2010年10月14日10時53分
チリ北部サンホセ鉱山で13日、最後に救出されたルイス・ウルスアさん(中央)を祝福するピニェラ大統領=AP
33人全員救助に歓喜するコピアポ市民ら=ロイター
【コピアポ(チリ北部)=堀内隆】チリ北部サンホセ鉱山で起きた落盤事故で地下に閉じこめられた作業員33人が13日午後9時55分(日本時間14日午前9時55分)、全員救出された。12日深夜の作業開始から22時間35分。地下に残っている救助要員5人を順次地上に引き上げ、過去に前例をみない救出作戦が完了する。
最後に救出されたのは、33人のリーダー格だったルイス・ウルスア氏(54)。マニャリク保健相によると、「他の作業員より先に地上に戻ることを固く拒んだ」と言う。
救出された作業員はすぐに健康状態のチェックを受け、家族と面会した後に順次コピアポ市内の病院に搬送されている。作業員の健康状態は全般的に良好だが、虫歯をわずらった人が複数いた。また肺炎の症状がある作業員もおり、しばらく入院させるという。健康状態がよい人は14日午後にも退院して帰宅できる見込みだ。
救出作業は、関係者が「想像以上」と驚くほど順調に進んだ。救出用カプセルは車輪が一時不具合を起こしたほかは問題なく稼働。救出開始当初は、慎重を期して1人あたり1時間ほどの時間をかけていたが、カプセルの動きに問題がなかったため、次第にペースアップし、後半は1人当たり20分余のペースで救出が進んだ。当初24〜48時間と想定されていた救出時間は大幅に短縮された。