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【経済】

輸出カローラ海外生産へ トヨタ、国内も子会社移管

2010年10月14日 朝刊

 トヨタ自動車は主力セダン「カローラ」の生産について、2013年以降、輸出分のすべてを海外工場に移す検討を始めた。日本販売分も国内子会社に集約する方針で、1966年以来続いたトヨタ本体での生産は約半世紀で終了する。トヨタは他の輸出量産車についても現地生産の検討を進め、円高の長期化に備えた世界生産体制の再編を急ぐ。

 トヨタは現在、自社の高岡工場(愛知県豊田市)とグループの関東自動車工業(神奈川県横須賀市)、セントラル自動車(相模原市)の3拠点で国内販売用と輸出用のカローラを生産。09年は計約21万5000台を生産し、うち約6割を北米やアジア、中近東などに輸出した。

 海外販売分はカナダやブラジルなど11カ国・地域の工場でも生産しているが、13年以降は日本からの輸出分をすべて現地生産に切り替える。11年秋に稼働予定の米ミシシッピ新工場では、北米向けに年15万台を生産。国内販売用の集約先はセントラル自動車の宮城工場(宮城県大衡村)が有力で、東北地方の小型車生産拠点化をグループで推進する。

 トヨタは為替変動に強い企業体質に向け、1ドル=85〜90円でも収益を確保できるクルマづくりを目指しているが、夏以降は想定を大きく上回る1ドル=80円台前半で推移しており、業績への影響が懸念されている。

 海外への生産移管に伴う国内の減産分は、ハイブリッド車、電気自動車などの次世代エコカーや、新開発車の生産拡充で補う方針。

 減産後の雇用維持を念頭に、国内外の生産体制の抜本的な再編計画を年内をめどにまとめる。

 【カローラ】 高度経済成長期の1966年に発売し、マイカーブームの火付け役となった大衆車。当初から欧米への輸出を想定、トヨタ自動車の世界戦略をけん引した。現行タイプは2006年発売の10代目。世界140以上の国と地域で販売し、生産累計台数は3000万台超に達する。

 

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