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再三の口止めも中学生が発表、旅客機指示バレた

 福岡航空交通管制部(福岡市東区)の管制官が、職場体験実習に参加した中学生2人に、旅客機に対して無線で管制指示を出させていたことが12日、分かった。管制官は英語の指示を片仮名でメモ書きにし、中学生に読ませていた。運航に影響はなかったものの、事実を知った上司が中学生に口止め工作をしていた。国交省は処分を検討している。

 国交省の内規では「管制業務は(資格を)有する職員以外の者に行わせないものとする」と定めており、部外者の無線交信は言語道断だ。

 国交省によると、実習には地元の中学2年の男子生徒2人が参加し、今月5〜7日に実施。管制運用室を見学中の6日午前10時44分と同46分、30〜50代の管制官3人(男性2人、女性1人)が飛行中の旅客機に対する管制指示の一部を中学生2人に代行させた。旅客機は羽田発福岡行きの日航機とスカイマーク機。それぞれ福岡空港の東方90〜100キロの上空約5000メートルを飛行中だった。

 指示内容は、福岡航空交通管制部から福岡空港の管制部に交信を切り替えるよう伝えるもの。管制官は英語の指示を片仮名で「コンタクト・フクオカ・アプローチ。ワンワンナイン・デシマル・シックスファイブ(119・65)」と周波数を交えてメモ書きし、中学生2人に読ませた。

 同日中にメモを読ませた管制官の上司に当たる先任管制官ら2人が、中学生に見学の感想を聞いたところ「航空機と交信できて楽しかった」と答えたため、事態を把握。中学生に「口外しないように」と要請した。実習の窓口担当の職員にも依頼し、窓口担当からも中学生に口止めを頼んだ。

 しかし、実習終了後の7日午後、各職場から計9人が参加して開催された報告会で、中学生が「(交信できて)本当に感激した。一番うれしかった」と話したため問題が広まり、報告会の内容を8日朝に聞いた先任管制官が、福岡航空交通管制部長に報告。国交省への報告を指示された。同省では「隠しきれないと判断したのではないか」としている。

 同管制部によると、職場体験実習生を受け入れるのは初めてだったといい、管制官は「彼らに管制業務に興味を持ってもらいたかった」と話している。管制運用室を見学するのはパイロットら航空関係者が大半という。

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