(cache) 鑑定書のコピー添付は適法 「公正利用」は判断せず - 47NEWS(よんななニュース)
  47NEWS >  共同ニュース  > 記事詳細
  •  ニュース詳細     
  • 鑑定書のコピー添付は適法 「公正利用」は判断せず

     絵画の鑑定証書にカラーコピーを添付したのは著作権の侵害だとして、洋画家の故三岸節子さんの遺族が東京都内の美術品鑑定会社に12万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は13日、6万円の支払いを命じた一審判決を取り消し、請求を棄却した。

     コピーが著作権者の利益を不当に侵害しない範囲で著作物利用を柔軟に認める「フェアユース(公正利用)」に該当するかが争われたが、判決は判断しなかった。

     滝沢孝臣裁判長は「鑑定会社がコピーを添付したのは絵画を特定し証書の偽造を防ぐためだ。通常は絵画と証書は別々には流通せず、遺族側が複製権を利用して経済的利益を得る機会が失われるともいえない」とした。

     判決によると、会社側は2005年と08年、三岸さんの作品計2点の鑑定を所有者の依頼に基づき実施。証書は作品の写真のカラーコピーを裏面に添え、全体をラミネート加工したものだった。

     5月の一審東京地裁判決は、会社側が主張したフェアユースの適用について「日本の現行の著作権法には規定がない」と退け「コピーは複製権の侵害に当たる」とした。

      【共同通信】