2010年8月19日 11時41分 更新:8月19日 14時14分
【ワシントン小松健一】イラク駐留米軍の最後の戦闘部隊(約4000人)が18日(日本時間19日未明)、イラクから隣国クウェートに撤退を完了した。米主要メディアが一斉に報じた。03年3月に始まったイラク戦争は、戦闘部隊撤退で終結に向け大きな節目を迎えた。
駐留米軍はブッシュ政権当時の07年の増派で最大17万1000人に上った。CNNテレビによると、戦闘部隊の撤退完了に伴い、5万6000人となる。このうち後方支援などにあたる6000人が今月末までに撤退し、この段階で正式に米軍の戦闘任務が完了する見通し。9月以降はイラク治安部隊の訓練と支援を目的とする5万人が駐留する。
オバマ大統領は18日、「私は就任以来、イラク戦争を責任ある形で終わらせる計画を進めてきた。我々の戦闘任務は今月末で終了し、イラクが国の治安を守る責任を負う」との国民向けメッセージを発表した。米国務省のクローリー次官補(広報担当)はMSNBCテレビに「我々は戦争を終えつつあるが、イラクに長期的に関与し続ける」と語った。
オバマ政権は今月末までに戦闘部隊、11年末までに全部隊を撤退させるロードマップを表明していた。
ブッシュ政権は対テロ戦争の軸足をイラク戦争に置き、増派を重ねてきた。一方で、アフガニスタンの治安情勢は悪化し、昨年1月に就任したオバマ大統領はアフガンを主戦場と位置づけた。アフガン駐留米軍は間もなく10万人規模とオバマ政権発足時の約3倍になる。イラクでの米軍の死者は4400人に上っている。