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尖閣沖衝突の中国漁船 船体に赤さび、操縦室には日本食

2010年9月16日5時30分

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写真:巡視船と衝突後、石垣港に到着した中国のトロール漁船=8日、沖縄県石垣市、上田潤撮影巡視船と衝突後、石垣港に到着した中国のトロール漁船=8日、沖縄県石垣市、上田潤撮影

写真:15日朝に帰国した中国のトロール船「「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」=中国福建省晋江、奥寺淳撮影15日朝に帰国した中国のトロール船「「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」=中国福建省晋江、奥寺淳撮影

写真:中国のトロール船「「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」に地元の漁師が乗り込み、尖閣諸島沖で日本の巡視船と衝突する前にとったとみられるカワハギを取り出した=15日、中国福建省晋江、奥寺写す中国のトロール船「「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」に地元の漁師が乗り込み、尖閣諸島沖で日本の巡視船と衝突する前にとったとみられるカワハギを取り出した=15日、中国福建省晋江、奥寺写す

 【晋江(中国福建省)=奥寺淳】尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船と衝突した中国のトロール漁船「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」が15日朝、漁業監視船に守られながら福建省晋江の母港に帰国した。接岸した同船の中に入った。

 木の甲板は黒ずみ、船体の鉄板は所々赤さびが目に付く。接岸後に船に乗り込んだ漁師は「建造から5、6年しかたっていない」というが、相当年代物に見える。

 操縦室は船の中央部にある船室の2階にあった。室内や操縦台、いすは木製で、多数の配線がむき出しになっている。日本側から差し入れされたのか、飲みかけのオレンジジュースや食パンなど日本の食品が置かれたままになっていた。船室の1、2階には、船員が横になれる畳1枚ほどの小部屋が計15室あった。

 地元の漁師によると、この港には約500隻の同型船があるといい、「大半が年に何回も釣魚島(尖閣諸島)近海へ行く」(37歳の漁師)という。カワハギなどの魚が増え始める8月ごろから出漁する船が増え、50代の漁師は「常に100隻以上が釣魚島近海で漁をしている」。今回の事件後も、これから尖閣沖へ行くという船もあった。

■船首右側に経緯不明の穴

 尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突し、15日朝に中国福建省晋江の母港に戻ったトロール漁船「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」は、船首部分に2カ所の穴が開いていた。地元漁師は「衝突でできた」と主張したが、海上保安庁は「漁船の穴は、石垣港での検証では確認されておらず、巡視船と衝突した際にできたものではない」として事件との関連を否定している。

 拿捕(だほ)された漁船が石垣港に到着した際には穴がなかったことは、当時の写真からも確認できる。経緯は不明だが、石垣港出発後、帰国までの間にできたと見られる。

 同庁は事件当初から、「漁船の左舷側が巡視船に接触した」と発表していた。

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