ノーベル平和賞:劉氏受賞、中国メディア報道せず(上)

 中国の反体制活動家、劉暁波氏(54)が今年のノーベル平和賞受賞者に決定した8日、中国は深い沈黙を守った。中国外務省の馬朝旭報道局長は、受賞が決定した約1時間後に外国人記者の質問に答える形で短く論評したが、中国の新華社通信など各通信社、中国中央テレビなどは劉氏の受賞を一切報じなかった。

 インターネット検閲も一層強化された。中国の検索サイト最大手「百度」で「劉暁波」「ノーベル賞」などの検索語を入力すると、「関連法規と法律に反する」として、検索内容が表示されない。劉氏の受賞を伝えるニュースがポータルサイトのブログに掲載されると、「サイトの安全な運営に影響を与える恐れがあるため削除された」というメッセージだけが表示される。さらに公安当局は劉氏の夫人、劉霞氏が住む北京市内のアパートを取り囲み、マスコミによる接触を阻んでいる。

 中国は、念願の中国人初のノーベル賞受賞者が反体制活動家の代表格である劉氏に決定したことに戸惑いを隠せない。米国と並ぶ大国が体面を傷つけられたことに、ショックを受けている様相だ。

 馬報道局長は記者団の質問に対し、「劉氏は中国の法律に触れ、中国の司法機関から懲役刑を受けた犯罪者だ。ノーベル賞委員会がそのような人物に平和賞を授与することは完全に趣旨に反しており、賞に対する冒涜(ぼうとく)だ」と怒りを込めた。その上で、「(劉氏へのノーベル賞授賞は)中国とノルウェーとの関係を傷つけるものだ」とも批判した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る