2010年10月14日10時3分
29人目の作業員が生還した救出現場=ロイター
【コピアポ(チリ北部)=堀内隆】チリの鉱山落盤事故は13日午後9時55分(日本時間14日午前9時55分)、地下に閉じこめられた作業員33人のうち最後まで残ったリーダー格のルイス・ウルスアさん(54)が地上に生還し、全作業員の救出が終わった。
地下には救助関係者ら数人が残っており、その地上帰還が終われば、落盤事故以来約2カ月間に及んだ救助作戦が完了する。
チリのマニャリク保健相は13日夕方、救出された作業員が順次運ばれてくるコピアポ市内の病院で記者会見した。作業員の健康状態は「申し分のないという以上の状態だ」と述べたが、虫歯の治療を必要とする作業員が何人かいる。また肺炎の症状がある作業員もおり、しばらく入院させるという。健康状態がよい人は明日午後にも退院して帰宅できる見込みだ。
チリ当局は救出作業の開始当初、慎重を期して1人あたり1時間ほどの時間をかけていたが、救出用カプセルの動きに大きな問題がなかったため、次第にペースアップ。鉱山での経験や健康度に応じて3グループに分けられた作業員のうち、健康に問題がないとされる最後のグループになると、1人あたり30分未満のペースで救出が進んだ。