尖閣諸島問題について
2010年 10月 12日
尖閣諸島。
中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事故で、にわかに注目された島々である。
尖閣諸島は、日本の石垣島から170kmも離れている無人島である。台湾から同じく170km、さらに中国からは330kmも離れている。
本来、この島は、誰のものでもなかった。
このような島に、子々孫々、人間が生活できるものでもなかろう。
昔は、何の価値もない島であった。往来するものは、鳥と魚だけの絶海の孤島である。
この島は、明治時代に日本の領地とされたものである。
しかし、近年、海洋資源や海上輸送路など、国益に関する理由から価値ある島になった。
中国が領有を主張すれば、当然、日本は国益を守るために抗議する。
また、台湾は、中国の進出は国防上黙認できないから領有を主張するのである。
さて、この紛争はどのようにしたら収まるのであろうか?
例えば、この島を、三国(日本・中国・台湾)で共有にするとどうなるであろう。
魚釣島を3分割して統治する。すると、中国は上陸し、場合によっては、海底油田の掘削を始めるかも知れない。そうなると、日本は海上保安庁の巡視船を常に置くことになる。台湾は、国防上、中国の行動を阻止しようと動く。そして、紛争は、今以上に拡大するであろう。
ちなみに、中国海軍が尖閣諸島に動いたらどうなるか。
そんな馬鹿なことはしないだろうが、それは物凄く中国の印象を悪くする。
日本は海上自衛隊を温存しつつ、国際世論に訴えるだろう。沖縄に米軍の艦隊がある限り、中国は手を出せない。そのうち、中国海軍は撤退せざるを得ない。
ともかく、今後も、不法操業や上陸は続くだろう。その都度、海上保安庁は出動する。そのことを、延々と繰り返す。そうして、均衡は保たれるのだ。
私は、尖閣諸島に自衛隊を駐屯させるなどの強硬な行動には反対である。
このまま、無人の島として残し、三国の緩衝材として使うべきだ。
中国とて、この島に固執し、トラブルを繰り返すことは得策ではない。
反中国感情を必要以上に刺激し、日本の軍備増強を目覚めさせる可能性もある。
何より、中国がこのことで騒ぎを起こすことは、世界の国々から信用を落すだけである。
私は、中国は、本気で尖閣諸島を領有しようと考えてはいないと思う。
何かの有事の際の外交手段としての戦略上の行動ではないか。例えば、中国海軍の活動領域を拡大するためのデモンストレーションであろうか。
ともかく、この問題は、日本は優柔不断に対応するのがベターだと思います。
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# by sokanomori | 2010-10-12 21:49 | 戦争・紛争 | Trackback | Comments(0)