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22時間の偉業 砂漠に熱気 「チリ万歳」響く歓声

13日、チリ北部コピアポ郊外のサンホセ鉱山落盤事故で、作業員33人全員が救出され、抱き合って喜ぶ家族や知人ら
13日、チリ北部コピアポ郊外のサンホセ鉱山落盤事故で、作業員33人全員が救出され、抱き合って喜ぶ家族や知人ら
Photo By AP

 その瞬間、紙吹雪が舞い、鐘が鳴り、歓声と拍手がわき上がった。「チリ万歳」。チリ北部コピアポ郊外の鉱山落盤事故で地下に閉じ込められた作業員33人の救出作業は13日、開始からわずか約22時間半で大成功を収めた。苦難の生活からの69日ぶりの生還。「奇跡だ」。作業員の興奮と家族の感動、救助隊員の熱気が肌寒い夜の砂漠を包んだ。

 最後に生還したルイス・ウルスアさん(54)は全体のリーダー役。現場で救出を見守ったピニェラ大統領の目にもうっすら涙が浮かぶ。「君たちはわれわれの誇りだ」。チリ国旗を羽織ったひげ面のウルスアさんは大統領に対し「チリ人であることを誇りに思う」とする一方で「こんなことが二度と起きないようにしてほしい」と訴えた。

 33人を生還に導いた縦穴から立ち上る白い湯気。奇跡の瞬間に立ち会った皆が国歌を歌い、喜びを分かち合った。

 テント村では数十人の家族らが大型スクリーンの前に座り込み、救出作業を見守った。ウルスアさんがカプセルで地上に現れると、抱き合い、跳びはねた。国旗をあしらった風船が夜空高く上り、家族らが開けるシャンパンがしぶきを上げた。

 2人のおいが生還したウィルソン・アバロスさん(37)は「みんな喜んでいる。(全員救出は)できないと思ったが、神のおかげで実現できた。心から世界中にお礼を言います」と喜びをかみしめた。

 「キス、キス」。25番目に救出されたウィルソンさんのおいレナンさん(29)は、カプセルから降りると周囲に手を振り、恋人と抱き締め合った後、救出の担当者にはやし立てられ、口づけを交わした。

 20番目に救出された作業員ダリオ・セゴビアさん(48)の家族は「お帰りなさい」などと書かれた国旗を掲げながら、テレビの前で救出を見守った。セゴビアさんがカプセルに乗ると「頑張れ」と声が飛び、国歌を歌った。

 帰還したセゴビアさんが妻ジェシカさんをしっかり抱き締める。姉マリアさん(52)は「愛していると言いたい」と今にも泣きだしそうな表情で話した。 (共同)

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