韓国語訳『朝鮮王朝実録』、来年から翻訳見直しへ(上)

ネット公開後ミスの通報9000件、現代語とかけ離れた翻訳

 「君主が乗矢を射て二矢は空を切り、二矢で的の中央と縁を連中するや…」→「君主が4発の矢を射て、2発は外れ、1発が的の中央に、1発が的の縁に相次いで当たると…」

 1993年に出版された『国訳朝鮮王朝実録』の間違った箇所を訂正し表現を現代化する作業が、来年から始まる。この作業のため、韓国古典翻訳院(朴錫武〈パク・ソンム〉院長)は昨年11月から、『国訳朝鮮王朝実録』の訂正部分に関する基礎調査を行い、その結果に基づき今月2日、国民大学本館(ソウル市城北区貞陵洞)で修正・補完案に関する公聴会を開いた。

 韓国古典翻訳院によると、国訳実録が出版されて以降、学位論文での実録引用件数は大幅に増え、2005年末に実録国訳本がインターネットで公開されてからは、検索件数が月平均300万件を超えた。しかし、ミスを指摘する通報も急増し、月平均177件、累積9345件に達した。古典翻訳院が国訳実録を標本分析したところ、誤訳など重大な誤りが5.2%、直訳調、表現の間違い、難漢字、誤字など一般的なミスが17.6%という結果が出た。

 このように誤訳や不適切な翻訳が多いのは、一世代前の研究者が中心となって実録の翻訳が行われたからだ。実録の翻訳は、68年から93年にかけて、世宗大王記念事業会と民族文化推進会が国庫補助金を得て共同で行った。両団体が作業をそれぞれ分担した影響で、長期計画や用語・体制の面で統一性を欠き、また実録に登場する時代相や専門知識に精通していないことから生じた間違いも多々ある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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