立命館大学の北泰行教授と化学品商社の長瀬産業は8日、今年のノーベル化学賞に決まった「クロスカップリング反応」を高価な貴金属を使わずにヨウ素で実現する技術を開発したと発表した。ヨウ素は日本が世界2位の生産量で、価格が安い。製造コストはほぼ半減するとみている。長瀬は2011年度にも、薄型テレビの電極など電子部品向けの素材を量産する。
クロスカップリング反応は液晶テレビや医薬品などに使う素材の製造に幅広く利用されている。反応を促すカギとなる触媒に貴金属のパラジウムを使っており、製造コストがかさむ欠点があった。
研究チームはヨウ素化合物を触媒に使う技術を開発。導電性樹脂や有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)材料などの製造に使えることを確かめた。
長瀬産業は来年度中に、子会社のナガセケムテックス(大阪市)に製造設備を建設。まずは薄型テレビ向けの電極などに使う導電性樹脂の製造と販売を始める計画。
ヨウ素はうがい薬やレントゲンフィルムなどに使われ、世界の埋蔵量約1500万トンのうちほぼ3割が日本に存在する。パラジウムは化学品や医薬品の製造に幅広く使われており、中国など新興国の工業化にともない、価格が急騰する懸念が高まっている。
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