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県立中央病院医療過誤訴訟:再発防止へ覚書 県締結、和解が成立 /鳥取

 がん検査を求めたのに半年間にわたって行わなかったため、がんの発見が遅れて死亡したとして、鳥取市の男性(当時18歳)の両親が県と県立中央病院の医師2人を相手取って約9300万円の損害賠償を求めた訴訟は13日、鳥取地裁(朝日貴浩裁判長)で和解が成立した。県が原告に550万円の和解金を支払う。また、県は、再発防止体制を整えるとした覚書を原告と結んだ。

 この訴訟では、県と病院が8月30日に「病院に過失があったのではなく、和解は訴訟の早期解決を図るため」と記者発表。原告側は、不正確な発表だったとして謝罪を求め、県病院局総務課が9月15日、県議会福祉生活病院委員会で「過失については結論は出ていない」と誤りを認め、陳謝した。

 原告側弁護士によると、この日の法廷でも県代理人から報道の経緯について改めて謝罪があったという。

 覚書には、原因が判明しない病状に関する科内での検討体制の構築▽科間のコミュニケーションの仕組みの改良▽ルーティーンで行う検査内容の検討の3点が盛り込まれた。

 亡くなった男性の父親(51)は「許せないという気持ちはあるが、息子が帰ってくるわけではない。訴訟を起こしたのは、同じような犠牲に遭ってほしくないから。病院は改善を約束した。再発防止を強く求めたい」と胸の内を語った。

 原告側弁護士は「治療の担当領域が細分化していくほど病院内でコミュニケーションがとれなくなる。総合病院の盲点かもしれない」と指摘している。【遠藤浩二】

毎日新聞 2010年10月14日 地方版

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