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【環境を考える】

「開催地宣言」素案決まる 国内NGO、経済第一主義批判

2010年7月9日

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 国内の主要な非政府組織(NGO)で構成する生物多様性条約市民ネットワーク(CBD市民ネット)は8日、名古屋市で10月に開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で、日本の市民を代表して世界にアピールする「開催地宣言」の素案を決めた。

 「経済成長第一主義」や「グローバリズム」が生物多様性の損失をもたらしたと各国の姿勢を断罪し、かつての里山を形成した「集落」のような地域社会の再構築が必要だと訴える。11日に名古屋市内で開く「COP10100日前フォーラム」で発表し、市民意見も募る。

 CBD市民ネットは、日本政府が国際会議で提案した「国連生物多様性の10年」の原案を作成するなど、発言力、影響力がある。素案は同ネットの武者小路公秀顧問(元国連大副学長)と駒宮博男コーディネーターが作成した。

 国際会議で常に対立が浮上する「南北問題」に言及し、生物多様性も「南側」でより損失が激しいと主張。「北側」との格差をグローバリズムが拡大していると指摘する。

 生物多様性を現実に守ってきたのは、その地の地域住民、地域社会と結論づけ、国や国際機関は「脇役に徹するべきだ」と強調。「地産地消」に象徴される生活中心の経済を進め、先住民族や伝統的な地域社会などアジアや、アフリカ、中南米の人々と一緒に「自然とともに生きる知恵」の再発見を呼び掛けている。

 資源に乏しく食料自給率が低い日本は、海外の地域社会に生物資源の浪費を謝罪するべきだとも訴えている。

 

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