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戦いが続くアフガニスタンで麻薬におぼれる人々、衝撃の現場の数々をとらえました。
開戦から丸9年、なお戦いが続くアフガニスタン。一部地域では復興への動きが見られるものの、その隣には深刻な危機が潜んでいます。
麻薬におぼれる人々、衝撃の現場の数々をとらえました。
混迷が続くアフガニスタン。
地方での戦闘が続く中、カブールでは、この国が抱えるもう1つの危機があらわになっていた。
タリバンなどとの戦闘のニュースが伝えられるアフガニスタンだが、首都カブールでは都市開発も進んでいる。
国際的な援助や投資によって、一部の市民は豊かさを手にしているもよう。
しかしその一方、市内のある場所では、異様な光景が広がっていた。
側面を切り取り、並べられた大型コンテナの中には、多くの男たちが集まっている。
カブール旧市街にある資材置き場では、麻薬常用者がさまざまな麻薬を使用している。
そこには、確認できるだけでも数十人の男たちがうずくまり、ただひたすら麻薬におぼれる光景が広がっていた。
ある男性は、なんと手に注射器が刺さったままで、麻薬によって酩酊(めいてい)状態に陥っているようだった。
こうした麻薬常用者たちの中で活動する一団がいた。
彼らは、麻薬常用者に治療と社会復帰プログラムを提供する、現地のNGO(非政府組織)「NEJAT(薬物教育・情報啓発センター)」の市内巡回チーム。
巡回チームのシャザマン医師は「昼と夜でも違うが、200〜400人の麻薬常習者が、ここで生活しています」と話した。
麻薬常用者は「肩を骨折して、その痛みを和らげるために麻薬を始めたんだ」と話した。
今、アフガニスタンで出回る一般的な麻薬はヘロインで、国内で栽培されるケシから作られる。
ヘロイン2包は、日本円にしておよそ450円ほどだという。
取材中、突然、警官が現れた。
当然ながら麻薬は違法で、1人の常用者を威嚇した警官は、そのままたむろするほかの男たちを追い散らし始めた。
しかしこの時、捕まる者は誰もいなかった。
あまりにも数が多く、警官1人では対応できなかったようだった。
2001年ごろには見られなかったという、こうした麻薬常用者は現在、アフガニスタン全体で100万人にも及ぶという。
麻薬人口急増のきっかけは何だったのか。
現地NGO「NEJAT」のタリク代表は「国連の発表によると、2003年に5万〜5万5,000人の麻薬常用者が帰ってきました。イランやパキスタンからの帰還難民です。彼らは帰還できてうれしいでしょうが、麻薬常用者も帰ってくるということです」と話した。
タリク氏によれば、30年近い内戦の結果、国外に逃れた難民の中には、過酷な環境下で薬物を覚えた者もおり、これが麻薬人口拡大のもととなったという。
さらに麻薬は、別の理由でも広がっていた。
20代半ばの麻薬常用者、ナジブラ(仮名)は現在、警察官を休職中。
復帰の可能性もある彼は、顔を出さないことを条件に、取材に応じることとなった。
ナジブラ(仮名)は「足にはまだ機関銃の弾が入ったままです。こっちは、地雷でけがした時の傷あとです」と話した。
警官として、南部のヘルマンドに勤務していたナジブラ(仮名)は、2010年初め、武装勢力の攻撃を受け負傷、カブールに帰ってきたが、麻薬がやめられなくなっていたという。
ナジブラ(仮名)は「(なぜ麻薬を?)夜間警備での眠気を断つためです。夜中にタリバンが基地に侵入して、自分や仲間を連れ去らないように、(寝ないように)麻薬を使いました」と話した。
25日間にわたり、武装勢力に包囲されていたというナジブラ(仮名)。
同僚たちも麻薬を使っていたという。
恐怖、疲労、不安から逃れるために手を出した麻薬は、アフガニスタンの未来を担う世代を確実にむしばんでいた。
戦争が始まってから丸9年、アフガニスタンを復興に導くかに見えたアメリカは、いまだにタリバンに勝利できていない。
そして、進まぬ復興への不信感は、農民たちをすぐさま現金収入が得られるケシの栽培へと向かわせ、結果、麻薬がはびこる構図が生まれた。
そして今、この麻薬がアメリカとアフガニスタンの行方にとって、大きな落とし穴となりつつある現実をカメラは目の当たりにする。
麻薬におぼれる人々、衝撃の現場の数々をとらえました。
混迷が続くアフガニスタン。
地方での戦闘が続く中、カブールでは、この国が抱えるもう1つの危機があらわになっていた。
タリバンなどとの戦闘のニュースが伝えられるアフガニスタンだが、首都カブールでは都市開発も進んでいる。
国際的な援助や投資によって、一部の市民は豊かさを手にしているもよう。
しかしその一方、市内のある場所では、異様な光景が広がっていた。
側面を切り取り、並べられた大型コンテナの中には、多くの男たちが集まっている。
カブール旧市街にある資材置き場では、麻薬常用者がさまざまな麻薬を使用している。
そこには、確認できるだけでも数十人の男たちがうずくまり、ただひたすら麻薬におぼれる光景が広がっていた。
ある男性は、なんと手に注射器が刺さったままで、麻薬によって酩酊(めいてい)状態に陥っているようだった。
こうした麻薬常用者たちの中で活動する一団がいた。
彼らは、麻薬常用者に治療と社会復帰プログラムを提供する、現地のNGO(非政府組織)「NEJAT(薬物教育・情報啓発センター)」の市内巡回チーム。
巡回チームのシャザマン医師は「昼と夜でも違うが、200〜400人の麻薬常習者が、ここで生活しています」と話した。
麻薬常用者は「肩を骨折して、その痛みを和らげるために麻薬を始めたんだ」と話した。
今、アフガニスタンで出回る一般的な麻薬はヘロインで、国内で栽培されるケシから作られる。
ヘロイン2包は、日本円にしておよそ450円ほどだという。
取材中、突然、警官が現れた。
当然ながら麻薬は違法で、1人の常用者を威嚇した警官は、そのままたむろするほかの男たちを追い散らし始めた。
しかしこの時、捕まる者は誰もいなかった。
あまりにも数が多く、警官1人では対応できなかったようだった。
2001年ごろには見られなかったという、こうした麻薬常用者は現在、アフガニスタン全体で100万人にも及ぶという。
麻薬人口急増のきっかけは何だったのか。
現地NGO「NEJAT」のタリク代表は「国連の発表によると、2003年に5万〜5万5,000人の麻薬常用者が帰ってきました。イランやパキスタンからの帰還難民です。彼らは帰還できてうれしいでしょうが、麻薬常用者も帰ってくるということです」と話した。
タリク氏によれば、30年近い内戦の結果、国外に逃れた難民の中には、過酷な環境下で薬物を覚えた者もおり、これが麻薬人口拡大のもととなったという。
さらに麻薬は、別の理由でも広がっていた。
20代半ばの麻薬常用者、ナジブラ(仮名)は現在、警察官を休職中。
復帰の可能性もある彼は、顔を出さないことを条件に、取材に応じることとなった。
ナジブラ(仮名)は「足にはまだ機関銃の弾が入ったままです。こっちは、地雷でけがした時の傷あとです」と話した。
警官として、南部のヘルマンドに勤務していたナジブラ(仮名)は、2010年初め、武装勢力の攻撃を受け負傷、カブールに帰ってきたが、麻薬がやめられなくなっていたという。
ナジブラ(仮名)は「(なぜ麻薬を?)夜間警備での眠気を断つためです。夜中にタリバンが基地に侵入して、自分や仲間を連れ去らないように、(寝ないように)麻薬を使いました」と話した。
25日間にわたり、武装勢力に包囲されていたというナジブラ(仮名)。
同僚たちも麻薬を使っていたという。
恐怖、疲労、不安から逃れるために手を出した麻薬は、アフガニスタンの未来を担う世代を確実にむしばんでいた。
戦争が始まってから丸9年、アフガニスタンを復興に導くかに見えたアメリカは、いまだにタリバンに勝利できていない。
そして、進まぬ復興への不信感は、農民たちをすぐさま現金収入が得られるケシの栽培へと向かわせ、結果、麻薬がはびこる構図が生まれた。
そして今、この麻薬がアメリカとアフガニスタンの行方にとって、大きな落とし穴となりつつある現実をカメラは目の当たりにする。
(10/14 00:42)