地元の小学生に表彰状を渡す三都主(左)=愛知県岡崎市のウイングタウンで
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名古屋グランパスの元日本代表MF三都主アレサンドロ(33)が11日、愛知県岡崎警察署の一日署長に任命された。同署の神谷博幸署長(59)から委嘱状を受け取り、岡崎市のウイングタウンで地域安全に関するトークショーに参加。94年にブラジルから来日して長く活躍する三都主は、「初優勝のチャンスをものにしたい」と約400人のファンを前にV宣言した。
三都主“署長”が、力強く宣言した。約400人のファンを沸かせたトークショーの終盤、自らリーグ終盤への決意を激白した。
「今年は優勝するチャンスがある。『いいところまでいくけどなかなか勝てない』と言われてきたけれど、今年こそ初優勝して強いグランパスを見せたい」
イベントのテーマは多文化共生。岡崎市には約1万人の外国人が住み、ブラジル人が半数を占める。16歳でブラジルから来日し、21歳で日本国籍を取得した三都主に白羽の矢が立った。
「最初は日本に慣れるのが難しかった。言葉の壁、食生活の壁…。精神的にすごく強くなった。ブラジルでスカウトされたのも、半分は運だった。そういうチャンスをモノにすることを、今もテーマに持っている」
故郷ブラジルから遠く離れた日本で代表選手まで上り詰めた苦労人は、チャンスをつかむために強い精神力が必要だと強調。2位と勝ち点9差となり、あえて「優勝」の2文字を口に出して自らにムチを入れた。
慣れない制服姿に最初は「試合より緊張する…」と話していたが、終わってみれば「昔から一度着られないかなと思っていた。なかなかできない経験をさせて頂いてうれしい」とご満悦。残り9試合となったリーグ終盤戦へ、英気を養った。 (塚田陽一郎)
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