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【格闘技】

小島IWGP新王者 新日完全制圧

2010年10月12日 紙面から

◇新日本プロレス IWGPヘビー級選手権

IWGPヘビー級チャンピオンを奪取し、ベルトを掲げる小島=両国国技館で

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 ▽11日▽東京・両国国技館▽観衆8800人

 フリーの小島聡(40)が新日本を統一した。新日本のヘビー級2大看板、IWGPヘビー級王者の真壁刀義(38)と今夏のG1クライマックス優勝者・小島が激突。互いにラリアットを何度も打ち合う肉弾戦となり、最後は小島がこん身の力を振り絞った右ラリアットで真壁を粉砕、第55代王者に就いた。初防衛戦は12月11日の大阪大会で予定されており、新日本は団体の威信にかけて奪回に挑む。

 最後は2カ月前にG1を取ったときと同じ、ラリアットだった。小島にとって右腕は、命の次に大事なものだが、酷使しすぎて上げることさえできなくなり、春先に手術。同時に所属していた全日本を退団し、闘いの場を失った。8月にフリーの立場で古巣の新日本に戻り、G1で初優勝。そして今度は5年半ぶりにIWGPのベルトを巻いた。「チョー、サイコーです」。勝ち名乗りを受けた第一声は、地獄のふちからよみがえった喜びを表していた。

 対戦前、真壁から「オレンジ豚」「チャーシューにしてやる」と散々コケにされた。試合開始直後に珍しく場外乱闘に誘い、テーブルに相手をたたきつけたりいすを振り上げたのは、ため込んだ怒りを爆発させたためか。だが、その後は左右のラリアットを打ちまくり、真壁の戦意を失わせた。

 新日本に入団したての新弟子時代、先輩レスラーが保持していたIWGPのベルトをこっそり巻いたのが見つかり、どやしつけられた。また、後輩として入ってきた真壁があまりにも不器用で「すぐに夜逃げするのでは」と本気で心配した。そんないろんな思いが、闘いながら頭の中を交差した。

 新日本の頂点に立ったことが「重い。重すぎる」という。これから新日本の若い後輩たちの挑戦を、順に受けなければならない。「(最初の挑戦者には)中邑真輔選手を指名したいと思います」と観客に宣言した。戴冠の喜びは一夜だけ。これから再び小島の地獄が始まる。 (大西洋和)

 

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