2010年9月24日15時38分
沖縄県・尖閣諸島沖での衝突事件をきっかけに、中国がハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)の日本向け輸出を止めている問題で、大畠章宏経済産業相は24日の閣議後記者会見で、中国の輸出企業が「政府から新規契約や船積みを止めるよう指示があった」と日本の商社に説明していることを明らかにした。
ただ、日本政府の問い合わせに対し、中国政府は「輸出を止めることはしていない」と回答したという。
経産省が23日までにまとめた商社経由による現地の状況によると、「中国商務省から(レアアースの)日本向けを止めるよう指示が出る模様」「日本向けについて通達をするので、新規の契約や船積み手続きを止めるよう指示があった」「商務省にある輸出許可の発給システムが止められており、新規の申請はできない状況にある」との情報が寄せられた。禁輸措置がいつまで続くかは把握できなかったという。
大畠氏は「今の情報では、米国向けの輸出のストップは出ていない」と説明。禁輸は日本だけが標的にされている可能性が高い。大畠氏は「長期にわたるのであれば日本企業に影響が出るだろうし、まずは事実関係を把握したい」と述べた。
また、海江田万里経済財政相は日本経済への影響について「アジアの需要を取り込む日本の戦略に、大変大きな障害になる」と早期解決の必要性を訴えた。