民主党:「平賀源内研究所」構想 国がタイムマシン助成?

2010年8月20日 15時0分 更新:8月20日 20時4分

 奇想天外、反主流の研究大歓迎--。民主党の文部科学部会が、こんな科学研究拠点の創設を提言した。その名は「平賀源内記念研究所(仮称)」。新たに発行する「科学宝くじ」の収益を、タイムマシンなど実現不可能とされる研究や常識にとらわれない研究に投じる。事業仕分けで「投資に見合う研究成果を」と強調してきた民主党が、成果主義で買えない「夢」を育てることができるか。

 提言は19日、同部会の科学技術チームがまとめた。欧米では研究機関に偉人の名を付けることが多い。

 チーム主査の首藤(すとう)信彦衆院議員(元東海大教授)によると、静電気発生器「エレキテル」など数々の発明をなした平賀源内(1728~79年)を研究所の名に頂く。日本は明治維新以降、西洋科学を欧米から輸入し発展させてきたが、それ以外の手法や日本独自のテーマについても再評価して育て、次世代の発展につなげたいという。

 原資は、受け取り手が現れないまま有効期限を迎えた宝くじの「時効当せん金」の一部を活用するほか、新たに「科学宝くじ」を創設して年間10億円程度を調達。国内外から50人程度の「異才、奇人」を集め、自由に研究してもらう。

 実現性は未知数だが、首藤議員は「タイムマシン研究でもいい。欧米に追いつけ追い越せの理工学以外から、新たな分野が開かれる可能性がある」と夢を膨らませる。【山田大輔】

 ◇平賀源内

 江戸中期、高松藩(現香川県)出身の蘭学者、発明家。蘭学の知識を基に静電気発生器「エレキテル」を復元、石綿を使った「燃えない布」などを発明したほか、薬学・植物研究や鉱山開発、浄瑠璃創作、陶芸「源内焼」の創始、「土用丑(うし)の日」にうなぎを食べる習慣を提案したりと多方面で異才を発揮した。

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