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33人いざ地上へ、命のカプセル大作戦 チリ落盤(1/2ページ)

2010年10月12日23時30分

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写真:チリ北部のサンホセ鉱山で11日、地下に閉じ込められた33人の作業員を救出するためのカプセルのテストをする救助隊員=APチリ北部のサンホセ鉱山で11日、地下に閉じ込められた33人の作業員を救出するためのカプセルのテストをする救助隊員=AP

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 【コピアポ(チリ北部)=堀内隆】チリ北部のサンホセ鉱山落盤事故で地下に残る作業員らの救出作業が、13日に始まる。33人の作業員を東京タワーの高さの倍近い624メートルの深さから救い出す過去に例のない作戦を成功させるため、心身両面から万全の医療態勢が取られる。

 作業はまず、救援専門家と看護師各2人が、救出用カプセル「フェニックス(不死鳥)」に乗り、地下の坑道に届く縦穴を降りていくところから始まる。地下で作業員の状態をチェックし、最終的にカプセルに乗る順を決める。マニャリク保健相によると、最初に乗るのは比較的若く、かつ鉱山での経験が豊富な人。カプセルを引き上げる作業の過程を逐一観察し、地上の作業チームに情報を提供する重要な役目があるためだ。

 途中で吐き気を催さないよう、作業員は救出開始6時間前から固形食を絶ち、高カロリー、高たんぱくでミネラルを添加した流動食に切り替える。作業員は全員が、防水性と通気性に優れた特殊素材で作られた特製の作業服を着用する。地底の暗所に慣れた目には地上のちょっとした明かりも害になるため、視界全面を覆うサングラスもつける。

 直径70センチ弱の縦穴を通して作業員を引き上げる作業にはリスクもつきまとう。カプセルの動きは事前にテストが可能で、実際に11日の試験では問題が起きなかったが、地底で2カ月超を過ごした人間を地上に引き上げる作業は前例がなく、体にどんな負担がかかるか予想ができない。そのため、準備はあらゆる事態を想定して進められてきた。

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