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<話題>ノーベル化学賞の「クロスカップリング」にレアメタル不要の新手法が登場

13時03分配信 モーニングスター

現在値
長瀬産 936 -11
伊勢化 585 +33
ガス開 432 +2
 2人の日本人化学者が2010年度ノーベル化学賞を受賞する理由となった「クロスカップリング反応」(用語解説)を、レアメタルを使わずに実現する新技術に商業化の見通しが立った。長瀬産業 <8012> が8日、立命館大学薬学部・北泰行教授の研究グループと共同で、高価な金属の代わりにヨウ素を触媒に使う新たなカップリング反応によりつくる導電性ポリマーを開発し、2011年度中に発売すると発表した。

 新開発の導電性ポリマーは北教授らが長年取り組んできた、ヨウ素利用のクロスカップリング反応をベースに開発した。コストはパラジウムなどのレアメタルを使うのに比べて2分の1程度との見方も出ている。長瀬産業の子会社でフィルムの生産を担当する予定のナガセケムテックス(大阪市)では「今後、導電性フィルムで取引関係にあるユーザーとの間で(コストを含めた)詳細を詰めていきたい」(研究開発本部)と話している。

 経済産業省の統計によると、わが国のヨウ素の生産量は8232トン、消費量は2592トン。世界の埋蔵量約1500万トンの約30%が日本にあるとされる。日本のヨウ素生産量のほとんどは千葉県にある水溶性天然ガス鉱床(南関東ガス田)が産出する地下水から行われている。

 この日は長瀬産業とともに、ヨウ素関連の銘柄が活況を呈している。ヨウ素生産で国内首位の伊勢化学工業 <4107> の前場は前日比19円高の571円でザラバ引け。千葉県・茂原地区に天然ガスの鉱区を持つ関東天然瓦斯開発 <1661> は2円高の432円でザラバ引けだが、一時436円まで買われた。長瀬産業は一時39円高の986円を付ける場面があった。前引け値は944円。(由谷 順)

 用語解説「クロスカップリング」=2つの化学物質を結合させる反応(カップリング反応)のうち、異なる物質を結合させる反応のこと。化学反応を仲介・加速する触媒に金属を利用して、有機化合物を結びつけ新たな性質を持つ物質を生み出すことが盛んに行われ、液晶テレビ向けの素材や医薬品の製造などに広く応用されている。2010年度のノーベル化学賞は、カップリング反応の合成方法を確立した根岸英一・米パデュー大学特別教授、鈴木章・北海道大学名誉教授ら3人に贈られた。根岸氏はクロスカップリングの一つである根岸カップリング、鈴木氏は鈴木・宮浦カップリングにその名が冠せられている。

提供:モーニングスター社

最終更新:13時03分

モーニングスター

 

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