2010年10月14日3時5分
エフエム佐賀(佐賀市)が情報番組で、キリンビールから無料で提供されたビールなどの新商品を聴取者(リスナー)に抽選でプレゼントすると告げていたのに、約1年にわたって実際にはプレゼントしていなかったことが分かった。エフエム佐賀もこの事実を認めた。番組では当選者には発送をもって知らせると説明していたため、発覚しなかったとみられる。(吉村治彦)
同社は朝日新聞の取材に対し、「発送担当者をきちんと決めておらず、確認をしていなかった。担当者のミスで、これからはしっかり送るようにしたい」と説明した。
商品を提供してきたキリンビール佐賀支社(福岡市)は「事実であれば信頼関係を裏切る行為で残念。事実関係を確認したい」と話している。
エフエム佐賀や関係者によると、情報番組は現在は月〜金曜の夕方に放送している。キリンビールは販売促進のため、月1〜3回程度の割合でビールや発泡酒などの新商品を無料で提供。エフエム佐賀は番組内で、応募したリスナー数人にプレゼントすると告知していた。毎回、リスナーからは数十件の応募があったとみられる。
ところが、複数の関係者によると、実際には少なくとも1年間にわたり、提供された商品をリスナーに発送していなかったという。未発送の新商品は同社の更衣室などに保管され、一部は社員の宴会などに使われていた可能性もあるという。
同社営業部は、1年ほど前から新商品を発送していなかったことを認めた。営業部と放送部の間で発送業務の役割分担があいまいだったためと説明。「単純なミス。怠慢だった。キリンビールにはなんと言っていいか」と釈明している。井崎勝洋常務取締役は「担当者を処分したい」と話している。