チリの鉱山落盤事故で最後に救出され、報道陣や市民らが待つコピアポの病院に到着したルイス・ウルスアさん(中央、サングラスの男性)(ロイター=共同)
【コピアポ共同】チリ北部コピアポ郊外のサンホセ鉱山落盤事故で、地上に引き上げられた作業員33人は救出後、鉱山現場の仮設診療所を順次離れ、14日未明までに、約50キロ離れたコピアポ市内の病院に全員搬送された。地下約700メートルでの過酷な生活は約70日間に及び、作業員らに大きな負担を与えたとみられ、退院後も半年間は心身のケアを受けることになる。
ピニェラ大統領は14日午前、病院を訪れ、33人の労をあらためてねぎらい、今月25日に首都サンティアゴの大統領府に招くと語った。政府は33人を「英雄」として建国200周年を記念した勲章を授与する方針。
国営テレビによると、14日午後、回復した作業員2、3人が退院する予定。
搬送先の病院関係者は、国営テレビに対し「作業員らは心身ともに良好な状態にある」と述べた。一方で救出活動の模様を中継した国営テレビの特設番組に出演した精神科医は、大規模な災害などを体験した人々に共通するトラウマ(心的外傷)があり得るため、今後は「心の癒やし」が必要などと指摘した。
33人は回復次第、順次退院。その後は市民生活へ復帰できるが、政府は半年間は経過観察期間として作業員らのフォローアップを続ける考えだ。