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能見“幻惑”G必殺!横手スライダー

 能見はシート打撃に登板し、横手からも投げ、打者をほんろう=甲子園(撮影・山口 登)
 能見はシート打撃に登板し、横手からも投げ、打者をほんろう=甲子園(撮影・山口 登)

 阪神・能見篤史投手(31)が12日、甲子園での全体練習でシート打撃に登板した。CSファーストSの初戦で先発予定の能見は、サイドスローからの投球や、シーズン中には見せなかった配球で打者を翻弄(ほんろう)した。対戦した城島は、特に横手からのスライダーを絶賛。CSでの新兵器にする考えだ。

  ◇  ◇

 味方をも幻惑してしまう。同じチーム同士のシート打撃とはいえ、能見の投球は今後の展望に期待を持たせるに十分な投球内容だった。シーズン中も時折見せるサイドスローで打ち気をそらしたかと思えば、シーズン中には見せなかった組み立てで女房役の城島を攻略。日に日に近づく巨人との対戦を前に、頼もしい勇姿を見せた。

 最初に対戦したブラゼルに対しての3球目だった。サイドからのスライダーで腰砕けのようなスイングをさせ、空振りで追い込むと、最後は上から投げた外角のフォークでいとも簡単に空振り三振。「自分は普通に投げていましたよ。バッターに聞いてもらった方がいいですよ」とけむに巻いたが、普段の投球をアレンジしていたことは明らかだった。

 そして、2人目に迎えた城島には普段は見せない攻めをみせた。初球はボールになる直球だったが、サイドから投球。そこから上手投げに戻して2‐2の平行カウントに持ち込むと、チェンジアップを2球続けてファウルを打たせ、最後はキレのある直球で空振り三振だ。3割29本塁打の強打者に対し、緩急をうまく使った配球で完全にタイミングを外した。

 「普段はキャッチャー目線で見ていると思いますけど、バッター目線で僕を見ると印象が違ったはず。シーズン中もチェンジアップを続けて、直球とか、こういう組み立てはなかったと思うので、バッテリーとして引き出しが増えたんじゃないですか」

 みすみす手の内を明かすわけではないが、CSへ向けて配球のバリエーションの多彩さをアピール。続く関本に対しては6球中、サイドから3球を投げ3者連続空振り三振を奪うなど、能見の安定感は群を抜いていた。その後、桧山を二直、鳥谷、平野に右前打を打たれたが計6打者に被安打2、3奪三振の内容は上々だった。

 能見のサイドからの投球には、今季の対左打者の被打率・329という数字が頭にあるのかもしれない。特に巨人には阿部、小笠原、高橋由、李ら左の強打者が多い。09年まで在籍した左のサイド、ウィリアムスが計7シーズンで対左に・179の好成績を残した事実からも、能見が時折見せたサイドは効果的と考えていい。

 練習後には城島が「能見の横からのスライダーいいでしょ」と絶賛。「CSでもどんどん使いますよ」と新兵器とする考えだ。安定感抜群の投球に幻惑投法が加われば、相手打線はたまらない。

(2010年10月12日)

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