広島


臨界前核実験 高橋元資料館長が涙

アメリカがオバマ政権で初めてとなる臨界前核実験を行っていたことがわかりました。「核のない世界」を掲げるオバマ大統領に期待していた被爆者からは怒りと失望の声があがっています。アメリカの国家核安全保障局の発表によりますと、臨界前核実験は「バッカス」と名づけられたプロジェクトで、ネバダ州の核実験場で先月15日の午前5時35分に行われました。アメリカが臨界前核実験を行ったのは、2006年8月以来、およそ4年ぶりで通算24回目です。またオバマ政権になって初めてです。オバマ大統領が「核兵器のない世界」を掲げながらも核兵器の性能を維持するために核実験を行ったことに批判が高まっています。オバマ大統領に期待し4回にわたって広島訪問などを呼びかける手紙を書いた原爆資料館の元館長・高橋昭博さんは、失望したという思いを語りました。「まさか、なぜというところがある。プラハ演説は何だったのかということ。広島市民、被爆者はあなたに大いに期待していた。本当に期待を裏切られましたと言いたい。どういう思いで(友が)死んでいったのか。オバマさんに、この気持ちを伝えたい」と涙を見せました。高橋さんは来月、広島で開かれるノーベル平和賞受賞者サミットで被爆証言する予定で、オバマ大統領に参加して欲しいという思いを今も持っているということです。

(10/13 18:45)

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