最終更新: 2010/10/14 20:11

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チリ鉱山落盤事故 救出作業終了も作業員7人が集中治療室で治療受ける

チリ北部の鉱山落盤事故で、地下に閉じ込められていた作業員33人全員の救出が、日本時間14日午前に完了した。
最後の作業員である現場監督のルイス・ウルスアさん(54)が地上に戻ってきたのは、日本時間14日午前9時55分。
ルイス・ウルスアさんは「チリ国民であることを誇りに思います。すべての皆さんに感謝します」と語った。
また、ウルスアさんに対し、ピニェラ大統領は「あなたの任務は終了いたしました」と述べた。
その喜びは、あっという間に国中に広がった。
そして、東京・港区にある日本のチリ大使館でも、ウルスアさんが引き上げられると大きな拍手が起こった。
奇跡の生還に、世界中が喜びに沸いた。
しかし、過酷な2カ月間は、彼らの体に重い負担をもたらしていた。
9番目に救出された最年長のマリオ・ゴメスさん(63)は、カプセルから降りる時は、とても元気そうだったが、診察の結果、重い肺炎を患っていたことがわかった。
また、2人の作業員は重度の虫歯となり、全身麻酔での治療が必要なほど悪化していた。
さらに、今回救出された33人の中で最も若いジミー・サンチェスさん(19)は、カプセルから出る時は旗を掲げ、元気そうに見えていたが、現地の医師は「ジミー・サンチェスさんは、かなり元気がないよね」、「ほとんど話せないし、救出された現実を受け入れられていない」と述べた。
心と体への重い負担。
あわせて7人が、集中治療室で治療を受けていた。
奇跡の生還を果たした33人がこれから向き合わなければならない現実。
彼らは、その壁をどう乗り越えていくのか。
世界から称賛される一方、彼らには、さまざまな現実が待ち受けていた。
今回の事故をきっかけに一気に有名になったのが、妻以外の女性の存在が明らかになった21人目の救出者、ジョニ・バリオスさん(50)。
救助現場に迎えに来たのも、お相手の女性だった。
およそ1分間にわたる抱擁。
しかし、地元紙によると、妻は徹底抗戦を宣言したという。
その一方、地下に閉じ込められていた2カ月間に、結婚を申し込んだ作業員が4人もいた。
8人目の救出者、クラウディオ・ジャネスさん(34)は、11年間同居していた女性に、今回プロポーズした。
そして、18番目に救助されたエステバン・ロハスさん(44)は、25年交際している女性に「外に出たら教会で結婚式を挙げよう。ドレスも買ってあげる」と告げたという。
落盤事故が、それぞれの人生の転機となった。
世界が注目する中で生還を果たした33人は、まさしくヒーローだった。
映画制作、本の出版と、次から次へといろいろな話が舞い込む中、作業員たちのスポークスマン役を買って出ているマリオ・セプルベダさんは、「わたしたちを有名人として扱わないでください。わたしはマリオ・セプルベダ。鉱山労働者として扱ってください。これからも鉱山で働き続けたい」と話した。
救助された33人にとっては、目には見えない新たな苦難「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」が乗しかかる可能性が指摘されている。
鹿児島純心女子大の久留一郎教授は「出来事があって1カ月から6カ月で(トラウマ)が現れる。その時の恐怖体験がトラウマになっていたとしても、(地下にいる時は)ふさがれているが、地上に上がって解放された時、収まりかかっていたトラウマがうずき出す可能性がある」と話した。

(10/14 17:50)


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