米中国防相、領土紛争めぐり神経戦

ゲーツ国防相、来年訪中へ…軍事交流の再開で合意

 米中両国の国防相が、今年1月に米国が台湾への武器売却を決定したことを理由に中国がハイレベルの軍事交流を中断して以来、9カ月ぶりに会談を行ったが、南シナ海の領土紛争や台湾への武器売却問題などをめぐり神経戦を繰り広げた。しかし、ロバート・ゲーツ米国防長官が中国側の要請を受け入れ来年の訪中を決めるなど、軍事交流自体は再開することで合意した。

 華僑向け通信社の中国新聞社によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議に出席するためベトナムを訪問しているゲーツ長官と中国の梁光烈国防相は11日午後、ハノイ市内のホテルで会談を行ったという。

 梁国防相は会談で、「米国の台湾向け武器売却をはじめとする一連の障害物が、両国の軍事関係の発展を妨げている。両国の軍事関係の発展のカギは、双方の中核利益と重要な関心事を尊重し、戦略的な相互信頼関係を築くこと」と述べ、米国を圧迫した。

 これに対しゲーツ国防長官は、「米国は、東南アジアの国々を支持し続けるという点を保証できる」と述べ、南シナ海が米国の利益に絡む地域であることを明確に示すとともに、中国側に「外交チャンネルを通じ、東南アジア周辺国家との領土紛争を解決すべきだ」と話したという。南沙諸島など東南アジアの島々をめぐる中国と東南アジア諸国間の領土紛争問題は、中国の中核利益が懸かった事案であるため、中国側は米国に介入しないよう求めているが、ゲーツ長官のこうした発言は、中国側の要求を拒否したものと分析される。一方、梁国防相は同日、宿泊先のホテルのエレベーター前で北沢俊美防衛相と会い、20分にわたり対話した。尖閣諸島(中国名:釣魚島)での漁船衝突事件以降、双方が顔を合わせたのは初めて。新華社通信によると、梁国防相はこの席で、「双方の立場の違いとデリケートな問題について、対話を通じて解決し、中日関係ができる限り早く正常軌道に復帰できるようにしよう」と述べたという。北沢防衛相も、両国間の海上での連絡体制の確立など、国防分野での交流を求めたとのことだ。

北京=崔有植(チェ・ユシク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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