2010年10月7日12時39分
ザッケローニ監督がイタリアのクラブを率いていた時、その下で元ドイツ代表FWのオリバー・ビアホフ氏(42)は飛躍を遂げた。現在はドイツ代表チームマネジャーを務めるビアホフ氏に、監督の信条や練習方法などを聞いた。
――恩師のザッケローニ氏が日本代表監督に就任した。
「とてもうれしい。ウディネーゼで3年、ACミランで3年。私の能力を最も伸ばしてくれた監督だ。信じられないほど高度な戦術知識と明確な論理を備え、それを上手に教えることができる」
――練習内容は。
「戦術練習の指示は細かい。スローインの状況も繰り返し練習して体に覚えこませた。ミニゲームは自由にやったことがない。常に目的がはっきりしていた」
――戦術上、監督が譲らなかったものは。
「例えば、前線ではリスクを冒せるが、後ろでは許さないという原則。また、守備的MFを2人置くと『2人は常に球の後ろにいること』という原則もあった。守備の動きについては、『自分の後ろで起きることは注意しなくていい』と言っていた。自分の前の選手だけを見れば、後ろにいる仲間が見てくれている、と。ACミランのスター選手でも特別扱いしなかった」
――規律を守るのは、大変だったのではないか。
「ウディネーゼが3位になったシーズン、周囲は走りすぎだと言った。でも選手は誰もが、こんなに走らないサッカーは初めてと感じていた。各自が10、15メートルの短い距離の中で完璧(かん・ぺき)に役割を守る。効率的に走るから、スペクタクルも演出できた。3年目のこの年、監督は外に立っているだけ、という感じだった」
――ACミランでリーグ優勝した後は、立て直し役を担うことが多く、成績も決してよくはなかった。最近の欧州での監督の評価は。