広島空港(三原市)の真下を通る県道トンネルについて、中国地方整備局は近く耐震補強工事を始める。整備局が設置した有識者委員会が昨年、マグニチュード(M)6・5規模の直下型地震が発生した場合、側壁が壊れる可能性を指摘したため。ただ、政府の事業仕分けの影響もあり、本年度に工事が実施できるのは、補強が必要な区間の半分にとどまる。
滑走路と誘導路の下を通っている県道のトンネル2本のうち、東側の広島空港本郷線のトンネル(全長564メートル)。有識者委員会の指摘を受けて整備局が検討した結果、滑走路と誘導路直下のトンネル側壁に300メートルにわたり、鉄筋を打ち込む工法で補強する必要があると判断した。
整備局は耐震工事の総事業費を2億円弱と見込む。本年度中の工事完了を目指して予算要求していたが、本年度の予算配分は8500万円にとどまった。
全国の地方空港の整備費は、昨秋の政府の事業仕分けで、概算要求額の10%程度削減を求められた。その影響で、広島空港の耐震補強工事費を含む「航空の安全・安心確保事業」の本年度政府予算は前年度から15億円減の202億円。予算成立後に決まった耐震補強工事の配分額は、削減のあおりを受けた。
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