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確信犯 (2010/10/12) メイドさんが軽くおしゃべり相手になってくれる、メイド喫茶の醍醐味の一つだ。勿論これは「仕事だから」なのだが、それが最もよく分かる現象がコレだ。この現象は、メイド喫茶を発明した人にも予測できなかっただろう。 路上でビラを配っているメイドさんに話しかける人がいる。それは大きく分けて2種類いて、1つは「お店はどこ?」「何が出来るの?」と尋ねる観光客、もう1つは「単にタダでメイドさんと話したいだけ」の貧乏常連客である。 前者は仕方ない、メイド喫茶がどういうところかを知らないからだ。それにきちんと説明してあげればお店へそのまま来てくれるかもしれない。ビラ配りのメイドさんの仕事はお客さんをお店に呼ぶことであるから彼らと少し話すことは決して無駄なことではない。 問題は後者である。彼らはメイド喫茶が「メイドさんとのおしゃべりが売り物の一つ」であることを熟知した上で、その代金をケチるために路上で粘着する「確信犯」である。 メイドさんも商売人だ、彼らの「今日はカネ無いんで絶対にお店には行きませんけど話すだけ話させてオーラ」を感じ取ると露骨に面倒臭そうな対応になる。メイドさんはさっさと終わらせてビラ配り業務に戻りたい。しかし、一応お客さんではあるので無視するとかそこまで邪険に扱うわけにもいかないという板挟み状態にあるから「そうですねーあはは」などと棒読みを駆使しつつ「いい加減終われよオーラ」を出すのに必死だ。ところがそれに気付いていても気づかないふりをしているのか、それとも本当に気付いていないKY(死語)なのか、彼らのマシンガントークはなかなか終わる素振りを見せない。 以前信号待ちをしていたら、「ちょっと熱っぽくて・・」とダルそうにしたメイドさんに「大丈夫?」とどさくさに紛れて"おでこ"にタッチしようとしたご主人様を見たことがあるが、華麗な動きで「ええ大丈夫です」とガードされていた。あの素早い動きは絶対風邪なんか引いてない。 聖地秋葉原の路上では毎日のようにこの死闘が繰り広げられていて、街を2周くらいぶらぶらウィンドーショッピングするとたくさんのメイドさんの「もういいよ」という顔が見られるだろう。「ああ、このお客さんはこのお店にメイドさんとのおしゃべりしか求めていないんだなぁ」ということがよく分かる瞬間だ。 メイドさんの業務の中で何が一番大変ですか?と聞くと最も多い回答は「お客さんとの話を切り上げること」だったりする。メイドさんは友達じゃない、あくまでも「仕事」だ、くれぐれも仕事の邪魔にはならないように。。 王様 (2010/10/11) メイド喫茶のメイドさんは可愛い(何を今更・・)。昨日まで冴えない学校生活を送っていた素人の女の子のチェキが飛ぶように売れる、初めてこの光景を見て衝撃を受けない者はいないだろう。さながらプチ・アイドルと言えなくも無い。 ということは、当然異性関係の「スキャンダル」には敏感である。秋葉原のメイド喫茶では「(メイド喫茶のバイトが)休みの日、例え友達であっても秋葉原を男と歩いてはいけません」と教育している店も多い。目撃証言なんかが2ちゃんねるあたりで広まったら困るのだろう。 ところでバラエティ番組なんかでアイドルが「彼氏(彼女)いないんですか?」という質問に「それがぜんっぜんモテないんですよ〜」などと半笑いで答えるのはもはや常識だが、もちろんこれは「お約束(つまり嘘)」である。日本中の異性を虜にするアイドルが全くモテないなんてことがあるわけがない。しかしファン達は真剣そのもの、これを否定しようものなら烈火のごとく怒り出す人もいる。この心理をうまく換金するのが「これぞアイドルビジネス」でもあったりする。 メイドさんも同じ質問をすれば同じ受け答えをするだろう。言うまでも無いがこれも「お約束」。もちろん、中には本当にいないという子もいるだろうけど、十中八九はあくまで「設定」に過ぎない。 そして熱心なお客さんはこのことを決して受け入れない。中にはこの子、彼氏がいるかも?と疑惑が湧くようなブログ(例えば、お弁当が2つ写っている、とか)をメイドさんがアップした日には「これは客に対する重大な裏切りだ!」とキレる人もいる。う〜ん、気持ちは分からなくはないが、、裏切りということは何か約束でもあったのだろうか。 あるメイド喫茶のオーナーはこのことについて苦笑いしながらこう断言する。「あんなに可愛い女の子に、彼氏が尽きる瞬間があるわけがないじゃないですか〜。」 「カイジ(福本伸行・講談社)」という漫画にこんな台詞がある。「王は一人で王になるわけではない」。王様は、大衆が王様だと認識してはじめて王様になる、という理屈である。なるほど、深いじゃないか。 メイド喫茶のメイドさんは可愛い!僕らのアイドルだ!お客さん達がそう認識すればするほどメイドさんはお客さんから遠ざかってしまうだろう。メイドさんは、一人でメイドさんになるわけではない、メイドさんはお客さんが作り出すアイドルなのだ。 変えること、変えないこと (2010/10/10) 商売というのは、お客さんの多いところですべきものである。それはいい、しかしメイド喫茶のような無政府状態のマーケットには悪い慣習がある。それが「全部が右に倣えになってしまう」ということだ。 歴史の中で最も認知され(それがマスコミの力だ、とかいうのはさておき、)たメイド喫茶は東京都は秋葉原の「@ほぉ〜むカフェ」であろう。そうすると、新しくメイド喫茶をオープンしようとなると決まってどこもココを真似するようになる。 @ほぉ〜むカフェは文句なしの「わいわい系」である。オタクの社交場として「まったり」とした運営をしていたメイド喫茶では「あんな煩そうな店には行かないよ〜」と常連さんが笑い飛ばしていたことだろう。だがマスコミの力は絶大なもの、何度も何度も紹介されると一人、また一人と揺さぶられていくものである。そのうち「行って来たよ」となるのは時間の問題だ。 こうなると「まったり」の老舗も「わいわい」の要素を取り入れようとし始める。ところがこれが良くない。方向性を見失って何の店なのか分からなくなる第一歩だ。 そのうち真似して作られた店舗の数が増えすぎて、元来持っていたポテンシャルを超えるようになる。そうなると飽和状態になり、寧ろ「そうでない」店の方が珍しくなる。「変えない」のか「変えられなかった」のかは解らないが、その中を流されずに生き残った「まったり」な店の方が頭抜けるのは当時誰も気づかなかった逆説であろう。 オシャレは、誰も身につけていないからオシャレなのだ。マスコミで紹介されパーッと浸透したものはもう時代遅れ、だから流行は繰り返す。古い物であっても、もう古い物を誰も持っていない、お客さんが入れ替わった頃になると以前のブームが再来するのである。 ここ最近のメイド喫茶はハッキリ言って似たような店が多い。どこも「儲かっているお店を真似しましょう」という流れだ。商売に於いては勿論大事なことかもしれない。だが「自分(店)のカラー」を失ってまでヒョイと乗っかってしまうのはどうだろうか。 メイド喫茶は来年も月2〜3軒のペースで増えたり減ったりしていくことだろう。その中で、似たようなお店が乱立する必要性はもう微塵もない。お客さんは、ナンバーワンよりもオンリーワンを望んでいるから。「競争しない」勇気を持つことはメイド喫茶にとって宝物になるはずだ。 マイノリティ (2010/10/09) 人の考えに違いがあるのは当然のこと、私の考えも論点ごとにマジョリティだったりマイノリティだったりする。それは読者のみなさんも同じこと。 「ちょっとこれは・・」というメイド喫茶がある。いやそれは、私に合わないだけかもしれない。どんなに「これは・・」と思った店でも、必ず熱心な常連さんがいたりする。「なんじゃこりゃ」という部分も、人から言わせれば「そこがいいんじゃないか」ということもある。だから、メイド喫茶を考える時は複眼的視野が必要だ。 しかし、私とは真逆の人のことも尊重するとしても、それでも1ナノメートルも理解出来ないメニューの話がある。それが例の東京都は秋葉原の「とっぷすいーと」に一昨日導入されたという「エグゼクティブスイートプラン」である。店側は発表前、「新メニューで業界を震撼させます!」と言い張っていたが、別の意味で震撼した。 セット内容をざっと説明すると、チャージ料金3時間込み、ソフトドリンク若しくはアルコール7杯、メイドさんのオリジナルカクテル3杯、選べるおつまみ2つ、フード1つ、日替わりミニライブ、だそうだ。3時間で飲み物10杯も飲まねーよ、というのもあるが、注目すべきはその値段である。なんと1万円だ。 ジャーナル目安箱#003を見れば、メイド喫茶に遊びに行くのに1万円を想定している人はわずか6%しかいない。しかもこれは1店舗あたりではないし全額使い切るわけでもない、あくまでも予算、「遊びに行くのにお財布に入れていくお金」のことである。即ち本当に1店舗で1万円遣うという人は半分の3%くらいかそれ以下だろう。3%以下の人たちに向けたメニューで業界震撼って、この店はネタにしてほしくて「わざと」やっているのだろうか?それとも業界ってメイド喫茶業界のことじゃないのかな? 3時間1万円ということは1時間当たり3333円(小数点以下四捨五入)である。「まごころカフェ」の2625円を更新しようと対抗意識でも燃やしているのだろうか。 秋葉原に1万円持って遊びに行くなら、私なら1軒ではなく3〜4軒回って、それでもお釣りが来る計算だと思う。1万円を1店舗で、なんてことは滅多に無い。というか、ハッキリ言おう。「とっぷすいーとでは絶対ない。」私はこの店に何か問題があるとすれば、それは金額の問題ではないと思っている。しかし店側は金額の問題だと思っている、という、それこそが問題だと思うので。 この店の課題は、変なセットメニューで業界を震撼させることではなく、まず「3時間いたくなる」「1万円遣いたくなる」店になることだろう。 どういうことなの (2010/10/08) 今回は、斬新すぎるメニューについてまとめてみよう。 今では懐かしいとすら思えるが、東京都は秋葉原の「コスチャ」にて「ビンタ」というメニュー(実際には罰ゲーム)が導入された時は「そんな需要、どこにあるんだ」と思ったものだ。基本的にはメイドさんと早飲み対決(1500円)をするのだが、お客さん側が飲むのはジョッキでビール(若しくは炭酸飲料)、メイドさんはコップでアイスティーというハンディキャップマッチである。勝つ方が奇跡的な為、「1500円払ってビンタして貰う」と言い切っていいだろう。お金を払ってビンタして貰う、完全なるドM専用メニューだ。しかしその「画」としての面白さも手伝ってメディアで何度も取り上げられ、今では他の店にも続々導入されている。(ほとんどがビンタのみだが) 池袋にあるメイドリフレ「ピュアポップ」が、「ハグ」というメニューを編み出した時、ネット上では賛否両論が巻き起こったのは記憶に新しい。「5秒1000円」という超現実的な価格設定が琴線に触れたかは定かではないが、「これはもう風俗だ」などとバッシングされていた。されるのも解る。とはいえ、その後オープンしたメイドリフレもメイドガイドもほとんどがメニューとして採用しており、確実に需要はあったようだ。ここはハグがメニューになったことよりも、需要があることを叩いてくれ給えよ。 さてさて、このビンタとハグがあまりにも(ネタ的な意味で)眩しすぎた為か、その他の斬新すぎる新メニューについてはあまり語られることがないのだが、よくよく見てみるとかなり思い切ったものがたくさんある。それらをざっと見て行こう。 まずは秋葉原の「ふらっとメイド」から。「メイドさんとメール・2週間2000円」とある。「おやすみコール」は5日で2000円、「雨の日限定、メイドさんと相合傘」は1000円だ。 同じく秋葉原の「あきば女子寮」には「恋愛漫画を一緒に読む・1000円」というメニューがある。同店には「萌えレター」というサービスもあり、女の子と文通も可能。片道800円、往復1200円など細分化されている。 また大阪府は日本橋の「co-to」では「メイドさんと指相撲(無料)」出来る。秋葉原の「メイドスクランブル」がメイドさんと握手するのに1000円かかることを考えると良心的か。 普段、メイド「喫茶」にしか行かない人にとっては、ビンタ以降のメニューについては今頃モニターの前で「どういうことなの・・」という顔をされているかもしれない。と同時に、もしかすると反対に「いいこと聞いたぞ」とメモっている方もいるかも。健闘を祈ろう。 合言葉 (2010/10/07) 誰だって志はでっかく、と言いたいところだが、それでも徐々に「身の丈」が見えてくる。 いよいよ路頭に迷ってきたメイド喫茶オーナーの合言葉に「お酒を出そう」というものがあったりする。お酒を出す、つまり席料を取るバータイムを導入すれば、客単価が安定するだろうというものだ。 昼はカフェ、夕方5時過ぎはバータイムとして営業するある店の店長のメイドさんはこう話す。「お昼はメイド喫茶として楽しもうというお客さんばかりなので客単価は1000円程度だけど、夜はキャバクラやガールズバーの代わりに、と考えているお客さんが多いので単価は5000円を超えます。」なるほど、数字だけに注目すれば最終兵器にするのも頷ける話だ。こうした店は次第に、昼の閑散時のメイドさんの人件費が勿体ないということで営業時間を短縮し始める傾向にある。こうなったらメイド喫茶としては末期症状だ。 要するに、店側が言いたいのは「お前らもっとカネ落とせ」ということであろう。しかしそもそも問題なのは、単価1000円の、「お客さんの絶対数が少ない」ということのはずである。お客さんが少ないから単価を上げるという発想しか出てこないのだ。しかも単価を上げてお客さんが増えるはずがない。最高でも現状維持、まぁ減るのは明らかである。ポイントは、「1000円で楽しめるから」と仕事帰りに寄っていたようなお客さんが飛んだとしても、夜型に特化した方が儲かるラインであるか否かということに絞られてくるワケ。つまり、せいぜい「生命維持装置」をつけたといったところでしかないのだ。 だから、お酒を出そうがダメな店はダメなのである。結局結果は店次第、失敗例はいくつもある。それどころか、このお陰で急浮上したという店を聞いたことが無い。 冒頭で挙げた店の例を考えれば、昼と夜総合の平均客単価は3000円ということである。つまり、単純計算で言えば昼の客数が3倍になればやっていけるわけだ。3倍というと突拍子も無い、かなり遠い話に聞こえてしまうかもしれないが、実はこうした切羽詰まったメイド喫茶の1日の客数は10人前後だったりする。仮に10人として、3倍で30人。もともと並以下だったのだから大した話ではない。それに3倍になれば、客単価が1000円から1円も上がらないということも無いだろう。 お客さんがいないから儲からないのか、お客さんがお金を遣わないから儲からないのか、似ているようでまるで違う。前者は自分(自店)のせいであり後者はお客さんのせいである。メイド喫茶のバータイムの導入は、紛れも無い後者だ。自分には非が無い、悪いのはお客だ。こんな考えでは切羽詰まるのもの仕方ない。 秘技・シール剥がし (2010/10/06) メイド喫茶ばかりが入るビル、通称「メイドビル」。これらの中には店舗間でとても仲がいいところもあり、互いが互いを紹介しあってお客さんを共有しましょうよ、等と和気あいあいとやっていたりするが、その逆もある。簡単にいえば「潰し合い」だ。 以前東京都は秋葉原の「萌えコン@カフェ」へ行った時、エレベーターで「4階」のボタンを押そうとしたら、下の階のめいどりーみんの「めいどりーみんシール」が4階のボタンの上から貼られていた。これはめいどりーみん側からの嫌がらせなのか、「めいどりーみんに行こうと思ってシールのボタンを押したら萌えコンに着いちゃう」という萌えコン側からの嫌がらせなのかは分からないが、とりあえず熾烈極まるなぁと感じさせられたエピソードである。ちなみに3階のボタンには鼻クソがつけられていた。 とあるメイド喫茶では先日、オーナーがこのことで激怒していた。聞けば例のエレベーター内の店名シールが、1日1回のペースで剥がされているのだという。「剥がそうとすると手を切ってしまうように、シールの裏側に剃刀を仕込もうか」と呟いていた。 確かに、客の奪い合いは商売である以上致し方ない部分もあるだろう。しかし、「他店のせいでウチが儲からない」という考えは「?」である。ということは、「他店が無くなれば、ウチは儲かる!」という発想なワケだが、そんな論理のすり替えをして自分を納得させていては一向にお客さんは付かないだろう。 お客さんが欲しいなら、それはお客さんからしたら割引するとか何かサービスするとか、そういった営業努力によって実現させて欲しいもの。「行こう」という気にさせてくれるお店でなければお客さんは行かない生き物だ。だから他所の邪魔をしよう、ではなく、自分の店をいい店にしようという努力からスタートするのが「筋」というものであろう。 そしてここは最も大切な部分だが、変な小細工などしなくても、いい店にはちゃんとお客さんが入っている。今現在客が入らないということは、どこかダメなんだ。その現実から目を背けても、何も変わらない。 もっとも、ライバル店の店名シールを剥がしたところで、エレベーターに乗ったお客さんが階数が分からなくなって、「じゃあどこでもいいや」ってお宅へ入店するというシナリオが、この地球上のどこら辺に存在すると思いますか?と問いたい。当然、そういう展開を望んでいるのだろうが、、普通、乗って階数が分からなくなったら一回降ります。まかり間違って別のお店に着いちゃっても、もう一度エレベーターに乗ります。 同じ店、違う店 (2010/10/05) 上手くいっているメイド喫茶が2軒目、3軒目を出店することがある。その時、同じような店をただ増殖させる店と、別の業態の店を新たに作る店がある。 もちろん別業態といってもすでに付いているお客さんを共有しようと固定ファンの多いメイドさんを掛け持ちさせたりするのはお約束ではあるが、これにはどんなメリットがあるのだろうか。 まず、同じような店を増殖させるパターンがある。代表格で言えば「@ほぉ〜むカフェ」だろう、このタイプは余程のファンで無い限り全店舗を巡るのは例えメイド喫茶のマニアであってもかなり難儀である。何せどれも変わり映えしないからだ。これは単に、キャパシティの問題であろう。リスクは少ないが、全店舗が1店舗目と同じように成功するという確固たる保証はない。どこかで店が持つポテンシャルを超える可能性があるからだ。「ローリスクローリターン」、商売としては堅実だ。しかしお客さんにとっては、入る前からおおよそどんな店か想像がつく(実際にそう)という意味で面白みも少ない。 では全く別の業態の店を姉妹店としてオープンするパターンはどうだろうか。例としては「アキバギルド」→「クィーンズコート」、「ピンキーカフェ」→「娘耳姉妹」、「萌えコン@カフェ」→「萌えコン@耳かき」、「キュアオール」→「ミニキュア」などがある。これらは、旧業態については経営の中でメリットもデメリットも分かり切った上で、それを2軒に増やすうま味は感じられない、ということではないか。お客さんとしてはこういう冒険はとても面白い。今後注目すべきポイントは、この中から大成功と言える例が出てくることであろう。 これは順序が大切だ。多いのは1軒目が飲食店で2軒目がリフレなどのパターンだが、これだと保険の意味でのメリットが失われやすい。まず欲しいのは「既存客の共有」であるはずだが、飲食店の客はリフレへ行かないことが多いからだ。だから2軒目が飲食店というのが本当は賢い。「ご飯を食べない」という人はいないだろう。ちょっと想像すれば、彼らは今まで別の店でお腹を満たしていたわけだから、それが自分の店になるというだけのことだ。「ゲームセンターにフードコートを付ける」というイメージか。 今は残念ながら、業界全体のお客さんが減っている時期にある。だから大成功は難しいかもしれない。しかし、だからといって惰眠を貪っていては更なる先細りが確実なものとなってしまうだろう。「ピンチはチャンス」、今ここで何をすべきかが大切なのではないか。そしてそれこそが、かつての活気を取り戻す道になるのではないか。 矛盾 (2010/10/04) 先日、大阪は日本橋にて周辺のメイド喫茶の地図が掲載されているフリーペーパーを何気なく貰った。そこにこんなことが書かれていた。 「中にはボッタくりのメイド喫茶もあります。注意してください。」なるほど、そうですねぇ。日本橋でボッタくりといったら、アノ店のことですかねぇ。 吃驚したのはこの続きである。「なお、ここに載っているお店は大丈夫です。保証致します。」 確かに、見たところ私の知る限りでは問題のありそうなお店は掲載されていなかった。「ここに載っているお店は大丈夫」というのは嘘ではないようだ。しかしこの書き方はいかがなものだろうか?載っているお店は大丈夫ってことは、載っていないお店はボッタくりってことにも見える。聞けば掲載は有料らしい、つまり「このお店は大丈夫」と言って欲しければカネ寄越せ、というシステムだということなんだ。これじゃ広告費をかけられないお店は、どんなにまともでも「怪しい」というレッテルを貼られることになるじゃないか。これはもう、「脅し」のレベルだ。 ボッタくりのお店があって初心者は気をつけなければいけないという状況は決して笑いごとではない。ところがそれを商売にする輩がいるんですよねこうやって。 フリーペーパーは現物の商売である。私たちお客さんは貰うだけならタダだが、実際問題として紙に印刷するのにはお金がかかる。このことから、フリーペーパーはどうやってもタダでは出せないわけだ。タダで出せないのだから、広告費を取るのは必須条件になってしまう。しかし広告費を取ると、「ボッタくりの店に注意!」とすら書くことが出来なくなってしまう。メイド喫茶の地図が書いてあるフリーペーパーは初心者向けの媒体のはずだが、初心者には一切役に立たないものになってしまうんだ。 メイド喫茶とフリーペーパーは、パワーバランスの都合上仲良しに見えるかもしれない。店側としてもフリーペーパーと付き合い、掲載してもらうことは面倒ではあっても丸損ではない。ところが、実際のところはこのような恐喝まがいのことを繰り返している悪質フリーペーパーもいくつか確実に存在しているのである。 秋葉原のフリーペーパー事情はかなり淘汰が進んでいて最近では成りを潜めた感があるが、大阪はビラ配り全面禁止なので未だに権限が突出している。秋葉原の一部のメイド喫茶の強引な客引きまがいのビラ配りも問題だが、それがなくなればユートピアが出来上がるかと言われたら、簡単には行かないようだ。 絵 (2010/10/03) メイド喫茶ではポイントカードやフライヤー、ホームページにラミネートカードと、可愛い萌えキャラのイラストが必要となるシーンが多い。そこで、絵が描けるメイドさんというのがとても重宝される。例え趣味のレベルのイラストであっても「ある」と「ない」とでは大きな差だ。 メイドさんが描くイラストには様々な利点がある。まず、ギャラがいらない。営業時間中の暇な時に描かせれば絵そのものの値段は実質タダだ。また、そうしておけば権利の問題で揉めることも無い。イラストレーターに発注すると、どう使うか、どこに使うかで1枚1枚個別に料金を請求されることもあり自由が効き辛いこともあるがメイドさんに無償で描かせれば全てが店の自由である。 次に、メイドさんが描いたということでお客さんが喜ぶ。例えばオリジナルカクテルに付属させるラミネートカード用のデフォルメイラストなどを描かせた場合、「あのメイドさんが描いたんですよ〜」というだけで買うお客さんが出てくる。絵が似ている似ていないはこの際関係ない。 最後に、小回りが効く。ラミカやカンバッジなど、様々なグッズを在籍のメイドさん全員分作ったとして、ある程度の期間が経過するとまた新しいメイドさんが入って来たりもする。そこでまた1枚、2枚と追加するのにお願いするのがイラストレーターではなくメイドさんなら楽チンだ。以前、某メイド喫茶がグランドオープン時にオープニングメンバー全員分のイラストをプロのイラストレーターに発注して描いてもらい、ポイントカード満タン時の景品として渡すつもりのカンバッジを製作したのだが、お客さんがポイントを貯める前にメイドさんが半分くらい辞めてしまったという笑えない珍事があった。オーナー曰く、「ウチの店に失敗があったとすれば、あの発注かな。もし他の店でウチと同じように有償でイラストレーターに発注しようと思っているところがあったら全力で止めたい」と苦笑いしていた。その後は残ったメイドさんの中に絵のうまい子がいて、その子に任せることでなんとか体制を立て直していたが、最初からこうすべきだったと嘆いていた。 ・・と、良いことばかりに見える「絵の描けるメイドさんにお店で使うイラストを描かせる」というやり方だが、実は致命的な欠点も1つだけある。それは、「そのメイドさんも、いずれは辞めてしまう」ということだ。このお陰で途中からホームページのメイドさん一覧表のページの更新が滞ったりしてしまうことがよく見られる。リスクにはリターンが伴い、リターンにはリスクを伴うということだ。 こういう時は、もちろん有償で「辞めた後も、絵だけ描いてね」と契約しておきたい。 スピード (2010/10/02) 前例のないことは、誰だって怖い。特にそれが商売ともなれば、慎重に慎重を重ね、余程の「保険」が無い限りは手を出そうとは思わないものだ。 九州の商売人は、ビジネスに於いてどんなリスクがあるのかがある程度明らかになるまでは一切投資しない代わりに、「これはイケる!」と判断した時はカネを惜しまない、そしてダメだと判断した時の引き際もさっぱりしている、と言われている。 「ぱちんこ店」発祥の地は愛知県は名古屋であることは有名だが、実は九州にぱちんこ店が出来たのは日本中で一番遅い。他所の地域で上手く行った例が出てくるまで、一切動きが無かったと言われている。しかし1軒目を皮切りに、その後の「出店スピード」と「こりゃダメだ」と悟った店の「閉店スピード」は実は全国一だったりもする。 このことはメイド喫茶に関しても同様で、2005年8月9日、九州に初のメイド喫茶「よかちゃ」が上陸した。実に初・メイド喫茶(東京都は秋葉原の「キュアメイド」)から約4年半後のことである。そしてその後の出店スピードと閉店スピードは全体の軒数とその比率を考えた時、全盛期の秋葉原なんか目じゃなかった。現在では数えるほどしか残っていない(奇しくも「よかちゃ」は残っている)。故に、九州のメイド喫茶を遠方からコンプリートするのは非常に難しかったのではないか。 さて先月9月、大阪に「メイドカジノ」が2軒オープンした。「うさぽわーる」と、こちらは私は確認していないのだが「エムズカフェ」。これまでメイドカジノは秋葉原の「アキバギルド」が独占的な状況にあった(同ビルに出来たコスプレカジノ「レイヤーズ」は約半年間で撤退)のでメイドカジノを体験したければ大阪の人なら遠征の必要があったわけだ。この流れは面白いことになるかもしれない。また某大手メイド喫茶もメイドカジノに参入する予定だと聞いている。アキバギルドのオープンは3年前なので決して早い決断というわけではない。だが#178、#189のことを考えると、今というタイミングは必然だと思う。この展開如何によっては、なんて考えているならもうそれは時期的にギリギリアウトのように感じるのだ。アミューズメントカジノの申請について書類を書ける行政書士の先生は「前例」があまり無いからね。 これからメイド喫茶をコンプリートしてみよう!といってもそれにはタイムマシンが必須になってしまう。だけどメイドカジノなら今からでも、、と思ったけど、そっか、レイヤーズがあったか。 満足 (2010/10/01) おもちゃ業界の大手任天堂は一昨日、最新ゲーム機「ニンテンドー3DS」の価格を2万5千円と発表し、その株価を大きく下落させた。要するに投資家から「こりゃダメだわ」と判断されたわけである。もちろん発売タイミングの問題なども絡む為単眼的な判断ではないとはいえ、ダメなものはダメということは間違いない。商品価値というのは相対的に決まるものだからである。 2万5千円のゲーム機は他にもある。しかし高いとされるのは何故か、これはもう「それだけの価値がない」と思われているとしか言いようが無い。商品というのは、全く同じ商品であれば、価格が安い方が消費者の満足度は上がって当然である。つまり、商品の価格というのは満足度と密接に結びついているわけで、2万5千円のゲーム機が高いというのは、そのゲーム機に2万5千円分の満足があるかというと「ない」という結論に達したという見方が出来よう。 任天堂が来年2月の発売までに今後すべきことは値下げ発表ではなく、「如何にして2万5千円か」ということを丁寧に説明することだろう。要するに、現段階ではこれが不足していたわけだ。 今年6月、東京都は秋葉原の「メイリッシュ」がワンコイン(500円)ランチを始めた。また先月、「コスチャ」が380円のランチを始めた(ただしワンドリンク制、ドリンクも380円なので最低760円から)。老舗がこのような努力を始めたのはとてもいい兆しであろう。もちろん、安ければ何でもいいというワケではないが、もっともお客さんと近い存在はお店であるはず。この2軒がお客さんの感覚を持っていたというのは喜ばしいことである。 一方で、#320や#302でも記事にしたが、「まごころカフェ」はカフェでありながら脅威の最低2625円を記録、「とっぷすいーと」に関しては自ら「この店高くね?」と殴り書きした自虐的なチラシを配布し始めた。なんだ、自覚あったのか。ちなみにそのチラシには小さく「平均予算1800円〜4800円程度、あれ、実はそんなに高くない!」って書いてあるんだけど、そんなことをグダグダ書くスペースがあるなら期間限定割引クーポンでも付けた方がよっぽど建設的だと思う。 「自分ならどう思うか」ではなく、「お客さんならどう思うか」、これが分かっていない店に未来は無いだろう。これらの店がすべきことはまず、「金額にどう見合っているのか」を丁寧に見せることではないか。つまり、値下げだ。場合によっては説明しきったところで高いと言われることもあるだろう。それくらいの覚悟を持たなければ、この価格帯が浸透することはないはずだ。血を流せ、血を。 ドミナント効果 (2010/09/30) メイド喫茶の聖地と言えば言わずもがな秋葉原である。お盆やお正月には観光客が押し寄せ、外国人に「OTAKU」「ANIME」と言えば「AKIBA」と答えさせるこの街には素晴らしい「地の利」がある。このことについては、良きにつけ悪しきにつけ既存のマスコミ媒体がかなり貢献したと言えよう。 さて、西の秋葉原といったら大阪は日本橋がある。しかし、「こんどの連休には新幹線に乗って日本橋のメイド喫茶へ行ってみよう!」という人はマニア位しかいない。大半の一般人の認識は2010年現在ですら秋葉原と比較すると「へぇ、日本橋にもメイド喫茶があるんですねぇ」程度の段階にあるわけだ。「んなことねぇよ」と仰る方は十分マニアです。 これを秋葉原は飽和状態と考えるなら、日本橋にはまだチャンスがあると言えるだろう。もちろん、日本橋のメイド喫茶には日本橋なりの熾烈な争いがあるだろうが、まだ「天井」を見たことが無いという意味で、だ。日本橋のメイド喫茶間では既に常連客の囲い込みとそれに於ける淘汰の一巡、世代交代はほぼ完了しているようだが、秋葉原のような観光客を迎え入れる体制が出来上がっているとは思えない。このことについて、ある店のオーナーは自店のことを「日本橋は所詮、地方だ」と言うが冷静な判断だろう。 昨年11月、東京都は秋葉原のメイド喫茶「めいどりーみん」が全国展開を発表した。しかしこの計画は大阪店を出店する前に頓挫してしまう。めいどりーみんは完全なる観光客向けメイド喫茶だ。もしもこの計画が遂行され、同じ店を日本橋に増殖させたとしたら恐らく大失敗したはずだ。秋葉原のメイド喫茶が「秋葉原のメイド喫茶」というドミナント効果を捨てるということになればそれは本物の勝負である。何故なら秋葉原を超える「メイド喫茶に適した土地」は少なくとも日本国内には無いからだ。もしも予定通り進出していたら、日本橋がオタク向けの街で、メイド喫茶もたくさんあるんですよ、ということを唯一人で宣伝しなければならなかっただろう。いや、これをやってくれたら面白かったのかもしれないが。。 #322のアンケートの結果です。 1:「だいたい同意」…1872票 2:「いや甘い」…55票 たくさんの投票ありがとうございました。 使い捨て (2010/09/29) イラストレーターは使い捨ての商売である。人気の出たイラストレーターは当然、次回作にも描いてもらうものだと思う人も多いかもしれないが、現場ではこういう人から率先して切られる。クライアントは出来る限り低予算に抑えたいので、ギャラアップがイヤなのだ。では次はどうするのかというと、そっくりの絵を描ける別の新人さんにお願いするわけである。このようにして、人気アニメ作品などでも回を重ねる度に「中の人」が入れ替わっていることは珍しくない。 #226でも触れたが、メイド喫茶にとってメイドさんの大量離脱は大きな打撃となることが多い。特に特定のメイドさんのカリスマ的人気に依存しきっているような店では死活問題だろう。それ故に、一部のメイド喫茶ではメイドさんが辞めにくい環境を作ろうと躍起になっているという。 しかしそれでも、メイドさんのなり手は比較的多い。数で勝負と言ったらおかしいかもしれないが、やめた数と同数の新人さんをすぐに確保出来れば「新人さんを見てみたい」という心理から一度離れた常連さんがまた戻ってくることもあるだろう。どんなに「あの子推し」と言っていた常連さんでも、もう辞めてしまったメイドさんと会うことは出来ないので、こういう切り替えに関しては結構あっさりしていたりするものだ。 メイド喫茶に於いて、辞められたら困るのはメイドさんではない。本当に困るのは、キッチンさんである。特に「現在店に在籍しているキッチン出来る人は一人だけ」という状況下では今日をボイコットされただけで店を開けられない。存続がかかった死活問題と言えよう。 それならキッチンさんの待遇は良くしようよ、と思うものだが、「自分がいなかったら店開けられないんでしょ」と弱みを握られる(=ギャラアップ)のはイヤなのだろう、キッチンさんの扱いはメイドさんよりさらに酷く、現場は暑くてどう考えてもホール業務より辛いのに、給料はキッチンの方が安いというメイド喫茶は多い。 それなら・・と全部冷凍食品のチンものに切り替えたお店もある。私は回転率以前の問題として「メイド喫茶の大半のお客さんはメイドさん目当て」という事実を考慮した時も、この冷凍食品は救世主だなと感じている。しかしある店では、いざキッチンさんが辞めてしまって「チンなら出来るよね?」と残ったメイドさんに尋ねると、 「いいえ・・出来ません」 と答えられたという。 人材の使い捨てばかりじゃダメだよ、という教訓だったのかもしれない。 内緒のカード (2010/09/28) メイド喫茶といえばつきものなのがポイントカードである。そのほとんどは萌え系のイラスト入りだったりして、一目でどんなお店のカードなのかが分かるようなものだ。私はこのポイントカードのコレクターなので、可愛いデザインのカードだととても嬉しい。 以前、サザエさん(フジテレビ、エイケン)にてマスオさんが「怪車(読み:かいしゃ)」というスナックへ行った回があり、お店の電話からサザエさんにかけて「今、会社なんだ」とウソをつくシーンがあった。これはあくまでもギャグだが、実際に飲み屋なんかにはこういうネーミングのお店が存在する。彼らにとっては命がけの遊びなのだろう。 メイド喫茶がキャバクラやスナックの代わりだと主張する人がいるが、もしもそれが事実であるなら萌えイラスト入りのカードなんか発行するわけがない。もちろん証拠になる「チェキ」など以ての外だ。ただ、一般的な認識としてはどうしてもそうなのだろう、このズレが存在することは紛れもない事実である。 要するに、メイド喫茶は「誤解」されているとわけだ。 実は数えるほどではあるが、メイド喫茶にはご主人様向けに、奥さんや彼女に財布をチェックされても大丈夫なように、「カムフラージュ用ポイントカード」を用意している店というのがある。それらは一見するとレンタルビデオやドラッグストアのような佇まいのものが多い。人の名刺に見えるものもある。当然、ナイショの存在であるのでここで店名を出すのは控えておくが、この配慮を見るに「やっぱりメイド喫茶というのは、世間一般ではそういう認識のものだったか」と感慨深いものがあったりする。 私は彼氏がメイド喫茶が好きだと言っても「一緒に行こうよ!」と言ってしまうタイプだが、まあ普通はそうはいかないだろう。「それって何の店?」から始まって、場合によっては鉄拳制裁を覚悟しなければならないかもしれない。ならポイントは諦めなさいよと思うが。 ハッキリ言っておくけど、メイド喫茶には「そういうこと」は何ひとつない。だからもし、旦那さんや彼氏が行っていても、怒る必要はない。安心して送り出していいと断言しよう。寧ろ何もないのにカムフラ用のカードなんかを発行すると「ほれ見ろ!」となりますます誤解されそうな気がするので、全くの蛇足だと思う。もっと堂々とした方が「普通のお店だよ」と説明しやすいような。 というかその前に、財布をチェックされない生き方をして下さい。 気まぐれ (2010/09/27) メイドさんの気まぐれメニュー、というものを置いている店がある。飲食店で気まぐれというと日替わりメニューのことかな?と、素人なら思うだろう。「シェフの気まぐれパスタ」みたいにね。だがそうじゃない。メイド喫茶における気まぐれメニューのほとんどは「悪ふざけメニュー」である。 シェフの気まぐれ〜なら例えば「甘い系」「辛い系」などは注文前におおよそ聞くことが出来るだろう。また苦手なものがあればそれは入れないとかの考慮もしてくれよう。しかしメイド喫茶においてはそのようなことは無いと考えていい。 このことが決定づけられた店と言えば東京都は秋葉原の「NAGOMI」だろう。妹の気まぐれドリンク、というメニューを注文すると液体が出てくると考えるのはレベル1である。大抵の場合は固形物入り、「何か浮いてる」が合言葉だ。コーラの中にコーンフレークが浮いている・・と思いきや胃薬の味がしたりシップの味(舐めたこと無いけど)がしたりと豪快。こんなことをする妹がどこの世界に存在するのだろうか。 他にも、私の知る限り最高に強烈な思い出として、さすがに店名は名誉の為に伏せるが、「メイドさんの気まぐれメニュー」一品しかメニューが無かった某店にて、食パンと食パンの間に生のサンマを挟んではいどうぞ!と出されたことがある。すいません、食べれません。というか、メイドさんの気まぐれメニューしか置いてないというのに厨房に生のサンマがあるって、完全にフラグじゃないか。。誤解のないように補足しておくと、私はこの店に初めて帰宅し、席について2分足らずでオーダーしたばかりである。間違っても顔なじみの店ではない。そしてメイド喫茶における気まぐれメニューは悪ふざけだと知っていたが、さすがにこれは。。 兼ねてより私はNAGOMIは妹というものを勘違いしている気がするのである。灰皿を下さいと言ったお客さんが、「あんまりタバコ吸っちゃダメだよ、お兄ちゃん」と言われているのを見た時、「妹はそんなこと言わないだろ・・」と心の中で呟いた。 しかし後者の店はメイドさんを勘違いしているどころの騒ぎではない。料理ですらない、これはガラクタである。私以外にも誰にでもこれを出しているのだとしたら、いつか誰かが暴れかねない。 このことを友人Aに話したところ、「それを持ってきたメイドさんが可愛ければ許せますよね、ブスならムカつくけど」と半笑いで言われた。が、可愛くてもムカつくよ!友人Bは「せめてサンマとパン、焼いてあればね!」と言ったが、焼いてあってもガラクタだよ!! 常連認定 (2010/09/26) 世の中には、当の本人たちにとってはものすごく重要なことでも、興味のない人にしてみたら違いが分からないことがよくある。ポケモンに興味のない人がモンスターの進化について熱く語られたところで「何でそこまで熱くなる?」といったところだろうが、それはメイド喫茶も例外ではない。 先日あるメイド喫茶に入った時、入口で案内してくれたメイドさんが新人さんで「当店は初めてですか?」と聞かれた。ちなみに私はポイントカード9枚目、「いや、初めてでは・・」と言いかけたところ、「あ、常連さんな感じですか?」と聞かれ、少し戸惑いつつも「個人的にはそう思い込んでいるんですけど」と答えてみた。 メイド喫茶には「常連」というものが確かに存在するわけだが、2回目で常連か、それとも100回で常連か。2回はさすがに、、でも100回なら、、などと、一体「どこから」が常連なのかは基準がない。その為、あの人は常連なのか?だとか、自分はまだ常連とは言えないなどという謎の譲り合いの精神?がそこかしこで見られたりする。 以前ある店でポイントカード49枚も行っている常連さんに「すごいですね〜」と言ったところ、「いや全然!あの人200枚超えてますから!」と「主(ぬし)」みたいな人を指さされた。確かに200枚超えは主だと思うけど、49枚も十分過ぎるほど常連のような気がするが、当人は激しく首を横に振る。「そんなこと言ったら、200枚の彼に怒られちゃいますよ!」別に怒らないと思う。 私の中では、・在籍メイドさん全員が、顔を見て「おかえりなさいませ・・あっ!」と認識出来る、・こちらも在籍メイドさん全員を把握している、の両条件を満たすくらいでもう常連でいいんじゃないかなと思っていたりするのだが。。月1回とかのレア出勤メイドさんと会うのは結構大変なので。それから「レア出勤」という言葉・概念を知っているというのも十分「マニア」でいいんじゃないだろうか。 A1・だいたい同意 A2・いや甘い 面白そうなのでよかったらクリックで投票してみて下さい。3日間くらいで〆切ります。 ちなみに、店内でメイドさんに尋ねると「え〜っ?来店2回目でもう常連さんですよぉ」などと言われるのはお約束。さすがメイドさんは優しいなぁ。というか、単に2回も49枚も200枚もどうでもいいと思っているのかも知れないけど。 常連が集まる店 (2010/09/25) メイド喫茶のお客さんには大きく分けて3つの段階があると言われている。1つ目は「観光客レベル」、2つ目は「常連レベル」、3つ目は「主(ぬし)レベル」である。 もっとも人口分布が多いのは2段階目であるが、この2段階目の人たちは客単価が最も低い。なぜなら、メイド喫茶でご飯を食べないという習性があるからだ。メイド喫茶は紛れも無く飲食店だが、食べない。どこで食べるのかというと近所のハンバーガーショップや牛丼屋さんだったりという、「メイド喫茶はあくまでもメイドさんを楽しむところであって、ご飯類は割高なので他で」という計算が働くのである。 以前、友人と秋葉原の「すた丼」屋へ入ったことがある。レディースセットがお得らしいと聞いたからだ。そして店内を見て思わずニヤリとした。何故なら、アノ店やコノ店、各メイド喫茶の見覚えのある常連さんが黙々と食事していたからだ。こんなところに「メイド喫茶常連の集まる店(違う意味で)」があったとは。。 これは決しておかしいことではない。庶民が娯楽を楽しもうとするならエンゲル係数を切り崩すしか道がない、即ちそれだけメイド喫茶の「メイドさん代」は庶民にとって高いわけで、メイドさん代が高くなればなるほど、そのメイド喫茶でご飯を食べる人は反比例して少なくなるのは当たり前の話なのだ。そして私もそうだ。 このことを考えた時、「声優のたまご」のやり方はニーズにマッチしていない。席料を取る上にただのたまごかけご飯が800円である。あの営業形態でこんな割高なたまごかけご飯を食べるメリットは一切見当たらない。その点で言えば「pray」は時間帯によってはまさかの席料二重取りしやがるトンデモ店でありながら、フード類は持ち込み自由、「下のすき家で買って来いや」という、変なところで客の心理を掴んでいる店だと言えよう。とはいえ、二重取りの金額(最大で1500円)がメイドさん代としての適正価格かどうかは疑問が残るが。 何せ、メイドさん代は「無料(=値段に含まれている)」というのがメイド喫茶の面白いところだったはずなんだ。それが昨今の席料ブーム(?)で「何言ってる、メイドさんは有料だぞ」という一部の店の主張が店舗数の増加で「新常識」みたいになりつつあるが、この方が受け入れ難い。何故受け入れ難いかと言うと、これらの店が「それほど凄くない」からである。 カネを取るのはいいが、それなりの店であって欲しいよね。そうでないから、メイド喫茶ではカネを1円でも落とすのを控えようと、消費者は別の店で腹を満たすわけだ。この事実が、悲しくないのかね?少なくとも飲食店である以上、まともに飲食出来る店にしてもらいたいものだ。 頂上決戦に終止符? (2010/09/24) #302で東京都は秋葉原の「とっぷすいーと」の価格設定に関して苦言を呈したが、さらに上を行く「まごころカフェ」という新しいメイド喫茶がオープンしたというので早速行って来た。 ネット上の前評判はあまり良くなく、また値段が恐ろしいことになっているらしい。それだけ「何か」あるのだろうか。 ざっとシステムを説明すると、席料1時間1000円、指名料(必須)1時間1000円、これでソフトドリンク飲み放題だというのにさらに最低でもワンオーダー必要ということでそれが500円〜、今時なぜか外税表示で税込2625円が「最低客単価」である。指名料が必須というメイド喫茶は初めて見た。 また、入会制ということで最初に・名前、・電話番号、・メールアドレスを指定の用紙に書かされるのも気になった。ただし、記入したメールアドレスには後日、メイドさんからメールが来るというメイド喫茶としては横紙破りな手法を採用。また、今後店側が立ちあげるという謎のSNSサイトへ入れるようになり、メイドさんとクローズドな環境でコメントなどが出来るようになるらしい。って、現段階では公式ホームページすら無いけど。。 指名料を取るだけあってメイドさんは1人のお客さんに1人つきっきりで接客をするのだが、団体客に関しては1〜2人までメイドさん1人、3人ならメイドさん2人などとちょっとケチった法則が働くらしい(それでも料金は一緒)。しかし席数が7席でメイドさんが5人しかいなかったので既に破たんしているわけだが。 まあ、最低2625円の「価値」があるかないかは、「何を期待するか」によると思う。ごく普通のメイド喫茶でご主人様・お嬢様同士の「メイドさんの取り合い」になるのがイヤだという人向けなのだろう。ただ、私が思ったのは、それに見合った金額が2625円で、「メイドさんを独占出来るならそれくらい払ってもいい」というお客さんがどこにどれくらいいたのか、という「需要」についてである。というのも、私はメイド喫茶は「(メイドさんを)独占できない」からこそ価値があると思っているので。それが「はい、どうぞ!金額が高い分、好きなだけ満喫していってね!」とやられるのはちょっと違うんじゃないかと思うんだ。メールも同じく、メイドさんのメールアドレスは「手に入らない」からこそ価値があるのであって、それをキャバクラの営業よろしく「パソコンから一括送信しまっせ」というのは全くの別物なんだ。 この人たちは勘違いしたのだろう。メイド喫茶は「結論が見えない」からこそ通うのである。それを見せるのは簡単だが、見せたらおしまいなのだ。この店は、「何の受け皿」のつもりなのだろうか? 捨てられる (2010/09/23) メイド喫茶には、メイドさん達にケーキやお菓子など食べ物を差し入れするご主人様がよくいる。しかし、もちろん例外もあるが、これらは食べらることなく捨てられてしまうことがほとんどである。その理由は#019でも書いたが、何かが混入しているんじゃないかというのが大半。ごくまれにオープンなメイド喫茶では貰ったその場でメイドさんが食べているシーンを目撃する(これが「オープン」なのかは微妙)が、これはよほど信頼されているのだろう。 「そんな・・あれは捨てられてしまったのだろうか・・」とがっくりな方、確かに貴方は潔白でも、少数とはいえヤバいモノを持ってくる人が実際にいるから、真面目な人まで一緒くたにされてしまうのだ。メイド喫茶の対面にある洋菓子屋で今買ってきたということが証明できるような状況でない限り、とりあえず食べ物はやめておいたほうがいい。 じゃあメイドさんにあげるものとしては何が最適なのか?というと、はっきり言って何かあげるより店でお金を使う方が喜ばれると思うけど、どうしてもと言うならCDとかぬいぐるみとかキーホルダーとか、毒にも薬にもならないものがいいだろう。それでも余程のことが無い限り自宅には持ち帰らずその前に捨てられると思っておいた方がいい。思っておいた方が、もしもそういう時、傷付かずに済むだろう。以前あるメイド喫茶のメイドさんが、某ご主人様から貰ったというブレスレットを帰り道、工事現場に投げ捨てたと笑っていた。 一体何故、こういうことが起こるのか。それは全て、ご主人様とメイドさんの価値観がズレまくっていることが原因であろう。 多くのご主人様は、ちょっと話したことのあるメイドさんをさも友達かのように考えている。「あの子とは仲いいよ」って何度も聞いてきたが、いざメイドさんにそのご主人様のことを尋ねると、名前すら知らないというパターンはよくある話。 ちょっと肩をポンって叩いたつもりでも、「痛いじゃないか、何しやがる」と怒る人がいるように、こちらの思っていることがあちらも思っていて当然と考えると思わぬ副作用が出るのが社会というもの。世の中には「こっちの常識」と「あっちの常識」があって、メイドさんにとっての差し入れは捨てるものなんだということを「知っておく」のはすごく重要なことだと思う。 知っておけば、ちゃんと貰ってくれた時の喜びも倍増するんじゃないかな。 写メ (2010/09/22) メイド喫茶でメイドさんとチェキを撮るのは楽しい。しかし、チェキばかりでは物足りない、チェキを撮っていると自然と次に撮りたくなるものがあるという。それが「写メ」だ。写メならより自然に、いつでも好きなメイドさんを拝めるだろう。しかし写メを撮れるという店はかなり少ない。中には撮ったチェキを写メで接写し待ち受けに設定している人もいる。 最初に断っておくが、私は「チェキ病(今決めた)」という不治の病に冒されており、たとえどんな写真であってもチェキでないと興奮しないという末期症状にあるのだが、言っていることは分かる。チェキは撮ってすぐに渡せるという利便性はあれど、受け取った後の保管や持ち運びについては全く考慮されていない。これを言っちゃお終いだとは思うが、ぶっちゃければ「使い道がない」。アルバムに入れて暇な時にぱらぱら眺めてあの日この日を懐かしむというのが王道だろうが、それも100枚〜200枚が限度だろう。1000枚、2000枚になってくるとそれも億劫だ。その点、写メを筆頭にデジタルデータは扱いが楽だし、ケータイに入っているならマニア同士で見せびらかして自慢するのも簡単である。私に知り合いにはチェキを全部スキャナーでパソコンに取り込んで永久保存している人もいる。 さて、このようにメイド喫茶におけるチェキと写メ、そして写メのお客さんにとっての「偉さ」を一通り語ったところで、ある面白い現象を紹介したい。 メイド喫茶は大抵の場合、個々のメイドさんにブログを更新させている。ここにメイドさんが「今日はこんなことがあった」「新しい服を買った」などと自分撮りした写メを掲載している場合、「彼ら」にとってこれはダウンロードして待ち受けに設定する手だろう。某店のオーナー曰く、自分撮り写メを載せているメイドさんと載せていない文字だけのメイドさんとではアクセス数が50倍も違うそうだ。 もちろん、タダでダウンロードさせてそれが殺到したからといってお店にとっては何の利益にもならない。メイド喫茶はあくまで商売であるから、この状況でファイナル・アンサーでは意味が無い。逆説的に言えば、イマイチな商品を売り、最高の商品はタダで配っているようなものである。よってこの「原動力」はもっと他に生かすべきだろうと提案しよう。例えば、常連さん向けのチケット制のイベントなどではツーショット写メが撮れる、とかポイントカード満タンの特典は写メにする、とかね。お客さんはそういうのが欲しいみたいですよ。ちなみに私はチェキ病(しつこい)なので要りませんが。 返って来ないメッセージ (2010/09/21) 音楽に対して感覚の鈍い人を「音痴」と呼ぶ。この音痴を治すには、まず「自分は音痴である」ということをきちんと認識しなければならないとされ、バケツを被って繰り返し歌うなどし、自分の歌が元の歌と比べてズレているということをまず知ることが大事になる。 つまり、問題のある人はそれが問題だと認識していないから問題を引き起こすのである。最初から悪いと思ってわざとやる人はいない、当人にとってはそれで普通のつもりなのだ。だからこそおいそれとは治らないし、だからこそ問題なのである。 メイド喫茶のメイドさんのmixiやブログを発見し、メッセージ(メール)を送ったことがある人は多いだろう。しかし、基本的に返事は返ってこない。それもそのはず、メイドさんは業務時間を過ぎたらただの女の子であって、貴方の友達ではないからだ。それなのにこのことについてメチャクチャ怒るご主人様をたまに見かけるが、それは見当違いであるとしか言いようが無い。 もちろん、中には返事を貰えたという人もいるだろう。それは経営方針の違いである。たまたまその店のシステムが「メイドさんが何人の客を連れて来れるかが給料に反映されるから」だったと考えるのが妥当だ。キャバクラ嬢が電話番号を教えてくれるようなもの。私の友人のK君はキャバクラについて過去の体験からこう語る。「キャバ嬢とメアドや電話番号を交換してもいいことなんか何も無い、どうせ営業されるだけだ」と。 「おいあくみ、いい加減にしろよ、必ずしもメイドさん全員がそうじゃないだろ。俺の○○ちゃん(名前)はそんな不純な動機でメッセ(以下略」と仰りたいそこの貴方、確かにそうだ。では、ひとつ質問をさせて貰おう。一体、そこには何と書いてありましたか? もしメールの内容が「またお店でお会いできる日を楽しみにしてますね」みたいな内容で〆られていればそれは上記の通り、営業そのものである。残念だが0.001%も同情の余地はない。また中には、お店の外でデートの真似ごとをしてあげて、さらに貢がせてやろうという子もいるかもしれない。 さあ、最初に戻ろう。そもそも、こんなことで悩むのは「返事が返ってこないから」である。何の心労も無く返事が返ってくる魅力的なご主人様なら悩む必要はない。「返事が返ってこないのは、自分に魅力がないから」とハッキリ自覚し、まずそこから脱する方法を考えよう。怒っても始まらない、メイドさんが業務時間を過ぎて普通の女の子に戻っても連絡したくなる、魅力的なお客さんにならなきゃ思い通りに地球は回らない。 メイドさんが消える日 (2010/09/20) 9月下旬、そろそろメイド喫茶における一大イベントがやってくる。そう、「ハロウィン」だ。もはや毎年の定例行事であるこのハロウィンイベントはメイド喫茶を面白くするのかつまらなくするのか、議論の分かれるところである。 ここでご存じない方の為に再確認しておこうと思うのだが、メイド喫茶におけるハロウィンイベントとは基本的には魔女の服やカボチャの帽子などを身に付けた「コスプレイベント」である。 日本ではハロウィンは馴染みの薄い行事であり、何をすれば「これぞハロウィン」なのかがイマイチ浸透していない。店側もメイドさん側も同様で、着るには着たんだけど、あとはお菓子を売ればいいの?などという、それで何をすればいいのか良く分からないということが多々見受けられる。私が最も不思議だと思うのは、このハロウィンの認知度がこういう状態であるというのに、何故か全国のメイド喫茶がイベントをやるという点。誰が望んだのか? このようなコスプレイベントは、通常のメイド服での営業に飽きてしまった常連客向けと考えるのが正しい。有名アニメとタイアップし、限定コースターを配るようなイベントであれば初心者の裾野を広げるものと考えられるが、今回のハロウィンはそれとは完全に別物である。 以前#118でも触れたのだが、メイド喫茶がコスプレイベントを行うと、大抵の場合メイドさん全員でそのコスプレをやるもんだから、メイド喫茶の看板をつけておきながら店内にはメイドさんが一人もいないという奇妙な事態が起こるわけだ。それが突発コスプレイベントならその店舗だけの話であるが、ハロウィン+秋葉原ともなると全店舗がほぼ同時に行うので、下手をするとアキバ中からメイドさんが消えるということになる。即ち観光客にとっては全く面白くない、マニア客にとっても「どの店も全部似たようなハロウィンコスプレ」では刺激の無い期間になるのである。 私の経験則から言うと、この期間のメイド喫茶はメイド服で通常営業というお店を探すほうが難しい。最初はハロウィンだということでチェキを撮ろうと意気込んでいたマニアでも、何軒か巡る間に普通のメイド服が見たくなってくるだろう。「ウチはそういうことやりません!普通のメイド服で営業中です!」という店があれば、寧ろ混むような気すらしてしまう。 多分私はマニアだから今年も懲りずに何軒か回ってこの気分をまた味わうことになるだろう。進歩が無いね。 思わず花*花もあ〜よかった (2010/09/19) チェキ・・私のあるくだらないこだわりが、先日ひとつのドラマを生み出した。 チェキのポーズは、店によっては「直立不動のみで!」と貼り紙までしてあるところさえあるが、注文してチェキのマシンを持ってきてから「どうしましょうか」とメイドさんとわいわいするのも楽しみだったりする。 自慢じゃないがチェキのポーズのレパートリーに関してはたぶん、トレカの集会場みたいなところで日本全国のマニアが自慢のネタチェキを持ち寄ったところで、かなり上位に食い込める自信がある。でも私は強制はしない、あくまでも「得意なポーズで」と言うだけで、メイドさんの自主性に任せるものが好みである。そうすると、彼女たちのいろんな面が見れる気がするからだ。ちなみにこの「得意なポーズ」を平均10分は悩むので、10分間メイドさんを独占できるという意味ではお得でもあるかもしれない。 大阪のカフェドールでは「得意技を」とお願いしたところメイドさんが「コマネチ」するチェキを貰ったのを皮切りに、ウ○コ座り、一升瓶を抱えて寝る、はっぱ隊、M字開脚、Y字バランス、リモコンフェチ(その場にあったお店のエアコンのリモコンにキス)、出産(その場にあったリラックマのぬいぐるみをメイドさんがスカートの中から苦しそうに出す)、彼氏(これまたその場にあったプーさんのぬいぐるみを彼氏に見立てて愛でるシーン)など、今活字にしていて「これは活字にすべきではないな」と痛感した。メチャクチャ勤勉で真面目そうな清楚な感じメイドさんが「じゃあ裏で撮ってきます!」と言って、メイド服が思い切り肌蹴たチェキを持ってきて「最近プレイしているエ○ゲのパッケージ風ですっ!」と落書きしてあったときはビックリした(注:純粋な喫茶です)。他にも私とツーショットしたチェキに関しても相当なものがいくつかあるのだが、どれも「絶対に人に見せない、言わないで下さい!」と念を押されているので紹介出来ない。「人に言えないチェキ」ということでご想像にお任せする。 さて、この「得意技で」を徹底していてひとつだけちょっといいことがあった。先日あるメイド喫茶にて、あるメイドさんが「4年前は○○で働いていました」と教えてくれた。4年前、私もそこへ何度か行ったことがある。でも記憶が曖昧で、ピンと来なかった。 会ったことがあるのかないのかモヤモヤしたが、とりあえずそれはさておき、チェキを撮ろうじゃないか!とオーダー。「ポーズは何にしましょうか」「メイドさんの得意なヤツで・・」えー、どうしよう!と悩んだ挙句「じゃあこれで・・」と出たポーズを見て確信、パズルの最後のピースがカチリと音を立ててハマった。ナント4年前と全く同じポーズだったのである。違うのはメイド服とメイドさんの年齢だけ、歴史を感じた。 せまシュラン (2010/09/18) 「とんねるずのみなさんのおかげでした(フジテレビ)」のワンコーナー、見た目は汚いけれど、料理は美味しいお店を紹介して行く「きたなシュラン」が最近面白い。確かに、飲食店は見た目だけじゃない。そこで私も、「お店はとてもイイのだけれど、めちゃくちゃ狭いメイド系店舗」を紹介したいと思う。そんなもん紹介して何になる?と思うかもしれないけど、実際に行ったことのある方なら解ると思うんです、「語るべき狭さ」なんです。 ガイドブックに出てくるような大箱のお店も楽しいが、アットホームな個人商店を探すのもまた、メイド喫茶巡りの醍醐味である。 というもの先日、東京都は中野にある「Chez Alices」に行った時この気持ちを思い出したのだ。席数は8、カウンター形式のバーなのだが、人っ子一人すれ違えない素敵空間である。もちろんそれ故の密着感がイイと思う。秋葉原は土地が狭い故のテナントの狭さがあるかもしれないが、ココはそんなのとは次元が違う。 このスタイルのトップはやはり新宿の「雪月華」だろう。席数ナント6、団体さんはまわれ右だ。実は私の「初・メイド系店舗」はここなのだが、この時は階段に行列が出来ていて入るまで2時間半も待たされ、「メイド・・すごい商売だ!」と感心したものだ。 また現在は常設ではないが、自由が丘の「ACID PANDA CAFE SIDE-A」もキてる。席数わずか4。それでも全盛期はメイドさんを常時3人も置いていたので、極論を言えばメイドさんとご主人様1:1も可能なレベルだった。そう考えるとコストパフォーマンスは優れていたと言えよう。 また飲食ではないが、リフレにもすし詰めのような狭さのお店もある。その中でも取り上げるべき狭さのお店といったら間違いなく秋葉原の「あきばふみもみポリス」であろう。こちらの席数は3、この数字は決して少ないものではないのだが、ふみもみポリスのソレはちょっと尋常じゃない。何というか、雑魚寝している3人の人を、チョークで床に線を引いてそれぞれの陣地を分けただけといったところ。しかしコンセプトはものすごく面白いお店なので、利用するなら是非空いている時間帯をオススメしたい。 最近では席数100を超すうさぎの森のようなコンセプトカフェが出来たこともあり、メイド喫茶の「広さ」についてはほぼ結論が出揃った状況である。恐らくこれを超える規模のお店はそう簡単には出てこないだろう。しかし、「狭さ」についてはまだまだこれらより下も出てくるかもしれない。予断を許さない状況であろう。ドアを開けて、席数2とかでビックリさせてくれるお店が出てくることを楽しみにしていたりする。 恐怖のインカム (2010/09/17) ビラ配り中のメイドさんには、お店と連絡が出来るインカムが装着されていることが多い。しかしインカムは構造上ボソボソと人目を避けて喋るように見える為、中には「アレで俺の悪口を言っているんじゃないか・・」なんていう負の妄想を膨らませる人もいる。 ビラ配りは基本的には店内のメイドさんを外に出すことになる。まさかビラを受け取って「それじゃあ行ってみようかな」というお客さんが現れた時「ごめんなさい満席です」じゃ何のためのビラ配りか分からない。当然、アイドルタイム中に行うものだ。しかしネットでお店を知った団体さんなんかが突然訪れるかもしれない、こうなると今度は店内がカラッポじゃ困るわけだ。そういう時に「集合!」と威力を発揮するのである。基本的にはそんなやり取りしかしていないので安心していい。 しかしあのインカムで一風変わったやり取りをしているお店がある。これはそこの現役のメイドさんの証言である。ちなみに喋っているのは店長のメイドさんだ。 (※ものすごく冷静な、機械みたいな声で) 「今日の売り上げ目標、80万円だよー、あとどれだけ足りないか、わ・か・る・よ・ね・?」 「あと60万、あとろくじゅうまん、あ・と・ろ・く・じ・ゅ・う・ま・ん」 「足りないなー、売り上げが足りないなー、た・り・な・い・なー」 (以下ループ、これが一日中続く) えっと〜、、メイド喫茶の売り上げって、ビラ配りで決まるんスか?ああ、そうでしたね、お宅はそうなんでしたね、スミマセンね。 メイド喫茶って、こうまでしなきゃいけない商売なのだろうか?私には、どうもそうは思えないのだけれども。確かに、売り上げはちょっとでも多い方がいいだろう。けど、メイドさんに圧力をかけてどうなるものでもないんじゃないか。車の営業じゃないんだからさ。 こんなプレッシャーに耐えながら外に立たされているなんて、まるで悪徳新興宗教の洗脳ヘッドギアだ。そりゃあ、他店のビラ配りのメイドさんとの会話も「そっちは待遇どう?」がメインになるわけだ。 ちなみに、どうして売り上げが足りないか老婆心から説明してあげると、それは店がつまらないからであって決してビラ配りのメイドさんのせ・い・じ・ゃ・な・い。 破産 (2010/09/16) 今月13日、東京都は秋葉原に在った「プラーナリフレ」が閉店した。テナントのシャッターには「破産」「弁護士」の文字が躍る貼り紙が。穏やかではないクローズの仕方である。 私はプラーナは大好きだった。人にメイドリフレを聞かれれば、問答無用でオススメ出来ると思っていた。しかし今回は破産がテーマである。このプラーナの破産について、私がプラーナを好きか嫌いかということを除いて、極めて冷静な判断をしようと思う。 さて、リフレクソロジーは実はものすごく儲かる商売なのだ。ではどれくらい儲かるかを説明しよう。 企業というのは、労働力を利潤追求の源泉とするものである。その極端なところがリフレクソロジーだ。仕入は従業員の労働力(つまり原価タダ)だけ、働けば働くほど人件費は下がっていく。まさに剰余価値だけで利益が出る商売である。しかもマッサージと異なり医療行為ではないから有資格者でなくとも出来る。 メイド喫茶に於ける商品の原価率は食品業界関係者なら憤慨するかもしれないけど、1割程度が普通であって1.5割なら「高い」とすら言われている。しかしリフレの方が遥かにボロい。実に原価率0割だ。また客単価の面で見ても、メイドリフレなら展開次第では5000円近くをたたき出している店もある。 それでも、破産なわけだ。一体プラーナは何がダメだったのか。 在りし日のプラーナに対するお客さんの評価は「施術メイン、ただしメイド系としてはイマイチ」といったところだろう。何故アキバだったのかよくわからない店、とも言えた。まあ、どっちもイマイチという店が多いので良店だったことは間違いないが、それでも破産なのだから、マーケットで受けた洗礼は「ダメな店」だったということだ。生き残るメイドリフレというのは、このバランスが重要なのである。 #272でも触れたが、これもひとつの「世代交代」と考えるとプラーナは息の長かった方である。要するに、このあたりの「逝ってしまったメイドリフレ」は、メイドブーム期を生きる体力はあったものの、ブーム後には生き残れなかったわけだ。「メイドリフレは、施術が良くても生き残れない」という悲しい事実が非常にリアルである。 最後に、閉店は余力のあるうちにすべきだろう。話によれば、メイドさんはおろか店長さんも貼り紙を見るまでは知らなかったとのこと。それじゃ当人たちにとっては夜逃げと等価の問題だ。しかも破産であるから給料の請求は難しい。つまりこれはトンズラだ。せっかくの技術派メイドリフレの末路がトンズラとは、少々残念である。立つ鳥跡を濁さずでいて欲しかった。 買い出し (2010/09/15) 多くのメイド喫茶では、備品やフードメニューの一部などを近所のお店で買い揃えている。要するに市販品だ。「当店は全てメイドさんの手作り!」というのがウリだという店でも、実は一品くらい何かしら市販品のお世話になっていたりするのは内緒の話である。 秋葉原で有名なのが「肉のハナマサ・秋葉原店」だろう。一体何店舗がココのお世話になっているのか・・だから、「あのメイド喫茶で食べたアノ味が忘れられない!」なんていう人はハナマサをチェックしてみると意外と自宅でも再現出来るかもしれない。 以前東京都は新宿に在ったメイド喫茶「みるふぃ(2007年10月31日閉店)」のメイドさんが買い出しに出ていたのはすぐそばにあるスーパー、「三平ストア新宿店」である。私はあの店の裏メニュー「からあげドリア」が未だに忘れられないのだが、もちろんここで買えるわけだ。実はこれ、創作メニューなので冷凍物がそのまま売っているというわけではないのだが、元メイドさんからレシピを聞いて買い揃えてしまった。ちなみにみるふぃにはオーブンが無かったので、ドリア類は全て湯煎で作っていた。よくもまぁ、、というわけだが、再現するにはそこも真似する必要があってなかなか楽しかった。 私は市販品を出すのがいけないなんてことは思わない。こんなことはメイド喫茶でなくともどこにでもある話である。しかし、市販品であることがお客さんに見えてしまうのは萎える。あくまでも見えないところでやることだと思うのだ。 というのも、以前私の知人がこんな目にあったので。 彼はとあるメイド喫茶でミルクレープを注文した。メイドさんはそれを書きとめている。すると裏から店長らしき男の方が血相を変えてやってきてこう言った。「ちょ、ちょっと!ミルクレープは品切れだって言ったでしょ!注文取っちゃダメだよ!」 おいおい、それは裏でやれよ。。この時点で客商売として十分「あり得ない」状況ではあるが、次の行動で「あり得ねぇ」にランクアップする。 メイドさんは「あ、、あの、すみません、、どうすれば、、」とオドオドしている。すると店長らしき男性は自分のお尻のポケットから二つ折りの財布を出し、千円札をメイドさんに渡してこう言った。 「しょうがないな、すぐそこのローソンで買ってきてよ。」 毒電波 (2010/09/14) メイド喫茶というのは、ご主人様・お嬢様1人に1人のメイドさんがいるわけではない。変な言い方かもしれないが、メイド喫茶はあくまでメイド喫茶であって決して自分専用のメイドではないということ。当たり前のことのようだが再確認だ。 即ちタイミングが悪ければお客さん10人にメイドさん1人など序の口であり、あるメイド喫茶では注文をする時にベルを鳴らすと「はーい、、お呼びのご主人様・お嬢様はどちらでしょう?」などという、珍妙なセリフが聞ける。メイドさんとのコミュニケーションがウリというお店だとお客さんもメイドさんとお話しに来るという人が多いので、放っておけば「メイドさん争奪戦」になるのは火を見るより明らか。「お喋りは1人5分までで効率よく均等に」などのマニュアルが出来てしまうのも致し方ないところではある。 こういうお店では、常連さん同士仲よさそうに見えて意外とヘンなところでけん制しあっていたりする。 お気に入りのメイドさんが他のお客さんと楽しく談笑していたりすると、遠くからその様子を恨めしそうに睨みつけつつ毒電波を送信するご主人様がいる。「早く終われ〜、早く〜!」と聞こえてくるようだ。他にも、自分の好きなメイドさんが他のご主人様と盛り上がり始めた途端「ガン!」とコーヒーのカップをテーブルに叩き付ける人を見たことがある。オーナー曰く「いつ出入り禁止にするか迷ってる」そうだ。こういう人はメイド喫茶には向かないし、ガン!とやったところでメイドさんにいいイメージが残るはずもない。 ところでメイドさんにこの話をすると「分かる分かる!」とよく笑われる。順番に話さなきゃいけないってお店から言われているのに、別のお客さんと話していると背後からさっきのご主人様の「早く終われオーラ」を感じる、とか。要するにバレているわけだ。恥ずかしいね。 メイド喫茶未体験の人にとって「メイド喫茶」と聞いたら色々なイメージを思い浮かべるだろう。静かな雰囲気を想像する人もいればアキバ系のアイドルを連想する人もいるかもしれない。どれも自由だ。しかしまさか「ご主人様の燃えるような嫉妬」を思い浮かべる人はいないだろう。でも、現実はこういうところです。 私たちはこうしたことを分かり切った上で、全てを笑い飛ばせる「達人」になりたいものである。そうすることで、お気に入りのメイドさんにまた一歩近づけるのではないだろうか。 最後に、それでもどうしても話したいという人は追加オーダーをするといい。オーダーなら必ずメイドさんが取りに来ることになるだろうし、品物を運んでくる際にも話せるだろう。メイド喫茶は、商売だよ。 すごく・・大きいです (2010/09/13) 観光でメイド喫茶に来たお客さんにとって、チェキは「記念撮影」、ポイントカードは「行って来たぜ自慢」に過ぎないかもしれないが、マニアにとっては完全なる収集対象である。 メイド喫茶のポイントカードやチェキを集めていると、枚数が増えて行くうちに保管しておくケースに困り始める。キャンドゥのがいいだの、ダイソーのがいいだの、100円ショップの名前でカードケースについて語るようになったらいっぱしのメイド喫茶マニアであろう。丁度いいケースを探すのは、マニアにとって死活問題なのだ。 チェキはまだいい、メーカー製の純正アルバムなどもある。それでも1000枚用などはないのでここはトレカバインダー等をオススメする。注意すべきは「擦れ」だ。表面が擦れると落書きが消えてしまう。そこで台紙などで固定することをお忘れなく。 ポイントカードは名刺大が主流であるが故、名刺ケースで保管するのが最も適していると思われているが、実はそうでもない。中には奇抜なサイズのものも存在するからだ。小さい物(キュアメイド等)はいいが、大きい物は名刺ケースでは入らない。例えばエムズメロディのカードは遊戯王カード並に幅が大きい。厚さも二つ折り、最高で三つ折り(ZQN cafe ARGO等)などもあるため一筋縄ではいかない。またクレジットカードのようなプラスチックのもの(アフィリアスターズ等)もあるので、ここは臨機応変に「名刺大」「それ以外」でケースを分けたりするのがいいだろう。ポイントカードであるから持ち運びが出来、すぐに取り出せなければ意味がないので1枚ずつ保管できるスリーブなどをオススメする。 次にラミカだが、これは全部同じに見えて実は手づくりのものが多く、どれも微妙に大きさが違う。その為、やはり1枚ずつ保管できるスリーブが適している。 レシートを集めている人も多い。レシートは今まで業界にどれだけの金額を費やしたか計算するのにもいい。これは写真のアルバムなんかがぴったりだ。長さはまちまちでも厚さは均一なので扱いは比較的楽である。 最後の砦は「コースター」だ。これだけはケースがない。形もスタンダードな丸いものばかりならいいが、実際はそうでもない。私は段ボール箱に収納しているが、、いいものがあったら教えて下さい。 メイド喫茶にハマるようになってからというものの、メイド喫茶以外にも足繁く通うようになったお店がある。それがトレカ屋である。傍から見れば何の関係が・・と思うかもしれないが、メイド喫茶にはコレクター心をくすぐる「グッズ」がこんなにあるのだ。お陰でトレカ屋のポイントカードも何枚か作ってしまったが、後悔はしていない。 イカサマ (2010/09/12) 現在の日本は資本主義国である。資本主義とは言い方を変えれば、より上手く搾取したヤツが偉い、という体制である。従って、短期間で何店舗も増殖しているメイド喫茶は、メイドさんに給料を出さずに誤魔化したり、メイド服代を縫製店に払わず難癖をつけて返品し、その間に中国の業者に1着こっそり渡してコピーさせていたり、そういうイカサマに長けているということであって決して「いい店を作ってたくさんのお客さんに支持されている」ということではない。だからメイド喫茶で大成功して高級車を乗り回すイケイケ社長だのと聞いて「何だかよく解らないが、とにかく凄そう!」なんて考えている人がいたら、それは「乗せられている」ということだ。資本主義において成功者とは、常に胡散臭い存在なのである。 最近では過剰アナウンスで客を入れるだけ入れてドリンク出したら後は放置、という店も横行している。はっきり言って、まったくもって面白くないしアナウンスと違いすぎる。ウソ、大げさ、紛らわしい。こういう時こそ「JARO」に電話だ。 しかし、サービスの観点に於いてはこういう店が効率的だったりする。ここがメイド喫茶における客と店の対立の原点である。メイド喫茶は癒しの空間であるから、お客さんにとってはゆったりくつろげてこそメイド喫茶であろう。ところがお店側にとってはとにかく回転率と客単価である。要するに互いの価値観がズレているわけで、両者は永遠に和解することはない。 それでも妥協点はあるはず、そここそがメイド喫茶とお客さんの距離である。例えばコーヒー1杯で500円から入れる店もあれば、1500円もかかる店もある。1500円といえば高級ホテルのラウンジ並かそれ以上でもある。金額を見れば、店がメイド喫茶を、メイドさんを、そしてお客さんをどう見ているのかが手に取るように解るものだ。もちろん人それぞれのメイド喫茶観はあれど、さすがに限度というものがあるだろう。 お客さんの価値観に出来るだけ近い店なら、こういう乱暴な設定にはしないはずだ。私が選んで欲しいと思うのは、こういう店である。こういう店にこそ、生き残って貰いたい。あくどい店だけが肥えて行き、まともな店から閉まっていくなんておかしい。 私たちはお客さんである。あの店がいいか、この店がいいか、どの店に残ってもらうかは私たちが決めるはずである。どうか皆さんにおいては、ごまかしやまやかしの蔓延っているメイド喫茶業界ではあるが、これだ!という最善の店へたどり着いて欲しいと願っている。 タバコ吸えますよ (2010/09/11) 近年では健康増進法の施行などもあり、タバコはその居場所がなくなりつつある。近い将来か遠い未来かは分からないが、最終的にはタバコというのは無くなる存在なのだろう。ちなみに私は一切吸わないが個人的な見解を申せば、JTがタバコの害について語るけど、本気で全ユーザーがピタっと辞めたら困る癖に・・と考えてしまうが。 さて、メイド喫茶とタバコは複雑な関係にある。 秋葉原のメイド喫茶では、喫煙は基本的にNGというお店が多い。故に、愛煙家にとってはメイド喫茶は少々辛いものがあるだろう。私は吸わないのではじめは全く気にしなかったのだが、タバコを吸う友達とメイド喫茶に入ろうとしてその肩身の狭さに驚かされた。ここもダメ、あそこもダメ、今まで体験したことのない「店選び」をさせられた挙句、歩き疲れて最後はドトールコーヒーになってしまった。メイドさんいない、、と二人でショボーンな感じになりつつアイスココアを飲んだのを今でも思い出す。しかも煙たい中で立ち飲み、アキバに来た醍醐味が99%失われた気分だった。 路上でチラシを配るメイドさんが、喫煙可のお店ならそれをウリにしている点からも、メイド喫茶がタバコをNGとしている店が多いということが伺える。「メイド喫茶いかがですか?タバコ吸えますよ!」といった具合。言われた人も、それを聞いて「おっ、それなら・・」と立ち止まる姿を良く見かける。それが十分武器として通用するのだ。あの時散々どの店でも断られたことを考えると、分かる気もする。 しかし注意しなければならないのはタバコが吸えるとはどの程度なのか、である。まさか全席で吸えるということはないだろうから、ここからここまで禁煙席であっち側は喫煙席、などの「分煙」ということかな、と普通は考えるだろう。ところが「めいどりーみんさぁど」ではタバコ吸えますよ!と客引きする割に灰皿は店内のどこにも無いという。それじゃあどこで・・?とメイドさんに尋ねると「あちらでどうぞ!」とドアを指さされる。なるほど、こことは別に喫煙スペースがあるのね、とドアを開けるとビックリ仰天、そこは外だった。しかも当日は雨。「タバコ吸えますよ」ってこういうことを指すんじゃないと思うけどね。それでも肩身の狭い愛煙家なら、それでも「ああ、吸える!」と思うのだろうかね。吸わない私には解らない心理なのだろうか。 と思ったんだけど、あれだけ断られ続けた挙句ドトールにするかどうかを悩むくらいなら、あの時だったら磁石に吸い寄せられるようにして入りそうな気がした。強いんだなぁ、タバコ吸えます、って。 コンセプト変更 (2010/09/10) コンセプトカフェの「コンセプト」はまだまだ未開拓の地が広がっている。先日東京都は秋葉原にオープンした「Dream」がモチーフとするのは「海の家」である。また、ありそうでないのが、チャイナ服姿のウェイトレスさんを置いた中華料理店(「娘耳姉妹」はリフレなのでちょっと違う)。他にも、CAの格好をして機内食を出す「飛行機カフェ」とかも無い。電車はあるのにね。 もちろん、何事も需要がなくては始まらないだろう。海の家だってただ目新しいというだけではお客さんは入らないはず。それに、コンセプトカフェのコンセプトというのは所詮は「足がかり」に過ぎない。例えば、幽霊メイド喫茶「アイネブルグ」がある。最初はもちろん、「何それ?幽霊メイド?面白そうじゃん!」ってコトで行ってみようというフラグが立つかもしれないが、2度・3度となると「幽霊だから」通うという人はほとんどいないはずだ。即ち、これらのコンセプトには「最初は目を引くインパクト」と「何度通ってもおかしくないシステム」の両立が求められているわけだ。 「幻橙館」では今年3月、コンセプトを「昭和レトロメイド喫茶」から「ヨーロピアンメイド喫茶」に変更した。話によれば、1年ごとにどんどん変えて行こうといメイドさん全員で決めたそうだ。これはこれで、面白い試みである。私個人の感想を言えば、昭和レトロも珍しくて良かったけれど、ヨーロピアンの方が珍しさは薄まった感はあれど、より入りやすくなったと感じる。常連さんもすんなり移行出来ているみたいなので、決断は正しかったのではないか。 この成功を見て、秋葉原の某有名店が「ウチもそろそろコンセプト変えてみるか・・」と計画を練っているという。ソースはそこで働くメイドさん。新しいコンセプトとして企画されているのが何と「ロリショタカフェ」というものだそうだ。 ロリとショタ・・まぁ、ある程度の需要は確実にあると思うが、果たしてどんな人をウェイトレスに雇うのだろうか?童顔の人だろうか?子供を雇うわけにはいかないもんな・・いや、待てよ?先日このコラムで取り上げた「BARネルフ中野支部」のような形態ならば・・?それはないか。 ロリショタがどういう形で実現するのか(会議で誰かが止めそうな気もするケド)解らないが、もし本当に出来たとしたら、まず間違いなく「mixiニュース」あたりが全力で取り上げそうな気がしてきた。先ほど書いた「インパクト」と「システム」も両立している気がして、何だろう、ちょっと怖い。 本当にそれでいいの? (2010/09/09) 新しく出来るメイド喫茶を見ていると、果たして一体どんな勝算があったのかと疑いたくなる店がある。全く新しくメイド喫茶をオープンするとなれば規模にもよるが最低でも1千万前後のカネを賭けることになるわけだというのに、「本当にそれでいいの?」と聞きたくなるような、戦略と呼べる戦略なぞ皆無、メイドという名の持つ顧客吸引力が未だにあると思っていて、「メイド喫茶、オープンしました」というだけで朝から行列が出来ると信じ込んでいる人たちがオーナーだったりする。いや、逆説的に言えば「だからこそオープン出来る」のかもしれないが。 ハッキリ言うと、そういう意味での「メイド喫茶」は現在完全に息絶えていて、事前の宣伝なしでオープンしたところで1日の営業時間の8〜9割がアイドルタイムという素敵な店が出来上がってしまうだろう。売り上げが2万円、それに対しメイドさんの給料が4万円なんていうことはザラである。聖地秋葉原のメイド喫茶でも、1日営業してお客さんゼロなんていう店もある位だ。 この人たちはそう思い込んでいるわけだから、人の助言には耳を貸さない。寧ろ、自分の思っていることを否定するヤツらを敵とみなし、騙されまいと余計に自分のメイド喫茶観を信じ込む傾向にある。だからオープンするしかないのである。まかり間違ってもコンサルなんて絶対に入れない。 ところが日数が経過するにつれ、さすがに上記のような素敵現象が頻発すれば「ヤバい」と解ってくる。私的には、この日数はおよそ10日から2週間前後、ズボラなオーナーだと1カ月前後といったところか。集金計画にメドが立たなくなったことが浮き彫りになるので、このあたりで改革を迫られると言っていいだろう。 というわけで、新しいメイド喫茶が上手くいっているか、人気かどうかは、オープン2週間後〜1ヶ月後あたりを見れば一目瞭然だ。もしもその時儲かっていなければ営業努力をしようとするだろうから、店によっては席料半額キャンペーンなどをやるだろう。遊びに行くならこのあたりの時期が丁度いいかもしれない。その時期に何もやらないようなら、余程上手くいっているのだろうと考えていい。 #080でも触れたが、「メイド」を保険だと考えるのは2010年では不可能だ。「生命保険に入ったから、車に轢かれても大丈夫」という店に立ち入る隙は、マーケットのどこにもない。にもかかわらず、どんどん増えている。で、どんどん潰れている。 こうした流れが不動産価値を高騰させ、経済を流動化させているんだと考えると、何とも言い難いものがある。 まったり (2010/09/08) 連休中にカラオケに行くと、特別料金などと称して普段よりボッタくられることがある。お客さんはいつもより多くバタバタしていてサービスが行き届かないくせに割高、店側にとってはこれほど嬉しいことも無いだろうが、客側にとっては全く嬉しくない。客にとって嬉しいのは、他にお客さんがいないガラガラの時間帯であろう。もちろんこれじゃ商売にはならないが、事実だから仕方ない。 メイド喫茶においても同様で、店内がたくさんのお客さんで賑わっているのはいいことだし、メイドさんのやる気にも繋がるだろうと思う。しかし、お客さん側にとってメイド喫茶をもっとも楽しめるタイミングは、他にお客さんがおらず「貸し切り」みたいな感じになった瞬間だろう。このことはメイドさんのブログなんかでは「今日は空いてました〜」なんて正直に書くのは店が不人気みたいで恥ずかしいので、今日は「まったり」でしたなんて歪曲表現される。簡単にいえば「暇でした」ってことなんだけどね。 もちろんこのまったりの時間帯は狙えるものではない。自分以外のお客さんが入ってくればそこで終了だからだ。それからいつもまったりなのはまったりではなく不人気そのものであり、いずれは消え行く店だろうからあまり有難味のあるものではない。ポイントは、「いつもはメイドさんを独占できない人気店の不意のノーゲスト」である。個人的には在りし日の旧カフェドール東京の開店直後1〜2時間あたりのまったり感がとても良かった。ま、さすがに2時間まったりとなると店を心配してしまうのだけれど。。 また、まったりタイムに突入すると普段は絶対に話せない裏話が聞けたりするのも楽しい。冷静に考えると大した話でもないのだけれど、なんとなく連帯感というか、メイドさんと秘密を共有した気になれる。距離が縮まった錯覚を起こすのだ。 実はこれ、「他にお客さんが誰もいない時は、さも秘密みたいな話をして、「俺って、ラッキー?」みたいに誤解させるように!」と明文化してあるお店もある位強力な「囲い込み」だったりして、全部が全部じゃないとは思うが、単に乗せられただけということもある。 こういうことをするのは、常連育成型の地方にあるメイド喫茶なんかなのだが、他のお客さんが誰もいない時は、ご主人様の手を握りなさいなんていうマニュアルを用意してあったりして、私が男なら間違いなく「ハマる」ことになると思うのだ。例えやらされていることが見え見えでも、手を振りほどくことは許されないだろう。 「まったり」はお客さんにとってはとても楽しい時間帯ではあるが、何事もほどほどに、、 掛け持ちとびっくり同伴 (2010/09/07) メイド喫茶のメイドさんの中には、色々事情があるのだろう、夜はキャバクラで働いているという子もいる。基本的に水商売に手を出す女の子というのは悪い男に騙されたなどの苦い過去があったりするものなので、私は個人的には悪いことだとは思っていない。 もちろん、キャバクラのキャの字が出てきただけで毛嫌いするキャバクラアレルギーのようなご主人様が多いのもよく分かっている。私もどうでもいい。しかし、「(私、キャバクラと掛け持ちしてるの、なんてカミングアウトされると)つい行っちゃうご主人様」の比率は圧倒的に高い。 当然、お店によってはそのことを言ってはいけないという規則もあったりするが、#209のように積極的にお客さんを勧誘しちゃう子もいる。中には店そのものがそういったビジネスモデルで成り立っているところもある(母体がキャバクラも経営しており、そちらへ客を引っ張ってくる目的のメイド喫茶もあるよ、ということ)。ちなみにこの手のメイド喫茶はメイド喫茶としての採算を度外視しているため、表向きはかなり健全だったりする。 私は女だから勧誘されないけれど、「メイドさんからメアドが書いてある小さな紙を帰り際に渡された!これはフラグかも!」と喜んでメールを出してみたら、10回目くらいのメールのやり取りから「実はお母さんが病気で・・」などとお約束のストーリー展開を切り出され、結局行くことになってしまったという悲劇なんかを幾度となく耳にしてきた。また、メイドさんを辞める際に今まで自分のファンだったご主人様全員に連絡先を渡しておき、全員を自分個人のお客さんにしてしまおうと画策する子もいる。誰が悪いのかと言えばそのメイドさんなのだが、付いていくお客さんのリアルな心情を察すると、一筋縄では行かんわいという感じがひしひしと伝わって来る。 秋葉原のあるメイド喫茶では、先日店を辞めたばかりという元メイドさん(現:キャバ嬢)が去り際に当時のお客さんに連絡先を渡しその後うまいことキャバクラへ呼んだのだが、同伴出勤する際のデート先をそのメイド喫茶に指定したというから大変だ。当然彼女は私服で、傍から見たらカップルのデートである。事実関係を知らない他の常連さんからしてみれば、「まさか、アイツらデキてたのか?」といったところだ。だが、事実はただの同伴出勤。こちらのほうがよほど悲しい気がするが、当人たちにとっては例え何であれ(元)メイドさんと私服でデート(まがいのもの)が出来るだけで偉いのだろう。 勧誘に釣られて行くも行かないも個人の自由だと思う。けれど、キャバクラで何万も使うくらいならメイド喫茶に10回来た方がいいと思うな。どちらにせよどうせ何もないんだから。 記録更新 (2010/09/06) メイド喫茶の席料について、またも考えさせられる出来事があった。 時間制のドリンク飲み放題(シャッツキステやアフィリア魔法学院など)を除いた、所謂「席料」の形態の「天井」についてのお話を。 ここ最近は当たり前のように席料を取る店ばかりがオープンするので、席料のない数少ない生き残りのメイド喫茶を文句なしで「良店」とする考えがお客さんの間で浸透しつつある。もちろん席料を取るのは店の自由だが、それに見合う内容の店は本当に少ない。 現在の秋葉原で、かなり評判の悪い席料のシステムは「もののぷ」のやり方である。席料500円、ドリンク500円〜、さらに初回限定で入場料として500円要するため、ドリンク1杯で1500円かかることになる(2回目以降は入場料は不要なので1000円〜)。普通、こういうビジネスモデルって初回が安いんじゃないの?というのが大半のお客さんの感想だ。私がどう思うとかじゃなく、「それで本当にいいの?」って思う。 また、入場料はかからないものの金額的な面で驚かされたのは「萌えコン@カフェ」である。席料800円、ドリンク800円なので最低でドリンク1杯1600円スタートとなるため、先ほどのもののぷよりも実は高い。この店は「生ビール50円」とうたっているものの、ワンドリンク制(ビールは含まない)な為ビール1杯注文するためには1650円かかって飲み物が2つになるというマジックを採用しており、少々どうかしている。 しかし、本当の意味で目を疑ったのは先日オープンしたばかりの「とっぷすいーと」である。この店の席料のシステムは、カウンター席800円ソファー席1000円とめいどりーみんのソレを踏襲しており「見て作った」のがバレバレなのだが、ドリンク類は800円〜なのでソファー席に座った場合、最低金額が1800円からと、恐らくこの手のシステムでの過去最高値を記録。お客さんからどんどん遠ざかっている。 メイドCafe&Club(昼キャバ)の「ぴゅあはーと」の席料を見ると40分1500円であるから、このまま行くとそろそろメイド喫茶とキャバクラの料金が横並びになることは確実である。まさかキャバクラより高いメイド喫茶が出来るなんてバカげたことは、、と思いたいが、そのまさかが起きる可能性も否定は出来ない。 メイド喫茶というのはキャバクラではないので、キャバクラへ行きたい人にとってはイマイチ不完全燃焼感のある形態だろう。従って、彼らがキャバクラ代わりにこうした店を選ぶというのはほとんど無いはずだ。 これらの店は「誰の為の」店なのだろうか?そしてメイド喫茶はどこへ行こうとしているのだろうか? 海外情勢 (2010/09/05) 昨年10月、東京は秋葉原に「@SWEET(2010年3月31日閉店)」というメイド喫茶がオープンした。オーナーは香港の方。カネがあって何かやりたい、メイド喫茶は儲かるらしいというだけで参入してきたというチャレンジャーであった。作ったのは今時「ただの」メイド喫茶。その顛末はわずか5カ月で撤退であるが、彼はその時こう言った。「香港で(メイド喫茶)やった方がよかったかな」。1400万円失って得た「教訓」らしい。 一時期、海外にあったメイド喫茶は全部潰れたと言われていたが、最近はまたブームがぶり返しつつある。よくメールで連絡を取る知人によると、シンガポールには最近「メイドしゃぶしゃぶ」がオープンし、だいぶ繁盛しているという。この店はオタクのものといった感じではないそうだが、週末は満席だというから需要はあったのだろう。 そういえば、かの「ぴなふぉあ」はかつて、タイはバンコクに進出(2008年5月11日閉店)していた。ここは立地がメチャクチャなのに値段設定は相当強気でかなり頓珍漢だった。メニューは英語と日本語で書かれていたので現地在住の日本人と観光客向けだったのかもしれないが、ラーメンが50円で食べられる国だというのにお絵かきオムライスは500円もした。日本ならラーメンは10倍の500円程度だと仮定するとこのオムライスは5000円ということであるからこれは相当だ。それでも成り立ったのは、飛行機に乗って秋葉原まで行くのに比べれば断然安いからであろう。 ちなみに立地がメチャクチャというのは、バンコクにも「ミニ秋葉原」みたいな街が何か所あるわけだが、何故かぴなふぉあは「おいおいそこはオタクも観光客も行かないんじゃ・・」と言いたくなるようなオフィス街のど真ん中にあった。パンチップ(パソコンソフトやゲーム専門のショッピングモール)なんかに作った方がよかったんじゃないだろうか?家賃は高いらしいけど。 メイド喫茶は、現在の秋葉原や池袋では見ての通りほぼ飽和状態である。特に昼間の時間帯に関しては、需要量と相対的に考えて空いているポストは無いといってもいい状況だ。その意味では@SWEETのオーナーが言った「香港」の方が確実にチャンスは転がっているだろう(彼がやって成功したかどうかは別問題だが)。 もしも「どこにしようか」なんて悩んでいる資本家がいたら、あまり狭いところに凝り固まらずに、一度海外に目を向けてみるのもいいかも知れない。「ハハハ、何を突飛なことを」と笑われるかもしれないが、少なくともただのメイド喫茶でも秋葉原よりは遥かに勝算があると感じるのだ。 それぞれのステロタイプ (2010/09/04) メイド喫茶は3種類に分類出来ると#281で書いた。「観光客向け」「オタク向け」「マニア向け」、どの店舗がどれに分類されるのか、私の見解を書いていきたい。これで「貴方がこの3者のうち何者なのか」と「貴方の通う店は何者なのか」が傾向として解るはず。 まず、観光客向けとは「誰に紹介しても、平均的かつ高い満足度を求めるなら及第点」という意味で@ほぉ〜むカフェやうさぎの森のような店を指す。特にうさぎの森はメイド喫茶の枠を超えテーマパークとしての地位を樹立しつつある。このタイプのお店は女性やカップルにも優しい。もちろんどちらも観光客でなくても楽しめるお店ではあるが、この後の2種類は俗に言う「テレビで見たやつ」ではない。 次にオタク向けであるが、これは「所謂オタクに、メイドとは何かと尋ねた時当てはまるステロタイプなメイドがいるお店」という意味で、現在あるお店できちんとそれが出来ている店舗を挙げるとやはりシャッツキステやキュアメイドになるだろう。これらは「メイドさんは見て楽しむもの」として位置付けられており、店内もどちらかというと荘厳系で、ゆったりまったり落ち着くタイプになっているのでテレビを見てやってきた観光客には物足りないお店である。また、後述するマニアにも違うお店だ。 最後に、メイドと聞けば一度は行っておこうと考えるメイド喫茶のマニアの為のお店というのがある。上記2つには分類されず、観光客が行けば「テレビと違う」、オタクが行けば「こんなのメイドじゃない、邪道」などと言われるがマニアには「これこそメイド喫茶だ!」と喜ばれる、それが幻橙館やピンキーカフェなどである。メイド喫茶と言えば?の問いに「・・ラミカ付きのオリカク!」などと眉ひとつ動かさずに答えられる人なら必ず楽しめる店だ。付け加えておくと、2010年現在増えている新店はほぼすべてがこれに該当している。 このように3種類に分類し、貴方が、お店が、何者であるのか、どの位置にいるのかを把握しておくとより自分に向いた楽しいメイド喫茶が見つかることとなるだろう。 オススメのメイド喫茶を教えてください!という初心者からの質問に「色々なタイプがあるので、3・4軒ハシゴしてみるといいですよ」という模範解答がネット上でよく見られるが、この分類上同じタイプに分類される店に3軒行っても意味はない。自分が何者に分類されるのかまだわからないという人なら、是非観光客向けから1つ、オタク向けから1つ、マニア向けから1つなどという3店舗の選び方をすべきだろう。そうすることで「私はうさぎの森だなぁ」「僕には幻橙館かな」などと最善のお店にたどり着けるはずだ。 注意: ・当ページの内容の無断複製、転載は有料・無料問わず全て禁止とします。 |
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