2時間10分5秒の大会新記録でゴールする早大の最終走者・平賀翔太=出雲ドーム
「出雲全日本大学選抜駅伝」(11日、出雲大社前〜出雲ドーム前)
早大が2時間10分5秒の大会新記録で14年ぶり2度目の優勝を果たした。早大は1区の矢沢曜がトップでたすきをつなぎ、その後も4区の佐々木寛文が区間新をマークするなど、最後まで首位を譲らなかった。3年ぶり出場の日体大が2時間11分16秒で過去最高の2位に入った。箱根駅伝で総合2連覇中の東洋大は4位。3連覇を狙った日大は18位だった。
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伝統のえんじのユニホームが、秋の出雲路をさっそうと駆け抜けた。早大が1区から首位を守り抜く盤石の走りで、96年以来の栄冠を手にした。現役時代、名ランナーで鳴らした就任7年目の渡辺監督は「選手の時も一度も優勝したことがなかった。非常に良かった」と喜んだ。
矢沢が流れを引き寄せた。山梨学院大のコスマスと一騎打ちとなった1区。残り1キロ付近から鮮やかなスパートで振り切り「チャンスがあればと思っていた。できるだけ離したかった」と冷静に振り返った。8月の欧州遠征で一回り成長した自負も背中を押した。
チームは6区間中4区間で区間賞を獲得した。渡辺監督は「距離の短い出雲は苦手で鬼門だった。これを取れたのは大きい」と胸を張った。今後は距離が延びる11月の全日本大学駅伝(昨年4位)と、来年1月の箱根駅伝(前回7位)も制して3冠を狙う目算。指揮官は「気を引き締めていく」と浮かれる様子はなかった。
(2010年10月11日)