日テレがストライキしても放送に支障が出ない理由

2010/10/12 15:47

「お家騒動」を農民は冷ややかに見ている

   そういう意味では、今回の日テレのストというのは、世間でいうところのストライキとは本質的に全く別物である。はっきりいうが、彼らは搾取される哀れな労働者でもないし、会社の業績を盾に綱渡りの交渉を繰り広げているわけでもない。

   制作会社に仕事させつつ、正社員という安全地帯の中から、ノーリスクで「もっと寄こせ」とわめいているに過ぎない。

   これはいったいなんだろうか。

   強いていうなら、「そんなに働いているわけでもない人たち同士の分け前をめぐる争い」という意味で、江戸時代のお家騒動に近い気がする。

「わが方こそ正義なり」
「いやいや、われらこそ義である」

といって争うお侍さんたちを、実際に生産活動に従事していた農民や町人は、きっと冷めた目で見ていたに違いない。

   テレビ局労組の「闘争」がどこかしらじらしく見えてしまうのは、我々の多くも、昔の農民同様に、実際の生産活動で飯を食っている身分だからだろう。

城 繁幸

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城繁幸(じょう・しげゆき)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログはDoblogに障害が発生したため、gooブログに移転中。

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