込められていた作業員が13日未明(日本時間同日午後)、救出された。8月5日の事故発生以来69日ぶりとなる、地上への生還。フロレンシオ・アバロスさん(31)を手始めに救出作業は進められ、順調なら同日中(日本時間14日午前中)にも33人全員が奇跡の生還を果たす。地下から手紙でプロポーズしたクラウディオ・ジャニェスさん(34)も恋人と涙の抱擁を交わした。
全世界が待ちわびた瞬間だった。地下から姿を現したのは「フェニックス(不死鳥)」と名付けられた鋼鉄製カプセルだった。69日ぶりの生還。約2000人の報道陣が見つめる現場に歓声が巻き起こった。
最初に救出された作業員はフロレンシオ・アバロスさん。ビデオ撮影係を買って出たシェルター内のムードメーカーは紫外線防止の特殊サングラスを掛け、カプセルを降りた。ピニェラ大統領夫妻と一緒にいたモニカ夫人は泣き崩れ、7歳の息子とともに熱いハグで迎えた。救助隊員に「コモエスタ(調子はどう)?」と尋ねられたアバロスさんは「ビエン(元気だ)」と答え、現場には「ビバ、チレ(チリ万歳)!」の大合唱がこだました。
約1時間後、2番目に地上に戻ったマリオ・セプルベダさん(40)は、バッグから地下坑道の石をゴソゴソと取り出すと「はい、プレゼント」と関係者に配った。死のふちから生還したとは思えない、センスあふれる「チリ・ジョーク」に周囲は笑顔。テレビ番組では「いろいろ経験したけど、さすがに今回はキツかったね」と語った。
そして、この日のクライマックスは、クラウディオ・ジャニェスさんが8番目に救出されたときに訪れた。地下から恋人に「戻ったら結婚しよう」という手紙を送っていた男性だ。プロポーズを承諾していた恋人のクリスティナさんに駆け寄ると抱き合い、熱いキスを繰り返した。見守る救助隊員からの祝福の拍手は、鳴りやまなかった。2人は11年前から同居して8歳と1歳の娘がいるが、正式な結婚をしていなかった。この“プロポーズ報道”でコピアポ市内の下着店からウエディングドレスと赤のブラジャーとパンティーを贈られていたクリスティナさんは「今夜が結婚初夜なの」と涙と笑顔の両方を見せた。
当初はクリスマス前後とみられていた救出作業だが、作業員の一部にうつ症状が見られたことや、世界中が熱視線を送ったことで、ピニェラ大統領は国家の一大プロジェクトとして着手。予定を大幅に前倒しした。
経験豊富な人、体調が悪い人、元気な人の順番で救出される33人。生還後はコピアポ市内の病院に2日間入院する。2人の相部屋になるため、プライベートタイムを満喫するまではもう少し我慢が必要となりそうだ。
◆過去の救出劇 1963年にドイツ北部レンゲデの鉱山で、地下約60メートルに閉じ込められた作業員11人が、2週間後にカプセルで引き上げられた例がある。ただ、29人が死亡しており、全員救出ではなかった。
また昨年、中国・貴州省の炭鉱で出水事故が起き、16人が閉じ込められた。25日後に生存者が奇跡的に救出されたが、3人だけだった。
事故以外では、今年1月のハイチ大地震で、自宅のがれきの下に閉じ込められた16歳の少女が、発生から15日ぶりに救出された例がある。
(2010年10月14日06時02分 スポーツ報知)
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