なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第17回】 2010年10月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発事業部副部長]

就活スタートを3年の秋から4年の夏に――商社業界の問題提起で、優秀な人材が採用できるようになるか?

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 大学3年までは、じっくり学業に取り組む。また、留学をするなど、自分の殻を破り、スキルアップする努力をする。いまは3年生の夏休みが主流であるインターンシップも、夏休みだけではなく、3年生から4年生にかけての春休みなどに機会が広がることになるでしょう。企業としては、会社説明会以外にも接点を広げることは可能です。つまり、採用側のプロモーションも多様化し、学生の選択肢を広げるような方向に変わっていくと思われます。

 同時に、その時間的余裕を、大学側は社会や経済に目を向けさせ、自分の志望を真剣に考えるきっかけになるようなキャリア教育のプログラムを提供するようになるはずです。

 いま大学は、文部科学省の指導によってキャリア教育を充実させるさなかにあります。大学に入りたての、1年生から就職に対する意識づけのための授業やセミナーを実施する大学も珍しくはありません。それも、程度問題でしょうが、焦りすぎ、煽りすぎ、という気がします。

 そのような取り組みは、大学3年生の秋から始まるという、現状の就職活動を前提としたものですが、その前提を変えてしまおうという産業界からの働き掛けは、大学生が地に足のついた活動によって、無理なく就業意識を成熟させるチャンスだと言えるのではないでしょうか。

 企業の採用活動は4年生の夏以降の短期集中型になる分、それまでの助走期間を充実させることが、就職における大学格差につながっていくことになるでしょう。うまくプログラムを構築すれば、大学4年生の就職活動スタート時には、かなり「機が熟す」感じになっているのではないでしょうか。

 10月に入って学生が一斉にゲートイン。ゲートが開くとやにわに全力疾走しなければならないものの、本当のところ自分が何になりたいのか分かっていない…。でも、自己分析やら、志望動機やら、やらなければならないことが一気に降りかかってくる…。

 その前に、少しじっくりと考えるべきこと、知るべきことがあるのではないでしょうか。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発事業部副部長]

1961年、東京都生まれ。86年ダイヤモンド社に入社し、「週刊ダイヤモンド」記者として流通、化学・医薬品、家電、運輸・サービスなどの各業界を担当。同誌副編集長、マネー誌「ザイ」副編集長を経て、06年より人材開発事業部副部長。08年9月29日に発刊された週刊ダイヤモンド別冊「ダイヤモンドing(イング)」では編集人を務める。『若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル』『なぜ職場で人が育たなくなったのか』を連載中。


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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