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米国:臨界前核実験を実施…4年ぶり、オバマ政権下で初

オバマ米大統領=東京都港区で2009年11月14日(代表撮影)
オバマ米大統領=東京都港区で2009年11月14日(代表撮影)

 米政府が9月、核爆発を伴わない臨界前核実験を西部ネバダ州で実施していたことが12日分かった。ブッシュ政権下の06年8月の前回実施から約4年ぶりで通算24回目だが「核兵器なき世界」の追求を掲げるオバマ政権下では初めて。反核団体などは、核軍縮に向けた国際的な取り組みに逆行すると批判している。

 エネルギー省傘下の核安全保障局(NNSA)は、保有核兵器の有効性や保管上の安全性を検証するためのデータを得るのが目的と説明。北朝鮮やイランに核放棄を迫る一方で自国の核戦力は保持する米国の姿勢があらためて明確になり、一部国際社会からも非難を浴びそうだ。

 NNSAによると「バッカス」と名付けられた今回の実験は、原爆開発で知られるニューメキシコ州の核開発研究機関ロスアラモス国立研究所が担当。9月15日夕、ネバダ州の地下約300メートルにある実験室で実施された。

 高性能火薬を爆発させて衝撃波をプルトニウムに当て、核分裂連鎖反応が起きない範囲で反応や変化を調べた。実験は成功だったという。

 バッカスは計3回の実験の1回目で、米政府は残り2回を11会計年度(10年10月~11年9月)の第1四半期と第2四半期に実施する計画。

 米国は92年に地下核実験を一時停止、97年から臨界前核実験を始めた。核爆発が起きないことを理由に核実験全面禁止条約(CTBT)の対象外と主張し、継続する方針。オバマ政権は核軍縮を主張する一方で、核兵器が存在する限り米国は核戦力を維持する政策を貫いている。(共同)

 ◇臨界前核実験◇

 核爆発の模擬実験の一つ。プルトニウムなどの核物質を高性能火薬の爆発力で圧縮して反応や動きを調べる。核物質は年月の経過とともに変質するため、実験は製造から時間が経過した核兵器が性能を維持できているかを検証するために必要とされる。核物質が連鎖反応で次々と核分裂を起こす「臨界」に達する直前に実験を停止するため、核爆発は起きない。(共同)

毎日新聞 2010年10月13日 10時15分(最終更新 10月13日 13時55分)

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