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キューブの順序だてて考える習慣、眼科の手術にも共通

産経新聞 10月13日(水)15時45分配信

キューブの順序だてて考える習慣、眼科の手術にも共通
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キューブを操る秋元さん。ロジックが重要なところが眼科の手術と共通するという =京都市伏見区(柿平博文撮影)(写真:産経新聞)
【新・関西笑談】眼科医長はトップキュービスト(2)

 □日本ルービックキューブ協会会長 秋元正行さん

 −−ブームの盛衰に関係なく、ご自身は研鑽(けんさん)を続けられたんですね

 秋元 ある程度は。昭和56年に開かれた第2回の日本大会の優勝者は、他者が2ステップかかる動作を1ステップで済ませる方法をマスターしていました。中3の私にはそこまで解析できませんが、その解法をちびちびと、できる範囲でものにしていく程度のことはしていましたが。

 −−瞬発力が必要ですね

 秋元 1回目の日本大会の入賞者で中学生は私だけだったと思います。他は高校生でした。第2回大会は1、2位が高校生で、3位が広島大医学部の学生でした。今でも高校生くらいが一番、手も動くし頭も動きますね。今年3月の日本大会では、小学生が初めて優勝しました。

 −−競技では、そろえるパターンを暗記しているんですか

 秋元 基本的には体で、手の雰囲気で覚えてしまいます。指の記憶とでもいいましょうか。現在のトップレベルは、ある状態を見ながら、反対側から見た状態で認識したうえで回すとか、向きによって回し方を変えるとか、そういうレベルでやっています。ただ、あまりたくさん動かし方を記憶しても、条件反射が遅くなります。考えるたびに動きが止まる時間を限りなくゼロにしていくのかが、速解きの秘訣(ひけつ)です。

 −−大学受験の理系の数学に似ているような気がしますね。勉学にはどのように役立ちましたか

 秋元 ある程度、暗記して引き出しを増やす点ではそうですね。まさに解答に結びつける応用力。自分としては役に立ったと思ってはいますが(笑)。そういうロジックというか、順序だてて考える習慣は身に付いたのかなと思います。(眼科の)手術もロジックです。もちろん、キューブのように単純に時間を競うものではありませんが、当然ステップがありますよね。眼科の手術は顕微鏡を使って細かい作業をしますから、器用でないといけませんし、テクニックにも役立っています。キューブには失敗を取り戻すテクニックもあり、まさに物事を変えていくためのロジックの象徴ですね。

 −−院内ではトップキュービストだと知られているんですよね

 秋元 一応そうですね。肯定的にとらえてもらっているかどうかは微妙ですが(笑)。あいつはルービック・キューブやっているから仕事をさぼっている、みたいに言われないように気をつけています。目の疾患で一番多いのは白内障。お年寄りになったら百パーセント全員かかる病気です。当院で年間1200件くらい手術しています。次に多いのは網膜硝子体(しょうしたい)疾患ですね。目の奥の病気で、放っておくと失明する病気が多い。網膜剥離(はくり)や糖尿病網膜症はこの部類です。米ミシガン大に留学中、移植によって、不治といわれていた網膜の病気が治せる可能性を示すことができまして、ネイチャー誌2006年9月9日号の表紙に、英国人との共同研究として成果の写真が採用されています。患者さんから「見えるようになった」と喜んでもらえる機会が多い仕事なので、やりがいは大きいですね。(聞き手 南昇平)

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最終更新:10月13日(水)16時9分

産経新聞

 

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