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■特命調査班 〜マル調〜「反捕鯨団体幹部を直撃した!」 2010/10/13 放送

 和歌山県太地町のイルカ追いこみ漁を描いた映画「THECOVE」。

 アカデミー賞を受賞する一方で、各地で上映が中止されるなど物議をかもしました。

 しかし、騒ぎはまだ収まる気配を見せません。

 過激な活動で知られる反捕鯨団体が、太地町に滞在しているというのです。

 水曜シリーズ、特命調査班「マル調」。

 彼らの活動を緊急リポート。

 幹部を直撃し、その本音に迫りました。

 果たして結末は・・・




 10月12日朝5時。

 和歌山県太地町の港は、ものものしい雰囲気に包まれていた。

 <記者>
 「太地町のあの入江の前に警察が停まっています」

 暗闇の中で、警察や海上保安庁の人間が入り江の方を警戒している。

 この入り江は・・・

 太地町のイルカ追い込み漁を批判的に描いた映画「THE COVE」の舞台となったあの場所だ。

 「マル調」は、ここに海外からやってきた反捕鯨団体のメンバーがいるという情報をキャッチしていた。

 入り江に近づいてみると・・・

 大がらな外国人の男がいた。

 彼の名はスコット・ウェスト。

 反捕鯨団体「シー・シェパード」の幹部だ。

 「シー・シェパード」といえば・・・

 今年1月、南極海で日本の調査捕鯨船に体当たりして乗組員が逮捕されるなど、環境保護団体ながら手段を選ばない強硬な抗議で知られている。

 <調査捕鯨船の船員>
 「AG号(アディー・ギル号)本船の前に出てきて接触しました」

 きのうは彼らの呼びかけに応じたのか、「シー・シェパード」以外の動物愛護団体の外国人も大勢詰めかけ、今月初のイルカ追い込み漁を阻止しようとしていた。

 <外国人>
 「きょう、ない、この漁。このイルカ、赤ちゃんがいる、ベイビーイルカ、妊娠さんのイルカ、いるから獲ったらおかしい」
 <警察官>
 「いけ」
 <外国人>
 「WHY?」
 <警察官>
 「『ワイ』じゃないやろ。向こうに連れて行け。入ってくんな」

 漁の中止を訴えた男性は警察官に離れるよう指示され、その後、漁は無事行われた。

 <外国人>
 「DON‘T KILL THE BABY.(赤ちゃんを殺すな)」
 「DON‘T KILL THE MOTHERS.(母親を殺すな)」
 「ママイルカ、ベイビーイルカ、 WHY?」

 彼らはなぜ、太地町のイルカにこだわるのか。

 「マル調」が彼らの日常に取材すると、その狙いが徐々に明らかになってきた。

 <記者>
 「対岸にいました。何か指差して指示してます」


 ここは太地町の漁港。

 イルカを水揚げした作業場を双眼鏡で覗きこんでいた。

 <「シー・シェパード」 スコット・ウェスト氏>
 「どれくらいいたと思う?」
 「3頭づつで・・・ あわせてたぶん6頭だね」

 日本ではその暴力的な抗議活動で悪名の高い「シー・シェパード」。

 今回日本に何人が来ているのか、聞いてみた。

 <「シー・シェパード」スコット・ウェスト氏>
 「私が唯一の『シー・シェパード』の正式メンバーです。5人のサポーターが私と共に来てます」

 彼によると「シー・シェパード」の正式メンバーは全世界で20人あまり。

 正式メンバーは、「シー・シェパードクルー」のTシャツを着ることが許される。

 一方で、サポータ―は酸素マスクを付けたドクロのTシャツがユニフォームだ。

 このサポーターは、イギリスから妻と共にやってきたと来たという。

 <サポーターの外国人男性>
 「なぜ来たのかって。ここで起きていることを好ましく思っていないからです」
 「ホテル代や交通費、食費など自腹で4,000ポンド(約52万円)払っているんです。『シー・シェパード』をサポートするためにね」

 その後、「マル調」は「シー・シェパード」の活動拠点に迎え入れられた。

 正規メンバーのウェストをはじめ、およそ10人がなにやら忙しそうにパソコンの画面に向かっていた。

 <サポーターの外国人女性>
 「インターネットにイルカ漁の動画を投稿しようとしているの」

 彼らは太地町での活動をこまめにまとめ、毎日インターネットで報告している。

 <漁協関係者>
 「出なさい。出なさい。いい。出なさい。出なさいって。わたしは生活かかってやってるんだからね。出て行きなさいっていうの。何で常駐してホームページに載せて邪魔するの」

 イルカを殺すなというのが彼らの首尾一貫した主張だが、地元・太地町民が彼らに向ける目線は冷ややかだ。

 <太地町の住民>
 「映画あってから太地町が悪いようにばっかり言われて」
 「太地町の昔からの歴史なんで(イルカを)食べるのは。そうやったら外国人も牛食べている。どないなんって思う」

 この街でかなり浮いた存在の彼ら。

 抗議の時以外は、いったい何をしているのだろうか?

 後をついていくと、イルカ追い込み漁の場所に再びやって来た。

 <サポーターの外国人女性>
 「クジラが歌うの知ってる? 水中でクジラは歌っているの、とっても素敵よ」

 浜辺に歩いていくこの女性メンバー。

 すると…

 <記者>
 「下は水着を着てました」

 もう10月半ばだが海に入り、あの入江の方向に泳いでいく。

 そして…

 <「シー・シェパード」 スコット・ウェスト氏>
 「イルカの血が彼女の手についているんだ」
 <サポーターの外国人女性>
 「濃い赤色の岩に手をかけると、残っていたイルカの血がついたの」

 このこともさっそく写真撮影。

 自分たちのホームページに掲載していた。

 先月来日してから、常に警察にもマークされている彼ら。

 いったいその狙いは何なのか?

 「マル調」は改めてスコット・ウエストにその真相を聞くことにした。

 <「シー・シェパード」 スコット・ウェスト氏)
 「滞在の目的はこの入江に注目を集めることです。毎日報告することで、この事実を全世界に知らしめることができるのです。長期的にはイルカ漁をやめさせるのが目的です」


 しかしなぜ太地町なのか?

 我々はある疑問を抱いていた。

 9月から12月まで3か月に及ぶ長期滞在。

 その資金はどこから出ているのだろうか?

 そのヒントがホームページのこの画像だ。

 「今すぐ寄付を」と書かれている。

 彼らはその活動費を、世界中の支援者からの寄付金でまかなっている。

 太地町に来たのは、映画「THE COVE」で有名になったこの街の知名度を利用して、さらなる寄付金集めにつなげたいのではないのか?

 <「シー・シェパード」 スコット・ウェスト氏)
 「我々の活動には資金が必要です。太地町に来ることで人々は我々を支援してくれるし、助けたいと思ってくれるんです」

 と、あっさり太地町のネームバリューにひかれてやってきたことを認めた。

 彼自身は12月に帰国する。

 しかし、その後はまた別の「シー・シェパード」の人間を3月いっぱいまで常駐させる予定で、町が静かな日常を取り戻すには時間がかかりそうだ。




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