「どうしてくれる!?」クレーム担当者の奮闘日記

○月×日 夜
10万円もだまし取られた!

 飲食店を狙う詐欺には以下の4つのパターンが多い。「異物混入」「衣服汚損(飲食店側のミスで衣類が汚れるトラブル)」「釣り銭の間違い」をかたるケース、それとチェーンの本部スタッフなどを装って従業員を店外に呼び出し、カネをだまし取る「おびき出し」と呼ばれるものだ。「おびき出し」はクレーム客を装う場合よりもだまし取られる金額も大きい。

 気を付けなくてはいけないと思っていた矢先、ついに恐れていたことが起きた。「室長。大変です。当社の本部スタッフを名乗る人物にB店長が10万円をだまし取られました」。私はすぐにB君の店に向かった。しばらく忙しくなりそうだ。

(後編に続く)

これだけは押さえたい!
今月のポイント

  • 詐欺師の手口は5段階
    詐欺師の手口は、次の5段階を踏むことが多い
    • ミスをでっち上げる
    • 「このままでは取り返しのつかないことになる」と脅す
    • 「今ここで誠意を見せろ」と追い込む
    • 「今なら○○で許す」と落としどころを示す
    • 「これで問題は解決した」という安心感を被害者に与える
  • 話の流れに違和感を感じたら、その場で解決しようとせず、後日対応すると告げて連絡先を聞くこと。詐欺師は、連絡先や氏名を聞かれるのを最も嫌う

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取材協力=外食相談研究会

【プロフィール】
略称、外相研(がいそうけん)。 2000年10月にスタートした外食チェーンのお客様相談窓口担当者のネットワーク。消費者へのより良い対応を目指し、クレーム対応事例の共有化などを進めている。現在、参加企業は31社(総店舗数は約2万店)、理事長は宮本健吾氏(ロッテリアお客様相談センター所長)

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