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中国、国防動員法施行 軍への政府の影響力拡大 (1/2ページ)

2010.7.1 19:38
このニュースのトピックス中国

 【北京=矢板明夫】有事の際に軍務を優先し、国と軍が民間のヒトとモノを統制する「国防動員法」が、1日から中国で施行された。1990年代から進められた国防に関する法整備の一環で、共産党支配下にある国防分野への政府の影響力が拡大された点が、注目されている。一方、「有事」の規定はあいまいで、中国に進出している外資企業も同法に基づき統制の対象になる可能性もあり、懸念の声があがっている。

 今年2月に全国人民代表大会常務委員会で可決された同法は、97年に施行された安全保障の基本法である「国防法」を補完するものと位置づけられ、日本が戦前に制定した「国家総動員法」(38年)の狙いとほぼ同じだと指摘されている。

 49年に建国された社会主義の中国は当初、企業や建物などをすべて公有化し、労働者を公務員のように扱ったため、国は自由に物資を調達し人を動かすことができた。だが、78年に始まった改革開放以降、民営や外資系企業が急増し、社会が多元化したため、有事の際の法整備の必要性に迫られた。

 今回の法律には「国務院(政府)と中央軍事委員会が、共同で全国の国防動員工作を指導する」と、政府の国防分野への影響力行使が明記された。巨大な組織と軍事力をもつ中国の軍事機構は、これまでは完全に政府から独立し、共産党の中央軍事委員会の指揮下にあった。

 このため、2008年5月に起こった四川大地震の際も、いち早く現地入りした温家宝首相は軍を動かすことができず、その4日後に、軍事委員会主席を兼ねる胡錦濤国家主席が到着してから、ようやく軍民一体の救援態勢が整ったといわれている。

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