【コラム】海洋面積が中国の3倍に及ぶ日本(上)

 中国が尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる領土紛争で強い姿勢を見せるのは、島の位置が理由だ。尖閣諸島は台湾の真横に位置し、日本の本島からは1000キロ以上も離れている。地図だけで判断すれば、日本の実効支配は不自然に映る。

 尖閣諸島は元来、中国の影響圏の下にあった。しかし、1895年の日清戦争に勝利した日本が、国際法上の無主物だとして自国の領土に組み入れた。こうした経緯から、国際法的な根拠があるかは別として、日本側の歴史的な名分はやや弱い。中国が好き勝手に「力のやいば」を振り回すのも、このためだろう。

 強大国の「領土欲」は旺盛で、とどまるところを知らない。他国に近接する島まで自国のものにしてしまうほど、あからさまな欲望を見せる。中国は尖閣諸島沖の漁船衝突事件をめぐり日本を非難しているが、中国がまともな振る舞いをしているかというと、そうでもない。中国も、フィリピンやベトナムの沖合にある南沙諸島まで南下して領有権を主張し、済州島の南方にある離於島(中国名・蘇岩礁)までも狙っている。

 海の領土に早くから注目してきた日本は、想像以上に「海の富豪」だ。国土面積(世界60位)は狭いものの、経済的な主権が及ぶ海洋(排他的経済水域〈EEZ〉)面積では世界6位となっている。中国やインドの3-4倍に及ぶ海洋を支配する、ぜいたくな海洋大国なのだ。

 ピンとこなければ、海洋地図を広げてみるといい。太平洋の北西部分にある広大な海が、すべて日本の海域として塗り分けられているのを見たら、衝撃を受けるかもしれない。このうち相当部分が、19世紀末から20世紀初めにかけて日帝が進めた膨張路線に関係している。他国が国際法に明るくなかった時代に無人島を探し回り、自国の国旗を立てたのだ。

 その結果、日本の領海は不自然なほどに膨張した。最西端は台湾のすぐ横まで接近し、最南端はフィリピンの目前、東側は太平洋の真ん中まで広がっている。日本の領海を東西に結んだ直線距離は、3140キロに達する。経度では33度、時差に換算すれば2時間以上の差が出るほど巨大な領域だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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