2010年10月14日3時6分
中国から日本へのレアアース(希土類)の輸出が滞っている問題で、通関手続きに新たな条件が追加されていることが13日、分かった。経済産業省の輸出状況調査でも正常な状態に戻っていないことが明らかになっており、通関の申請自体をあきらめ、様子見をしている業者も出ている。
大手商社筋によると、中国の通関当局は新たに、レアアースの種類ごとに申告額が一定額以上でないと通関できないようにしているという。書類の不備の指摘や全量検査も続いており、輸出業務にさらに支障が出ている。
関係者は「通関の正常化についての指示が、(中国)政府から各税関にちゃんと下りていないという情報もある」という。別の大手商社関係者は「荷動きが望めないので、通関の申請自体をやめている状態」と話している。
同日、経済同友会の桜井正光代表幹事は定例の記者会見で、中国にほぼ全面的に依存しているレアアースについて「一国に集中するのはよくない。官民が協力し分散化を図り、『脱レア』にしていくことが大事だ」と話した。(神谷毅)