東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事
【プロ野球】ソフトCSへ好感触 仮想成瀬メッタ打ち2010年10月12日 紙面から ◇フェニックス・リーグ(11日西都)
クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでロッテと激突するソフトバンクが11日、“仮想・成瀬”をめった打ちにした。宮崎・西都原運動公園野球場で行われたフェニックス・リーグのヤクルト戦で打線が爆発。ロッテのエース・成瀬と同じサウスポーの中沢から10点を奪った。一方のロッテは、西村徳文監督(50)が成瀬善久投手(24)の初戦先発を示唆。決戦に向け、早くも熱が高まってきた。 視界は良好だ。4本のアーチが両翼95メートルの球場にかかった。3日後に迫ったCSファイナルステージ初戦。最大のターゲットとなる成瀬を、ヤフードームで沈める準備は整った。 「“よく打った”と言うより、よく打たれたな」。宮崎での調整ゲームを終えた秋山幸二監督(48)の第一声だ。ピリッとしなかった投手陣に一抹の不安は残ったとはいえ、打線の仕上がりに関しては手応えを感じ取った。だからこそ、あえて野手陣には言及しなかった。 ヤクルトの先発は、ルーキーながら7勝をマークした中沢。球の切れで勝負するサウスポーは「仮想・成瀬」にうってつけ。試合に飢えたソフトバンク打線は立ち上がりから襲いかかった。2回は無死一、二塁から松田が送りバント。本番を見据えた采配(さいはい)で好機を広げ、下位の江川と田上が連続適時打だ。 圧巻は3回。多村のソロで口火を切ると、打者11人の猛攻で一挙6点。ルーキー左腕をめった打ちにした。「(ヤフードームなら)レフトフライですよ。でも、打撃はいい感じです」。左翼席に豪快なグランドスラムを放った田上も思わずほおを緩めた。成瀬には今季8打数1安打と苦しめられただけに、景気づけの一発になった。 成瀬とは今季5度対戦し、うち4度土をつけている。苦手意識は薄い。ただしロッテにとっては絶対的な柱。西武とのファーストステージ初戦で涌井に当てた西村監督は、ファイナルステージ初戦でも中4日で杉内にぶつけることを示唆。第6戦の先発まで見据えた“ガチンコ起用”に敵の意気込みが垣間見える。だからこそ「仮想・成瀬」を猛打でたたきのめした意義は大きい。 「あとは気持ちと集中力を持って、やっていくだけだよ」。帰りのバスに乗り込む間際の秋山監督もうなずいた。技術と体の調整は完了。指揮官が最も重視する「闘争心」をかき立てながら、まずは打倒成瀬に集中する。 (西口憲一)
|