2010年10月13日1時57分
【北京=古谷浩一】中国共産党の引退幹部ら23人が、中国の憲法が定める「言論の自由」などが政府や党によって否定されているとして、その自由化を求める公開書簡を12日までにインターネット上に発表した。服役中の人権活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏のノーベル平和賞の受賞決定を受けての行動とみられる。
23人は故・毛沢東主席の元秘書で党組織部副部長だった李鋭氏や、共産党機関紙の人民日報元社長の胡績偉氏ら。書簡の文書は中国の複数のネット上で転載されたが、すでに当局の指示によるとみられる削除も始まっている。
書簡は、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)あてに、憲法35条は言論や出版、集会、結社などの自由を定めているのにもかかわらず、党や政府の細則によって、これが否定されているとし、「世界民主主義の歴史上の醜聞だ」と強く批判。そのうえで、記者の取材や報道の自由、党中央宣伝部の検閲の廃止、ネット上の言論封鎖や監視の廃止などを求めた。