眼科医長はトップキュービスト(3) 日本ルービックキューブ協会会長 秋元正行さん
産経新聞 10月14日(木)15時15分配信
【新・関西笑談】
■ネット通して人気復活 つながりの強さを感じます。
−−今年3月には大阪で、東京以外で初めて日本大会が開かれました
秋元 90人くらい参加しまして、最高齢は74歳の男性でした。ルービック・キューブは冬の時代が続きましたが、それを変えたのはインターネットの登場です。平成12年から3年間、米国へ留学していたときのことです。当時、第1回世界大会の記録(22秒台)は20年以上破られていませんでした。なぜかといえば、公式な大会が開かれていないからなんです。その後、ホームページが立ち上がり、ランキングが掲載されたり、愛好家が新しい手法を紹介し合ったりし、交流が深まりました。
−−2003(平成15)年にようやく第2回世界大会が開かれたんですね
秋元 ネットの世界のつながりで100人くらいの会ったこともない人たちの尽力で実現しました。まるで世界規模のオフ会のような大会でした。当初は01年にニューヨークでやる予定だったんですが、同時多発テロで立ち消えになりまして。あるカナダ人がスポンサーを探してきて、2年後にトロントでの開催にこぎ着けました。3×3、4×4、5×5と目隠しの4部門があり、私は4×4と5×5で優勝しました。やっと自分の解法がベストだと証明された瞬間でした。その方法は今は時代遅れになってしまいましたが。
−−ネットでの草の根運動がなかったら“復活”はなかったでしょうね
秋元 昔の大会は技同士の比べ合いで、みな手の内を隠していましたが、今はすべてネットで公開されています。解き方を解析するプログラムを開発したコンピュータープログラマーもいます。閉鎖的だった世界が、情報交換して技を高め合うようになって、人気が広がったんだと思います。大会の雰囲気は今の方がいいですね。皆さんすごく明るいです。小学生から80代の方まで、男女もいろいろで。キューブを通したつながりの強さを感じますね。昔では絶対あり得なかった姿です。コミュニティーとして継続性が保たれていると思います。
−−キューブの教育的な効果は
秋元 思考力というか立体的な感覚、感覚的に物事をとらえていくという能力は得られます。私も細かい作業が自分に合っていると分かり、眼科医を志すようにもなりましたし。
−−トップキュービストはみなIQが高そうです
秋元 それは正直わかりません(笑)。今の世代の学生が作ったキューブの同好会が東大にできて、筑波大や早大、同志社大にもあると聞きます。従来はネットでのコミュニケーションだけだったのですが、それをリアルな交流にまで深めないと将来的な発展や気づきはないですよね。よく私は音楽を例えに出すのですが、音楽は共通言語として世界中どこでも通用しますね。キューブもそういうコミュニケーションツールになります。飛行機に乗っていてキューブを回していると、必ず声をかけられますし、子供もじっと見つめてきます。(聞き手 南昇平)
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−−2003(平成15)年にようやく第2回世界大会が開かれたんですね
秋元 ネットの世界のつながりで100人くらいの会ったこともない人たちの尽力で実現しました。まるで世界規模のオフ会のような大会でした。当初は01年にニューヨークでやる予定だったんですが、同時多発テロで立ち消えになりまして。あるカナダ人がスポンサーを探してきて、2年後にトロントでの開催にこぎ着けました。3×3、4×4、5×5と目隠しの4部門があり、私は4×4と5×5で優勝しました。やっと自分の解法がベストだと証明された瞬間でした。その方法は今は時代遅れになってしまいましたが。
−−ネットでの草の根運動がなかったら“復活”はなかったでしょうね
秋元 昔の大会は技同士の比べ合いで、みな手の内を隠していましたが、今はすべてネットで公開されています。解き方を解析するプログラムを開発したコンピュータープログラマーもいます。閉鎖的だった世界が、情報交換して技を高め合うようになって、人気が広がったんだと思います。大会の雰囲気は今の方がいいですね。皆さんすごく明るいです。小学生から80代の方まで、男女もいろいろで。キューブを通したつながりの強さを感じますね。昔では絶対あり得なかった姿です。コミュニティーとして継続性が保たれていると思います。
−−キューブの教育的な効果は
秋元 思考力というか立体的な感覚、感覚的に物事をとらえていくという能力は得られます。私も細かい作業が自分に合っていると分かり、眼科医を志すようにもなりましたし。
−−トップキュービストはみなIQが高そうです
秋元 それは正直わかりません(笑)。今の世代の学生が作ったキューブの同好会が東大にできて、筑波大や早大、同志社大にもあると聞きます。従来はネットでのコミュニケーションだけだったのですが、それをリアルな交流にまで深めないと将来的な発展や気づきはないですよね。よく私は音楽を例えに出すのですが、音楽は共通言語として世界中どこでも通用しますね。キューブもそういうコミュニケーションツールになります。飛行機に乗っていてキューブを回していると、必ず声をかけられますし、子供もじっと見つめてきます。(聞き手 南昇平)
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最終更新:10月14日(木)15時27分